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【一階層九区画】世界の様相

世界の国々のちょっとした様子です。

 日本ダンジョン戦記 【一階層九区画】世界の様相



 ダンジョンの誕生。それは世界を変えた。良くも悪くも大きく変わった。誰かが言い出した「パンドラの祝福」と呼ばれるあの日から…



 アメリカ合衆国 ニュヨーク市アメリカダンジョン省ビル


 カーター・ワーターフィルドは、今日も誰も来ない元物置。現ダンジョン記録第四課オフィスにてC級迷宮、日本でいうところの三級迷宮の報告記録をつけていた。と言っても目ぼしい情報があるわけでもない。だが、カーターはその作業を続けざるしかなかった。


 元々彼はこのような雑務をやるような立場ではなかった少なくとも二年前までは…


 元の肩書はニュヨークダンジョン攻略チーム室長。アメリカ有数のダンジョン発生地域の攻略を受け持つエリートであったのだが、大きな失策を行い大更迭により現在の地位まで転落した。


 その失策とはニューヨークトップチームの長期の攻略不能状態へと追いやったこと。むろん、通常通りの業務でそうなったのなら咎められもしなかったであろう。だが、彼は自由の女神ダンジョン32階への到達という人類史上初の大迷宮の30階層突破という事態に欲を出した。人類初の大迷宮攻略チームの指揮官という虚飾に…攻略の為の抜本的改革として()()()()()になるという判断からサポートメンバーであった、ソースキー・ハシモトをテキサス州へと転属させた。


 その事実を他のメンバーが知ったのは、休暇が明けてからであったのだが、それに対する抗議も室長権限で封殺し強引に攻略へと進めたが結果は惨敗。なんとか命はとり止めたが補填メンバーとして配属された新メンバーは再起不能となり、メンバー全員が重傷を負った。それにより内部調査によりソースキーに対する人種差別をはじめに、様々なハラスメントが行われていた事、重要報告案件の秘匿や功績の改ざんと芋ずる式に発覚し懲戒解雇にすべきということが決定はした。


 だが、機密情報に抵触する立場にいた為に直ぐに解雇するわけにはいかず、現在24時間の監視体制のもと少なくとも情報が劣化して完全に使いものにならなくなるまで三年間の軟禁状態の生活となったのである。


「くそっ、あのカラードのせいで。俺はこんなところで終わるわけには…」


 アメリカのダンジョン攻略はしばらくは難航しそうである。




 台湾 龍山寺ダンジョン


 台湾が中国から独立してから早8年の年月が流れていた。


 独立の切っ掛けとなったのはやはりダンジョンの誕生。それにより中国大陸内での派閥による闘争などによる混乱と資源の獲得が大きい、さらに幸運だったのが世界で二番目の勇者が誕生したことだった。


 台湾の勇者、フェイ。彼の活躍は台湾において希望といっていい。彼のもたらすのはダンジョンからの資源ではなく希望そのものだといっていい。整った顔立ちに引き締まった体と見た目もだが、そのストイックな性格と自己鍛錬を怠らない勤勉さとまさに台湾の探検者の規範といっていいであろう。

 そんな彼は今日も仲間と共にダンジョンへと潜っている。


「フェイ、いったぞ!」

「任せろ!」


 襲い来るのは怒蜥蜴(フェンヌツィイ)

 象よりも大きな蜥蜴でシンプルに力が強く皮膚も分厚く弾力がありさらに硬い鱗が覆っている。しかし、そんな蜥蜴の猛突進を軽やかに跳躍でかわしそのまま高さ8メートルほどあるダンジョンの天井まで到達しそのまま天井を蹴り愛槍を突き立てる。


「螺旋来雷槍!」


 青と赤の電光が螺旋を描き蜥蜴を貫きその動きを止め、それに合わせて仲間たちが連続で攻撃を叩き込む。


「ふぅ、新しいアーツの威力もかなりのモノだな」


 大物を仕留めて少し安どの息を漏らしたのは大柄の重戦士の青龍刀使いのチン


「まぁな。だが、まだ使いこなせてる気がせん」


 そんなチンに話しかけられながらも少し不満気に槍を担ぎ厳しい顔になるフェイにたいして


「フィイさんは自分に厳しいですね」


 後衛でのサポートを得意とする子供っぽいしぐさの導師のシェンがニコニコとしている。


「まあ、それでこそという処はあるがな」


 斥候などを務めるヘイが警戒をしながら会話に交じる。

 台湾勇者チームは四人、フェイを中心にまとまったいいチームである。


「今日は引き上げだ…新しいアーツも試せたしな」

「了解と、じゃあこいつを持って帰るか」


 そういって拳大のカプセルを大蜥蜴に投げるとカプセルの中に蜥蜴が収納される。これは収納カプセルとよばれる使い捨てアイテムで大物などを持ち帰るさえに使用されるアイテムである。収納バックと呼ばれる定番のアイテムはあるのだが…容量は大きく収納できるが重さも増えるものか重量を感じないが容量は変わらないものしか今のところ見つかっていないのが実情である。ただ、この収納カプセルが開発されただけましともいえる。

 こうした日常が台湾では続いており安定してダンジョン生産数も年々増加しているのであった。



 ロシア連邦 モスクワ


「大統領お時間です」

「あぁ」


 既に70歳を超えているはずのブルチネス大統領ではあるが、その肉体は衰えるどころか若々しささえある筋肉の張りがある。


 それもこれもダンジョンに率先して潜り成果をあげているからであり、最近では、むしろダンジョンに潜る時間のほうが政務の時間よりも長いかもしれなくなっている。それだけ、ダンジョンという存在に魅了されていた。


 特に大統領自ら仕留めたグラップルベアの肉を使用したボルシチは晩餐会の定番メニューとさえなっている。自ら率先しダンジョンに潜り危険を顧みず成果を上げる大統領として人気を得ている。もちろん、そういった得たドクトリンはロシア探検者養成学校にて編纂されロシアのダンジョン探索に大きく貢献している。


「チャイナのほうからはどうかね?」

「現在は大人しくしております。ですが、国境付近の村などが襲撃されるケースもあり」

「なるほど、では国境警備隊の同士諸君に奮闘するように伝えてくれたまえ」

「はっ!」

「ふむ、激励の為にもクマを数頭送るとしよう」


 良くも悪くもロシアは盤石のようである。




 欧州連合国会議 ストラスブール


 欧州連合は好景気に沸いていた。欧州連合の最大の問題点。その問題は、失業率であったのだがその大多数が探検者となったために大きく解消し経済という川を堰き止めていた岩が取り除かれ一気に水が流れその流れにより大きく好転していった。


 むろん、良いことばかりではないのだが、そこらへんは抜け目なく探検者を雇用した()()()()により治安維持は向上している。むろん、日本のような温い警備会社ではないが…それに加えて欧州各国ではどの国にも一級迷宮が平均で10はありそれにより消費なども増えて喜ばしい限りではあるのだが…


「まだ、イギリスの再加盟の交渉は…」

「えぇ、こちらがかなり譲歩しているというのに、何を意地になっているのか」

「まったくだ」


 欧州連合を離脱していたイギリスに対する愚痴や不満が出ている。それもそのはず、イギリスは欧州随一の一級ダンジョンを所有しさらに〈ブレイブ・オブ・ザ・エクスカリバー〉のスキルをもつ勇者がいる。むろんフランスにも賢者はいるのだがこちらは研究者としての側面が強くダンジョン攻略には消極的な面が多い。


 なので現在は結束している欧州連合の嫉妬の的となっている。もっとも、それが皮肉にも欧州連合をまとめることになっているのだが…


 何はともあれまだイギリスとの格差も大きくなくさらに現状はフランス、ドイツ、イタリア、ギリシャが絶妙なバランスでの経済状況の為になんとかパワーバランスを保っているという危うさは残ってはいた。

 世界全体としては景気は悪くありません。が、中東、南米は独自勢力が乱立してはいます。


 中国は軍区事に派閥が武力蜂起を起こしており内乱状態です。ウイグル・チベット自治区は独立を成功させています。


 日本を除くと勇者は四人確認されています

・フロンティアブレイブ(アメリカ)

・ヴァンガードブレイブ(ロシア)

・ソードオブブレイブ(イギリス)

・ブリッツオブブレイブ(台湾)

 それぞれ独特のユニークスキルも発言しています。名称及びスキル効果は探検者カードのQ&A機能でも検索できないようになっているようです。

 交渉材料としてイギリスの勇者のみ一端である≪ブレイブ・オブ・ザ・エクスカリバー≫を公開しています。効果は、聖剣を支配する能力と公開されています。

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