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潮風薫るこの地にて  作者: 松田 業平
第一章 島の学校
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第11話 体力テスト

今朝の会議の後、今日は一日かけての体力テストがある。生徒数は一学年3桁に届く程の人数で、設備や運営の人数を考えて一斉にやってしまおうということらしい。

男子は教室で、女子はそれぞれの特別教室などを利用して更衣をしている。

女子がいなくなるだけで教室にはかなりの空間が空く。

ホームルームは体操服で行うとのこと、その少しの非日常感にみんな浮き足立っており賑やかな雰囲気が流れていた。

「よっしゃ、体力テスト!めっちゃ楽しみだな興奮してきた」

「でもな、春休み運動サボってたから記録落ちてるかもしれないな」

「俺はその時から高校の部活に参加してたから問題ないわ」

「真面目かよ!ああ、でも1.5きついしめんどいな」

「うち高校シャトルランやらないらしいな」

「まあ、シャトルランよりはマシかすぐ終わるし」

各々、頭いいクラスの割にスポーツマンが多いのか自信のある生徒がいる。

まあ、俺もそうで中学生や小学生の頃から体力テストは本気で挑んでいて今のところは全てA判定を貰い続けている。

その記録を更新すべく今日も例外はない。

中学生の時は食べ物は持ち込んではいけなかったし一日かけてのことでもなかった、しかし高校での体力テストの運営については姉から聞いており水筒のスポドリと栄養補給食は前日に買い込んでいた。

この時は、陰キャな自分でも周りのことは一切気にせず空気なんて読まずに全力でやるのみ。

「しかし、同じクラスなのに女子と別行動ってなんでなの?」

「ほんとそれな、女子にいいとこ見せるチャンスなのにな」

周りはそんな不平不満を漏らしているが俺にはそんなことは一切関係はない、しかし黒崎の男性恐怖病を考えれば彼女にとっては都合のいい事だ。

ほかのみんなよりも手早く着替えを済ませ席で突っ伏してると、教室のドアがノックされた。

「ちょっとー!男子早くしてよ。女子が入れないじゃない!」

「やっべ、女子帰ってきた。急げ!」

「いやにしても早いってまだホームルームまで時間あるんだけど?」

「みんな着替え終わったな?いいよ入ってきても!」

その一声で体操着姿に着替えた女子達が一斉に入ってくる。

女子が入ってきたことでまたさっきとは違った賑やかさを見せた。

その中でも一際目立つのは俺の後ろの席に座っている黒崎だ、制服よりもゆったりとした体操服だと体のラインが出やすい。

端正な顔立ちとそのプロポーションは男子は勿論女子も視線を集める程だ。

「ねぇ、汐見君」

「ん、どうした?」

「さっきからクラスの皆が私を見てくるんだけど、なんでか分かる?」

「…悪いがわからん」

「そう?」

しかも自覚がないと来た、考えうる限りで一番タチが悪い。

そんなこんなでホームルームが始まり先生がやってきて、連絡を行う。

「えーっと今日は体力テストを全校で実施していきます。男女で別れて場所ごとに各種目を計測していき終わったら次の場所へ向かうようになっています」

内容は大体、姉から聞いたのと同じだ。

男女別という単語を聞いた時に後ろから溜息が聞こえて色々察した。

「種目は長距離以外で、後日体育の授業を使って長距離の方は実施することなのでそのようによろしくお願いします。それじゃ今日はみんな怪我せんように頑張ってな」

ホームルーム終了後は昨日決まった体育委員の指示の元行動していく。



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