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【十一階層一区画】イレギュラーズの年末年始

【十一階層一区画】イレギュラーズの年末年始


 鹿児島でも、冬がようやく本番になった12月。県外から集まった面々であるイレギュラーズは寒くない冬に少し困惑しながら年末を迎えようとしていた。


 そんなある日の昼下がり、談話室にて


「ふむ、光太郎も行ったのか?」

「あぁ、なんかすげぇ不機嫌だったけどな」


 城一と錬治がお茶を飲みながらそんな会話しており


「錬治さんは帰らないのですか?」


 煎餅をもってきた岬が尋ねた。


「うちはお袋が親父の職場に入って夫婦二人で楽しく沖縄出張、爺さんはこっちの本家に来て帰りに寄るって言われた。高校生なんだから友達と遊んでろだと。城一と岬は帰省はいいのか?」

「ふっ、我らは施設育ちだから元々帰る場所などない。あぁ、気にすることもないぞ、我は一切気にしていないからな」

「私も城一さんがいる場所が私の居場所ですから」

「そうかよ…」


 ちょっと気まずい空気になる。


「家族がいても良いてわけでもないッスよ」


 いつの間にか現れた次郎が煎餅片手に話に入ってきた。


「ほう、そういうものか?」

「そうっスよ。まぁ、家の場合は、てなるっスけど…」

「お聞きしても?」

「いいっスよ。家はいわゆる長男教ていう長男至上主義なんすよ。普通のサラリーマンのはずなんすけど…なんか知らないけど今どきあるのかよってくらいに長男優先なんっスよ。なんで居心地悪いから金送りつけて帰らないって言ったら何も言わなくなったッス」


 あっけらかんと話す次郎に少し困りながら正月などの予定に話は切り替わっていった。


「結局、帰省するのは、光太郎、崇高、佐江、一芽、美穂、ぼたん、調、美千代か」

「源治はツーリングに行くらしいけどなぁ」

「充希さんはダラダラ過ごしたいからと部屋に引き籠ってますね」

「ふっ、正月くらいはゆっくりするとするか」


 こうして、イレギュラーズの年末は進んでいく。

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