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実は転生者の子孫でした!  作者: 雨鳥茶奈
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第14話 ソードマスター

「カナデ殿!! 何をおっしゃってるのですか!! 陛下から直接の命を受けるということは失敗は絶対に許されぬこと。失敗した時点で重罪になってしまいますぞ!!」


「それを自ら志願してしまうとは……」


 ロイドは俺の言葉に声を張り上げ身を挺して止めに入る。


「陛下!! カナデ様は、わたくしめの命の恩人である方! 何卒、お聞きにならなかったことにしてくださいませ!!」



「ロイドさん、心配してくれてありがとうございます。でも、俺はやります!!」


 心配してくれているロイドに頭を下げ、さらに一歩、足を踏み出す。


「国王様!! どうかお願いします!!」



「う~む」


 国王は困った様子でこちらを見ている。


「なぜ、カナデ殿はそこまでしようとする?? そなたにとっては、何の得にもならぬぞ。むしろ命を落とす可能性が非常に高い」


「本来なら見て見ぬふりをして、ここを旅立つのが普通ではないか? それなのに、危険を冒してまでこの国を救おうとする理由はなんであろう??」


「私が納得できる答えを聞かせてくれ」



「理由なんてありません。この国を救いたい、ただそれだけです!! そして俺にはその力があります!!」



「……」



「カナデ殿、相分かった」


 国王は一度、深く頷いた。


「これより、そなたに、ナイトメア討伐の命を与える!! 日時は精霊祭の日とする。なお失敗は絶対に許されない! 肝に銘じておくのだぞ」



「はい! 謹んでお受けいたします」



「ロイド、カナデ殿をバローロのもとへお連れしなさい。きっと助けになってくれるに違いない」



「かしこまりました、陛下。では、カナデ様、参りましょうか」


 国王の部屋から出るとすぐにロイドが心配そうに俺に近づいてきた。こちらに来てからはロイドのその顔しか見ていない。エリナの戦いの時もそうだったが常に俺の身を案じてくれる。


「カナデ様、よろしかったのですか? 命を落とすかもしれませぬぞ」



「いいんです。これが俺の旅をしている理由なので。あれ? ちょっとカッコ良すぎましか?? はははっ」



「そんなことございません。誰にでも言えることではないですから。微力ながら、この老いぼれも協力させていただきます」


「ありがとうございます。ところでロイドさん、精霊祭って??」


「精霊祭とは年に一度、風の精霊様に感謝をするお祭りで、今日からちょうど一ヶ月後に行われます。その日は精霊の力が強くなり、魔物の力が僅かではありますが弱まるので、陛下の狙いはそれかと……」



「これから会うバローロさんは??」



「バローロ殿は、剣士の最上級クラスのソードマスターのお方。以前、この国の訓練教官も務められ、エリナ様の師でもあられます」



「そんな人がいるならナイトメア討伐もできたんじゃ?」



「カナデ様、ナイトメアの力はとてもとても強大なのです。かつて、バローロ殿もナイトメアと戦ったことがありますが、とてもかなう相手ではなかったとおっしゃってました」


「しかしながら、バローロ殿はナイトメアと戦って生き残っている、ただ一人の人間。きっと、何かしらの助けになってくれるでしょう」


 ロイドにあれこれ質問しながら城外に出るとそのまま馬車に乗り、町外れの森に向かった。


「カナデ様、着きましたぞ」


 馬車を降りるとそこは森の中の草原に一軒の小屋がポツンと立っている場所だった。さらにその奥にも小屋がもう一軒あり、奥の小屋は作業場が何かだろうか? 煙が絶えず上がっている。


 ロイドが先に中へ入り声を掛けると小屋の中から上半身裸の40代半ばぐらいの男が出てきた。身長は俺より少し高く180センチほどで、その体は鍛え上げられた筋肉の鎧におおわれている。どうやらこの男がバローロのようだ。


「ちょうど、剣を打ってたところだ。今日は一体どうしたんだ??」



「今日は一つ、お願いがあって参りました。こちらにおられるカナデ様に精霊祭まで剣の手ほどきをして頂きたい」



「このガキに剣の手ほどき? なぜまた?」



「ナイトメアを倒したいからです!!」


 俺はバローロの目を見て彼に一歩近づくとロイドが答えるより先に自ら答えた。


「ふあは、ふああふは、ハハハハハハハハハハァァァァァハハ」


 バローロは腹を抱えて笑い出す。


「爺さん! 久しぶりに来てこの冗談はないぜ! こいつがぁ? 虫も殺せないようなこのガキが?」


「ナイトメアを倒す?? フハハハハハハハハハハァァ、あー 腹いてー」



「バローロ殿! これは陛下からの直々の命であります! 何卒、お力添えを!」



「仮に教えたとして、一ヶ月程度で何ができる? 2秒で斬られておしまいだぞ! それならエリナに戦わせた方が少しはマシじゃないのか? 小僧! 命は大事にしなっ」


 バローロは一向に俺とロイドの話には耳を傾けようとしない。



「バローロ殿! カナデ様は、ファルコニアを抜いたエリナ様に勝たれたのですぞ!!」



「……」



「なるほど…… ただ冷やかしに来たわけではなさそうだな。カナデとか言ったな、話ぐらいは聞こう、中に入れ」


 バローロは急に真剣な面持ちになり、とりあえず話ぐらいは聞いてくれるようだ。


「カナデ様、また精霊祭の日にお迎えに参ります。ご武運を」


 ロイドを見送ってから、バローロと小屋の中に入った。


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