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お嫁に行かせたくない父親コンビとどっちでもいいお父さん大好きな娘の日常


代々秀でた超能力者を輩出してきた名門ー四月朔日家。国の裏を仕切る影の支配者の名を持つ四月朔日家には二人の当主がいる。先代の血を受け継いだ正統な後継者の双子の兄弟。一卵性双生児として生を受けた兄を朝霞、弟を藍霞と云う。髪は白金色と同じだが、瞳の色だけが違った。朝霞は銀、藍霞は蒼。二人を見分けるのは瞳の色。と思いきや、性格が全く違う。乱暴な口調の弟と物腰穏やかで丁寧な口調の兄。主に分けるのは性格である。

歴代の当主達よりも圧倒的な超能力を有する二人の内、どちらかを次期当主に推すと思惑のある連中に余計な手を入れられる。恐れた先代当主が異例の四月朔日家の当主を二人にした。異論があったが、二人の実力を考えると妥当であった。また、元々当主の座に元から興味のなかった双子を当主の座に就かせるいい口実でもあった。


次に生まれたのが世継ぎの問題。当主が二人となれば、どちらかが妻を迎え、子を成さないとならない。非常に見目麗しい容姿をしているくせに色恋の類を一切聞かないこの二人にどうやって女性を近付けさせようか。先代当主は頭を悩ませた。

――のは遠い昔の話。



「じぃじー!」



白金色の髪に蒼い瞳の幼女が縁側で日向ぼっこをしていた先代当主に駆け寄った。「おいでおいでー」とすっかりと孫大好きなお爺となった先代は飛び込んできた孫を抱き止めた。

子供の問題で悩んでいた自分は何処へ行ったのか。数年前、当主の座を渡した双子の息子達がある日突然赤子を連れて帰って来た。自分達の子だと言い張る双子に母親は誰かと問うも、見る者を悪夢へと落とす恐ろしい形相をした為母親が誰かの言及はこれだけとなった。どっちの子だと問うも自分達の子だと言い張る。遺伝子鑑定をしようにも、二人は双子。どっちにも父親の適正が出る。

母親が誰か不明ながらも、腕の中でじゃれる孫が母を求めたことはない。二人の父親から、溢れんばかりの愛情を与えられてすくすくと育っている。



「ねえじぃじ! おてしよう!」

「うんうん。お手玉しようねえ」

「うん! おて!」



お手玉をおてと発言する孫が可愛い。

いつか、この子が大きくなってお嫁に行ったら号泣する。


――まあしかし……


あの親馬鹿コンビがこの子をそう易々と嫁に行かせる筈がないか、と目が遠くなった。





ただの親馬鹿父親コンビとお父さん達大好きな娘さんのお話です。お家問題があるので婚約者も何れ出きるかと思いますが、そうなれば婚約者は父親コンビを倒さないといけなくなります。娘を嫁に貰うのだから自分達よりも強い男の所でないと父親コンビは絶対に許しません。


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