表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

トリカブト


「好きです。付き合ってください!」


これで、今月何人目だろう。顔を赤く染めた男子生徒を前に、私はひっそりとため息を落とした。正直、こんなことは早く終わらせて、最近はまっているミステリー小説の続きでも読みたい。



目の前に真剣に告白してくる人がいるのに、失礼だって?その心配は必要ない。なぜなら私は、本来この舞台の登場人物ではないからだ。


「ごめんなさい。あなたのことよく知らないの」


隣で発せられた声に、今度は隠すことなくため息をついた。今回もダメだったか。我が親友のお眼鏡にかなう男はいつになったら現れるのだろう。




自分が一部から、この親友を守る騎士のように言われていることは知っている。確かに、過保護になっていることは否めないし、昔色々あったから、そういう風に周りから見られるようにしたのが意図的にであることも認めよう。


だけど、だからと言って。告白の現場に私がいる意味はないのだと、誰か気づいてほしい。もし気づいている人がいるなら、早くツッコミを入れてほしい。


告白する側もされる側も、なんで私がいるのが当然みたいな顔してるんだよ。実はすっごい気まずいんだぞ。




早く、このふわふわとして目を離したらどこかへ連れ去られそうな親友を守ってくれる彼氏が見つからないかなぁ。


そんなことを願いつつ、私は遠い目をして、この告白劇が終わるのを待つのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ