表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実は転生者の子孫でした!  作者: 雨鳥茶奈
24/63

第23話 免許皆伝

「カナデさん、カナデさん! 起きてくださいっ」


 誰かに揺さぶられ、目を覚ますと目の前にファリナの顔が見える。


「うぁっ! 寝過ごした!!」


 俺はファリナに声を掛けられ飛び起きる。


「お父さん、外で機嫌悪そうに薪割りしてますよっ!」



「ヤバい、ヤバいっ! 絶対に師匠に怒られるよ!」


 その言葉を聞くと、一気に目も覚め、急いで支度をし靴を履くのも忘れて外に飛び出す。


 外に出ると師匠はいつものように薪割りをしている。俺はビビりながらも挨拶をし機嫌を窺う。


「お、おはようございます」


「あと二日しかないのに随分と余裕だな?? あ~ん?」


 師匠は俺の方には見向きもしないで淡々と薪を割り続けている。


 それがまた一段と怖い……


「すみません、イメトレしていたら寝るのが遅くなって……」



「いいから早く水汲みに行ってこい!」



「は、はいっ」


 俺は桶を手に取るとその場から逃げるように川へと向かう。おそらくは過去最高であろう速さで終わらせ、師匠のところに急いで戻った。


「すぐに始めるぞっ!」


「はいっ!! よろしくお願いします!!」


 いよいよ昨日の成果を見せる時だ。師匠に一礼をして剣を握り、闘気を込める。


「さてさて、寝坊するまで頑張ったイメトレの成果を見せてもらおうかぁ」


 相変わらずの余裕な表情で俺を煽ってくる。


 大丈夫、シュミレーション通りにやれば必ず勝てる。とにかく前半は挑発には乗らずに体力を温存して後半につなぐんだ。


 始めてからしばらくは、お互いに様子を窺う感じで師匠の攻撃もそこまで激しくはなかった。


「ほう、無駄を一切感じない動きになってるな、それがお前のイメトレの効果ってやつか?? この俺の攻撃をそこまで簡単に受け流すことができるようになるとはな」


 あれ? もしかして師匠は結構、本気なのか? 散々シュミレーションしたおかげか、今の俺には師匠の攻撃が手に取るように分かる。昨日のシュミレーションはどうやら現実にも反映されるらしい。つまりウインドウ内で50回戦ったら、現実でも50回戦ったことになるようだ。


 15分ほどたったところで師匠の体力も落ち始めてきたのを感じた俺は手数を増やし、いよいよ反撃を開始する。


「師匠! そろそろ決めさせてもらいます!」


 俺は全開の闘気を剣に込めて一気に剣速を上げる。師匠の剣もそれに呼応して速度が上がってくる。


「ぬかせっ、やれるものならやってみろ!」


 師匠の身体はいつも以上に大きな青白い光を放った。これが師匠の本当の全開!? そのあまりにも大きな闘気に一瞬だけ怯みそうになったが自分を信じ、さらに強く踏み込み燕返しの構えとって勝負をかける。


 俺が構えたと同時に真上から師匠の強烈な一撃が襲いかかる。しかし、レベルの上がった見切りスキルのおかげで、難無くかわし右から真一文字に燕返しを放った。


 師匠は素早く上体を後ろにそらして初撃をかわしたところに俺はすぐさま左から切り返し二撃目を打ち込む。


「高速の切り返しかっ! その程度造作もないっ」


 これもまた完全に読まれてあっさりと弾かれてしまう。


「師匠っ、燕はもう一羽いるんですよ!」


 俺は弾かれたと同時に剣を逆手に持ち替え、師匠の足元から頭に向かって勢いよく振り抜いた。師匠も受け止めようと構え直すが、僅かに速かった俺の剣が師匠の剣を真上に弾き飛ばす。


「はぁ、はぁ、ついに勝てた……」


 ゆっくりと剣を地面に突き刺し、体を預け呼吸を整える。全力を出し切った今の俺は立っているだけで精一杯だ。


「お前に教えることはもう無くなった。さっさと風呂入って飯にするぞ」


 師匠は自分の剣を拾い、それ以上は何も言わずに小屋の方へ歩き始めた。なんだかその背中は少し寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。


「ありがとうございました!」


 俺は師匠の姿が見えなくなるまで深く頭を下げた。


あまりいないとは思いますが少しでも気に入った、続きが気になるという方がいらっしゃいましたら励みになりますのでブックマーク、評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ