表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
だんだん  作者: 武上渓
6/17

だんだん5話



ー5話


春菜は1ヶ月で、ライブに耐えられるピアノスキルを身に付けた。

小林は、ハルトモのコンセプトを破壊するに等しい歌詞で、アルバム制作とツアーを会議に提案した。

「小林さん。これを誰が聞くんです?」

稲沢さんが、提案書が配られてから1時間後に沈黙する幹部の中で言った。

「ファンです」

「期間限定のモトルハとして活動するのは良い。我々は、教育のメディアでは有りません。エンターテインメントのビジネスマンだ。面白くない物はファンも買わない。知ってるはずです。ハッシーくんの前にいた小林智昭なら?」

「気づかなければ歌える。しかし、気づいてしまった。なにもかも嘘だって!嘘を歌うなら、ハッシーくんの前に!今すぐ戻ります!」

幹部達がざわめいた。

「ハッシーくんの前に行っても、ファンは言いますよ。小林さんハルトモハーモニーを歌ってくれとね」

「世界観が壊れるなら、聴かないでくれと言います。聴かない自由を君は持ってるはずだと」

稲沢さんは、小林をカラオケ制作にスカウトした時の目をした。

「誰も聴かないアルバムとツアー。スタッフの生活はどうします?アルバイトで支えろと?」

「春菜を残して行きます。ひとりでやれます」

稲沢さんは小林を見詰め続けている。

「小林智昭の休養。小林春菜のソロ活動……可能でしょう。しかしこのアルバムの制作費用とツアー費用……社長は決済しますか?」

「しないと思います」

稲沢さんはうなだれて、沈黙した。

「商店街の人達や戦場カメラマンの人達が寄付を集めてくれてます。美里さんが5千万出してくれました。僕の楽曲の権利はカラオケフリーダムが持ってます…」

稲沢さんが、顔を上げて小林を遮った。

「許可を貰いたい。出ないのなら契約の破棄をお願いします?ふざけるなっ!」

怒鳴る稲沢と、小林はにらみ合った。2人幹部が椅子から転げ落ちた。

「カラオケフリーダムと小林智昭は生きるも死ぬも一緒だ。許可は俺が社長からもぎとって来る。出さないのなら、社長と刺し違える」

稲沢さんは立ち上がった。幹部が止めに入る。


ドンッ。

ドアが閉まる音に全員が動きを止めた。

「俺を殺す相談か?もう少し小さな声でするもんだ」

「社長……」

「丸聞こえだ。わざとだな稲沢?」

「………」

「稲沢は新宿で100人相手に喧嘩してかすり傷ひとつなく、帰って来た。死にたくない。来週、孫とディズニーランドに行く約束だ。来週まで死ねん」

社長は稲沢に笑った。

「株主総会。荒れるぞ。俺も稲沢も首を揃えて辞任だな?」

「社長の首は、取らせません」

「そうか。稲沢が言うなら、小林くん。存分にやれ。手を抜くなよ。俺と稲沢が首を掛けるんだからな?」

小林はカーペットの床に土下座した。頭を擦り付ける。

社長が抱き起こす。

「君はスターだ。スターがそんなことしたらファンがガッカリする。矢沢永吉がそうしたら失望だろ?君は良いけど、小林智昭はどうかな?」

「すいません……」

社長は会議室を見渡した。

「何やってる?判断を下したんだ。全員仕事にかかれ!」

社長も出ていった。小林の為の根回しをするために。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ