【八階層裏地区】蠢動暗躍
【八階層裏地区】蠢動暗躍
「それで首尾は?」
ホテルの一室で一人の人物が報告を待っていた。
「解決されたみたいですぜ」
「そのようですね…それにしても『人形劇』は存外の切れ者であったようですね」
「えぇ、まさか、依頼が届いてから、僅か数日で解決するとは、やりますねぇ」
「少々甘くみていましたが…ですが、必要なことはわかりましたからいいでしょう」
「ドリフモンスターを倒したヤツのことはどうします?」
「あのレベルのモンスターでは、力不足もいい所でしょ」
「しかし、まさか、ガキにやられるとは過大評価でしたかね?」
「えぇ、そこそこ育ってはいたのですが、流石は一級探検者の教え子というのもあるのでしょうが…」
「あのレベルなら、うちの上位の五階位くらいですかねぇ?」
「クスクス、自分は負けてないといいたいのかしら? 上位二階位神兵」
「そりゃそうですよ。あの小僧は少々やりますけどね。負けるなんて思いませんよ」
「やはり、一級探索者の実力は侮れませんね」
「他の一級探索者や特級探索者に、いくつかの支部と計画が潰されたのは、ちぃとまずいですかネ。助祭さま」
その報告を聞いて、ふぅと助祭は一息つく。
「それはいいです。どうせ捨て駒の下位の者です。ある程度の目くらましと、戦力分析には役立ったことですしね」
「そりゃーそうですね。特級上位は、上位一階位の方々でもキツイですよ」
「そうですか…そうなるとやはり、十聖の方々のお力にすがるしかありませんね」
「あの方々なら負けることはないでしょう」
「当然です。真に選ばれた方々なのですから、それで次の予定は?」
「東京支部へと向かい、怨敵『ザ・ノーマル』の監視だそうです」
「凡人のくせに探検者№1という、我ら選真教の敵……今は監視しかできないのが悔やまれますが…わかりました。では、こちらに数名を監視役として配置して引き上げますよ」
人知れず、真の黒幕は、深く深く姿を消した。その姿を見せるのは……まだ先の話。
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一応、シリアスな〆にしたのですが、ギャグルートでこの会話の直後に逮捕される展開にしようかとおもったのですが、がんばってシリアスにしました。




