第49話 初めてのギルド〜1
俺は広場にあった観光案内所でギルドの場所を聞き、街の地図をもらうと賑やかな大通りを歩き出す。
地図によるとギルドはこの大通り沿いにあり、案外すんなりと見つけることができそうだ。途中、何軒か武器屋などに立ち寄り、使えそうな剣を探したが、なかなか目当てのものは見つからない。俺は一旦諦めて、先にギルドに行ってから別の場所を探すことにした。
ここがギルドか……
なんか緊張してきたな……
一度、深呼吸し、意を決して扉を開ける。
扉を開けるとすぐに案内板が目に入った。どうやら一階は酒場、二階がギルド業務を行う場所のようだ。
酒場は昼間にも関わらず、かなりの賑わいで大勢の冒険者が酒や料理を仲間達と楽しんでいる。
酒場を素通りし、二階へ上がると二階は二階で冒険者達がひしめき合っており、依頼を探している者、仲間集めをしてる者と様々だ。
俺は、その雰囲気にすっかり萎縮してしまい、できるだけ人の少ない場所を通って受付に向かった。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
受付で対応してくれたのは愛想がいいショートカットで背の低い女性。胸のネームプレートにはカーラと書いてある。
「あの、クラス登録をお願いします」
「初めての登録ですか? かしこまりました。それでは、わたくしカーラが担当させていただきますっ」
「まずは身分証を確認させてください」
俺は言われた通りに身分証を提示する。また入国の時のようになるのではないかとヒヤヒヤしたが今回は大丈夫のようだ。おそらく入国できているということが証明になったのだろう。
「カナデ・ツキシロさんですね。現在はウィンディラの警備兵ということですかご希望のクラスはございますか? 無いようでしたらこのまま警備兵として登録しますけど」
「すみません、どんなクラスがあるかをいまいち把握してなくて」
「わかりました。では、こちらを参考にしてみてください」
カーラはカウンターの下から冊子を取り出すと丁寧に説明してくれた。
「少し考えてもいいですか?」
「いいですよ。では決まりましたらカウンターまでいらしてくださいね」
カーラから冊子を受け取ると空いてる席に座り、始めから読み直す。
いろいろなクラスがあるんだな。
ふむふむ、初級クラスから徐々にクラスアップしていくと別のクラスにどんどん派生していくのか。へー、エリナのパラディンは騎士からクラスアップしたんだ。
ちなみにソードマスターはどうなんだろう?
剣士から始めて12回もクラスアップしないといけないのか。
師匠すごいな……
あらためて師匠の凄さを実感する。
とりあえず剣士でいいか……
「おきまりですか?」
「はい、剣士でお願いします。ちなみに聞きたいんですけど、いきなり中級とか上級からでも登録できますか?」
「そうですね〜、出来なくはないですが、クラスリングに能力を認められないといけないので初級以外からの登録は、ほとんど無理に近いですね。依頼などをこなしてある程度の経験や能力が上がるとリングが発光してクラスアップが出来ます。それの繰り返しで上のクラスを目指すという感じですかね」
「一応お聞きしますがどのクラスがご希望でしたか?」
「ソードマスターになろうかと思って……」
俺がそう口にすると突然周りが静まりかえり、その後にあちらこちらから笑い声が響きわたる。
あれ? なんかおかしいこと言ったのか?
「おいおい、ガキはお庭で冒険者ごっこでもしてなっ!」
後ろにいたグループからは野次まで飛んでくる始末。
「カナデさん、申し訳ありませんがソードマスターのような最上級クラスは世襲制になっておりまして現63代ソードマスターのバローロ様より能力を認められて権利を譲渡してもらわないといけません。なおかつ、リングにも能力を認めてもらわないとソードマスターにはなれないです」
カーラも笑いを堪えながら一生懸命に説明をしてくれた。
「そうなんですね〜、あははは、いや〜、参ったな。すみません、おかしなこと言っちゃって。剣士で、剣士でお願いします。あははは」
「かしこまりました。では剣士で登録しますねっ」
「はい…… お願いします……」
あ〜、恥ずかしい……
一刻も早く終わらせてこの場から立ち去りたい……
あまりいないとは思いますが少しでも気に入った、続きが気になるという方がいらっしゃいましたら励みになりますのでブックマーク、評価をお願いします。




