第20話 無理は禁物
昨日はしっかり食べて早めに寝たおかげか今日はいつもより早く目が覚めた。顔を洗い準備をして、外に出ると気持ちのいい朝の陽の光に包まれる。
早速、師匠に言われた事を実践するため、まずは半分の力で闘気を纏い水汲みに行ってみたが、半分の闘気ではあまり負荷がかからなく、いつも通りの時間で終わってしまった。
水汲みを終わらせ師匠がいつも薪を割っている切り株に腰掛けて少し休んでいると、欠伸をしながら師匠がこっちにやってくる。
「師匠、おはようございます」
「なんだ今日は、やけに早いじゃねーか」
「はい、残された時間も少ないし、できるだけ時間を無駄にしないようにと思って」
「そうか、水汲みも終わってるみたいだし、すぐに始めるか。まずは三割ぐらいから慣らして徐々に闘気を開放していくとするかな」
「あの~師匠、さっき五割で水汲みに行ってみたんですけど、全く平気だったんで八割ぐらいから始めても大丈夫ですよ」
「へいへい左様でございますか。また倒れないように気を遣ってやったらこれか。あ~やだやだ。これだから普通じゃない人は……」
なんか師匠、最近やたらと、いじけモードになることが増えてきたのは気のせいだろうか。
「じゃあ、お前は八割で、俺は全開でやるからな! 覚悟しとけよ!」
「えっ!? ズルい! 俺の方が不利じゃないですか~」
「ば~か 不利に慣れることも必要なんだよっ! ナイトメアなんかと戦ったら不利の連続だからなっ! 分かったら早くかかって来い!」
「今のあいつに全開で来られたらたまったもんじゃない……」
最後のほうは、あまりよく聞こえなかったが、とにかく不利に慣れろってことだよな。
俺は剣を強く握り、闘気を込めた。同じく、師匠も闘気を込める。これが師匠の全開!? なんて威圧感なんだ……
一瞬でも気を抜くと飲み込まれそうになり、その場から一歩も動けない。
「なんだ? 来ないのか? じゃあこっちから行くぞ」
師匠は一気に間合いを詰めてくると、凄まじい速さで技を繰り出してくる。
速いっ! そして一撃一撃が重い!
俺は師匠の剣を受けることに精一杯で反撃が全くできないでいた。おまけに闘気を出したままの状態なので息もすぐに上がってしまう。
「はぁ、はぁ」
攻撃できないまま、体力だけがどんどん削られていき、立っているのがやっとの状態だ。
「大口を叩いたくせにもうおしまいか??」
師匠は余裕綽綽の様子で煽ってくるが俺は返事すらできない。
「チッ、しょうがねーなぁ、まだ遊び足りねぇが午前中はこれくらいにしてやる。飯食って少し休憩したらもう一回やるからな」
師匠が立ち去ったのを確認してから、俺はその場に仰向けで倒れ込んだ。
なぜ、師匠は余裕なんだろ? 体力は俺の方が絶対あるはずなのに……
しばらく大の字で空を仰いでいるとファリナが心配したのか水を持って来てくれた。俺は水を口に含みながらもう一度、考えてみる。
「大丈夫ですか?? もぉ! お父さんたら大人気ないんだから。カナデさんも、あんまり根を詰め過ぎないでね。」
「ずっと力を入れっぱなしじゃなくて抜く時は抜いて無理しないようにしないと」
「そうだね、心配してくれてありがとね。あまり力まないようにするよ」
「……」
「そうか! わかった! 昼飯食べてくる」
「えっ、う、うん」
ファリナは急に立ち上がった俺に驚いて頷くだけだった。
よし、あとで試してみるぞっ。
意気揚々と俺は小屋に戻り、午後からに備えた。
この作品が初めてなので何もかもが手探りの状態ですが、なんとか20話まで書けました。
評価やブックマークしてくださった方、ありがとうございます!
読みにくい、面白くない、と感じるほうが多いと思いますが少しでも暇つぶしになれば幸いです。
これからもよろしくお願いします。




