【八階層三区画】交差点
100話達成!
加筆修正いたしましたプロローグと関係するエピソードなっております。
【八階層三区画】交差点
キレ――
某が意識をもった時、そう命じられた気がした――
故に斬った――
弱者に興味はなかった――
某は命じられはしたが弱者は斬る気は起きなった――
故に強者を求めて彷徨った――
幽世と現世の狭間で――
「見つけたぜ。辻斬り、いや辻神だっけか? まぁ、いいやその首置いてけや」
彷徨いて幾日なのか――幾年なのか――某には判らぬが――初めて某の領域に入ってきた者がいた――
童かと思ったが元服はしていることは理解できた――
なにより、某の庭にいるというだけで――斬る――対象には間違いない…
童は刀を構えると
「じゃ、始めるぞ。いざ、尋常に…」
そう言われて――某は無意識に
『勝負…』
そう口にし――
そして――
気が付くと刀を振りぬいていた――
童がいつの間にかそこにいた――何たる殺気――隠す気がないのであろう――故に某は刀を振っていた――
童が笑う――あぁ、そうか童よ主もそうなのだな…
強者が居ぬことは退屈なのであろう――
刃で語れぬのは不満であるのであろう――
某には判る――某もそうなのだから――
童よ――某の刃はどうだ?
そうか楽しいか――
某も楽しいぞ――
あぁそうか…某この日の為に彷徨っていたのだな――
童よ――童よ――
名も知らぬ童よ――もっともっと切り結ぼう――幾千幾万と刃を振ろう――
「いいねぇ、面倒事だと思ったが思いのほか楽しめそうだな…なら、【瞬閃・四式】天斬を試させてもらうぞ」
童よ――なんだその構えは――そのような構えから繰り出せる太刀筋は一つではないか――
あぁ、そうか――そうなのだな――
童よ――愛しき童よ――
それがお前なのだな――
ならば――ならば――
殺ろう――
終わらせるには惜しくとも――
それでも――
さぁ――さぁ――さぁ――
日が堕ちてしまう前に――
月が見降ろす前に――
日月が向き合うこの時が終わる前に――
あぁ…童よ…この刃はどうだった?
某の最期の刃どうだった?
童よ…某の心は届いたか?
童よ…お主の刃は某と――
交差した……ぞ……
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。
更新予定を滞ることなく100話まで書ききることができました。
活動記録にて、これまでの制作思いなどを書いております。




