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潮風薫るこの地にて  作者: 松田 業平
第二章 日常
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第21話 買い物

初日の練習を終えた帰りのバスの中は、皆が皆眠りこけていて今日の疲れを物語っていた。宿についた後は荷物を部屋に置いた後、すぐに夕食となる。

今夜は昨日よりもご飯のおかわりの量が増えて凄いことになっていた、俺も昨日よりも食べる量が増えていた。

食事を終えて時刻は六時半頃、黒崎達との時間まではまだ余裕があるため何をしようか考える。

休み期間中にも宿題は出されてはいるが、早めにやっておいたので問題はない。

部屋でごろごろするのも悪くないが、今日のこともある。

明日の練習に備えて多めに水分と補給食と、あとは少しおかしでも買ってくることにした。

宿の近くにはコンビニがあるのだがもう少し歩けばスーパーがありそっちの方が安いためみんなスーパーの方を利用しているらしい。

「いらっしゃいませー」

買い物かごを持って目的のものをかごに詰め込んでいく、幸い島と売っているものに違いもなくものはすぐに見つかった。

あとはおかしを物色するだけなのだが、そこで見知った二人、いや三人いた。

「あら汐見君買い物?」

「おうそっちもか。副部長が一緒とは珍しい」

「お、汐見弟君じゃないか一人?」

「ええまあ」

「それはさびしいな、一緒なら良かったのに」

「それはちょっと遠慮しときます」

「なんだつれないな」

流石に女子三人の買い物につきあえるほどの精神は持ち合わせなはいない、悲しくはない!

「それにしても・・・」

黒崎のかごの中にはもういくつものお菓子がはいっているのに海のやつはまだ買おうとしている。

「飯食った後だったのに、太るぞ」

「む、そのひねくれた台詞と声は・・・晶?よ、余計なお世話よ。き、今日は運動したしこれくらい大丈夫だし!」

自分のお腹を抱えて後ずさる海だったが、その両手にはきっちりとポテチとチョコが握られている。

「まあまあ、元浜ちゃんこれくらいにしとこう?足りなくなったらまた明日買いに来れば良いし」

「そうですね」

「それに、今夜皆で会議するんでしょ?そろそろ帰ってお風呂にも入らないとね」

「あれ、先輩も来るんですか?」

「ええそのつもりよ、せっかくの機会だしね。先輩として後輩の力になろうと思って」

「そうでしたか」

「そうしましょう、海さん」

「そうだね、それじゃ早く帰ってみんなでお風呂入ろうか。晶は仲間に入れてないから勘違いしないでね」

「誰がするか誰が」

三人が会計をいにお菓子コーナーを立ち去った後、俺も手頃なものを見繕ってそうそうに店を出た。

「ありがとうございましたー。」

宿に戻った後、速攻でお風呂に入ってゆっくりと練習の疲れを取ってから着替えを済ませて、さっき買ったお菓子とコーヒーを持ってロビーに着いた。

時間には十分ほど早いが、ゆっくりと待つことにした。

ロビーの窓からは町の夜景が見えてきらきらと光ってなんだか幻想的に感じるのは、多分俺がこの光景を見慣れない田舎者だからだろう。

そうして景色をぼうっと眺めていると、どうやら待っていた人たちが来たようだ。

「お待たせ、汐見君」

「え、ああいや時間通りだけど」

降りてきた三人はお風呂から上がってきたから当然浴衣姿なのだが、直後なのか肌が火照っていて凄い色っぽい。

黒崎は長くて艶のある黒髪がほどよく湿っていてとても扇情的、浴衣で自前のプロポーションが引き立って大和撫子というのはこういう女性のことを言うんだろうなと思った。

海は三人の中ではスレンダーな方だがとても健康的な体つきをしていて幼馴染み補正と浴衣姿もあいまってか、良い意味で女の子している。

副部長の今里先輩は、普段から男勝りな性格で浴衣を着崩しており黒崎よりもたわわなものがこう、見ていて凄い危険な香りのする幻惑にとらわれそうになるほど魅惑的だ。

「どうした弟君?私たちの浴衣姿に見とれちゃって、そんなにどぎまぎされるといじめたくなっちゃうぞ?」

そういうと先輩は俺に近づいてきたと思ったら、前屈みになって胸元を強調してきた。

「うふふ、弟君どこみてるのかな?」

「えっと、それはその」

やばい、近くの先輩からはお風呂上がりの生クリームのような臭いと強烈な女性の良い臭いが脳に直撃してきて頭がくらくらしてきた。

しかし。

「ちょっと先輩!それはちょっとずるくないですか?」

「い、今里先輩なんて大胆な」

「いや、こんな初々しい反応されるとはからかいがいがあるってものさ。ねぇ?」

「ふあっ!」

あごに触られてもう俺はその手に全神経が集中してしまう、ああ女の人のっ手って柔らかくて温かいのかー。

もはや理性までも吹き飛んでしまいそうになってしまうが。

「ちょっと先輩ストップですよ」

「そ、それ以上はだめです!」

「あれま」

なんとか俺がおかしくなる前に、海と黒崎さんが止めてくれたおかげで助かった。

「冗談だよ、えへへ」

「全く、ほら作戦会議はじましょう!ね薫ちゃん?」

「そ、そうね。始めましょう!」



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