【九階層四区画】解説! 川内大綱引きダンジョン!
【九階層四区画】解説! 川内大綱引きダンジョン!
教壇に崇高が立ち、ピッとボーズをとり
「それでは、良く解る川内大綱引き講座を始めるでありますよ」
ちょっとテンション高く解説を始める。
「昔は、ケンカ綱と呼び方がされていたでありますが、今は使われなくなったそうであります」
「いや、ちょっとまって行き成り物騒なキーワードが出てきたんだけど…」
「ケケケ、なんだ? 相手をぶん殴っていいとか?」
「フッ、まさかそんな訳ないだろ」
「いえ、大体あってるでありますよ」
「えっ、あってるんスか!?」
「はいであります。正確に言うなら引手を押しのけるのがありな綱引きでありますから」
周りは唖然となる。
「誰っすかそんなルール考えた人…」
「島津でありますよ。島津義弘公が関ヶ原への出兵のおりに執り行ったとされているでありますよ」
「…なるほど……」
「いや源治はんだけでなっとくされても、困るんやけど…」
島津義弘。鬼島津と呼ばれる猛将にして勇将。初陣で敵陣に突撃し、一騎討を繰り広げ、慶長の役では、リアル無双を繰り広げ、関ヶ原では敵陣である徳川本陣へと向かって撤退し一当てからしから反転した「島津の退き口」と呼ばれ全国に知れ渡る程の撤退戦を行った。また、情にあつく家臣の子が生まれ30日が立つと館に招き膝に抱き誕生を祝い戦地でも兵卒と一緒になって囲炉裏で暖を取るなどしていた逸話がある。
「大体の戦国の薩摩のイメージはこの人が原因でありますよ…一応、医術や茶道にも精通した知識人でもありますよ」
「それに乗っかる人たちもどうかとオレは思うけどな…」
「ケケケ、どんなのだったか気になるねぇ」
「映像資料があるでありますよ。見てみるでありますか?」
とりあえずダンジョン化する前の映像をみるが…
「えっと、これはどこの蛮族の奇祭ですか?」
「……別のカメラマン蹴っ飛ばされてた……」
「近づいて邪魔だったんと分析します」
女性陣は若干引き気味であった。
「ほう、なかなか勇壮ではないか」
「ケケケ、いいねぇ。楽しそうな祭りだ」
「……うむ……」
「実にいいねぇ。うん、これぞ男の祭りで俺は好きだぜ」
「やべぇ…こっちはノリノリだよ」
「諦めるっす。この人たちはそういう人種っス……」
四名ほどノリノリである。
「まぁ、元がこういう祭りでありますから…ダンジョン化しても然程特殊なルールにはならなかったであります。ルールは綱を引いてモンスターが出てくる門を閉じる。迫りくるモンスターは素手で押しのけ、綱を引くのを妨害しているモンスターを止める。基本はこれだけのルールでありますよ」
「モンスターがどんなものなのか気になります」
「モンスターはカッパであります。ただ、デバフをしてくるジャマーガッパーとか足軽っぱとか武将っパとかちょっと変わった名前ばかりでありますが」
「けど、ルールは単純だよね。僕としては、女性陣が参加できないのは不思議だけど…でちゃダメなの?」
「防具指定というか上半身ハダカでサラシをまいた姿でありますからね」
「僕は見られてもいいけど?」
「周りが気を使うからやめて欲しいであります」
「というか、お前…寮でもたまに、ほとんど身に着けてないで、ウロウロしているよな…アレはマジで止めろ」
「えぇ、いいじゃないか錬治君。それとも何かい? 欲情しちゃった? それなら言ってくれたら……ひゃうっ…」
「それ以上言ったら、斬るからな?」
殺気を込めた静かな錬治の声に珍しく素直に充希は首を縦にふる。
「錬治っちそっち方面はまじめだよね」
「とりあえず、ルールはこんな感じでありますよ」
「よし、じゃあ、お前ら後で、資料纏めてダンジョン学の時間に発表な。男子は…乗り気だし全員参加で伝えておくか」
「ちょっ、まって先生、オレらも!?」
「勘弁して欲しいっす!?」
二名ほど悲痛な声が上がったが、いつの間にか参加させられることになっていたのであった。
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。
調「あの説明てどこまで本当なんだ?」
崇高「そうでありますな6割くらいでありますかな?」
調「そうだよな、うん、けど誇張しすぎじゃね?」
崇高「いえ、抑えて6割であります」
調「………」
崇高「ヒートアップした観客が乱闘始めたりすることも珍しくないでありますよ」




