【九階層七区画】川内大綱引きダンジョン 開幕
【九階層七区画】川内大綱引きダンジョン 開戦
上半身する男たちが揃い踏み、勇壮という言葉がよく似合う。
「ケケケ、もう少しで始まりそうだな錬治」
「あぁ、ワクワクするよな」
月と街の明かりで照らされた国道3号線にに現れた大きな門が開きそこから足軽姿のカッパがムーウォークで出てきた。
「ちょっとまてやぁぁぁ! なんでムーンウォークなんだよ! マイケルか! マイケ〇ジャクソンなのか!」
「落ちつくっす伏せ字が伏せ字になってないッスよ心友。それにツッコンでる場合じゃないっスよ。あいつらできるっス…見事にス〇ラー踊ってるッス」
「そこはどうでもいい…いや、良くねぇか…えっ、なにコレ」
「……統率力が高い指揮者いるんだろ」
「こんどはタップダンスまで始めてるけどな…」
後方からの調のツッコミが聞こえたのを、気にしないことにしながら、開戦の合図をまつ。
高鳴る鼓動が最高潮へと達するとき
ドン!
合図の太鼓が鳴る。
「行くぜ<ウォーロード>」
錬治は、地面を、そして空を蹴る。
「飛燕旋風連脚」
体を回転させるように、放った空中回し蹴りで手前のカッパを薙ぎ払う。
「「「カッパ!!!」」」
「螺旋昇竜脚!」
着地を狙って3匹のカッパが張手を放ってくるが、錬治は、そのまま手を地面についてブレイクダンスの要領で体を回転させながら体を跳ね上げある。
が、流石に態勢を崩しており一気に襲い掛かられるが…
「そろそろだな<チェンジリング>」
カッパに押しつぶされそうになった人影は
「ケケケ、集団で襲い掛かるなんて《アンフェア》だよな!」
光太郎は、近くに倒れているカッパを掴むと振り回しながら進んでいく。
「カッパ!!!」
後ろから光太郎に襲い掛かるカッパ。が、それは別の存在によって吹き飛ばされた。
「《キャスリング》よう、源治どうだ?」
「ケケケ、本当にお前のスキルて反則だよな」
「いや、えげつない使い方思いついたのは、ぼたんだけどな」
「移動スキルを攻撃に使うとか、ケケケ、最高だな」
「あぁ、本当になぁ!」
《チェンジリング》と《キャスリング》のコンポ。それは単独で戦う事が多い錬治にはない発想であった。
僅か二人とはいえ、先陣のカッパたちはせいぜい三級ダンジョンのゴブリンと同程度か若干強い程度の強さ。その程度で止まる二人ではない。
更に…
「《チェンジリング》」
「よっしゃぁぁぁいくぞおら、死なすぞおら!」
後続を次々に入れ替えることで、敵陣を喰い破りながらカッパたちを次々に殴り飛ばしていく。
「うわっと」
「危ない《チェンジリング》」
更に、足を掬われて倒れた人を後方の人と入れ替えて危機を救うなどといった使い方もできる。
《チェンジリング》の真骨頂は、大規模集団戦にあるとぼたんに指摘された事を思い出しながらそれを実感する。
(確かに、こういう使い方は、思いつかなったな)
祭りは始まったばかり、徐々に激しさを増すのであった。
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キャスリングはチェスのルールでキングとルークの位置を入れ替えをもとにしたスキルです。




