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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 4章 着地点

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享楽家の野望?〔後編〕

 悪魔・・・人の心を惑わし悪の道へ誘おうとするもの。極悪・非道・性悪などの例え。


 ・・・なんで!

 反スカージュ勢力を纏めて一網打尽にすれば統治がやり易いじゃない。

 陰で画策していて面が割れてないから適役は私しか居ないでしょ?

 適材適所ってやつだよ。

 それを悪魔だなんて・・・私、悲しい!

 泣いちゃうぞ!


「そんな騙すなんてダメです!正々堂々打ち勝たないとダメです!」


 ・・・竜魔王よ、あんたはどんな教育をしたんだ?

 正々堂々は悪くないよ、普通に考えれば真っ当な意見だよ。

 でも正々堂々が通用するのは勝負事か喧嘩くらいだよ。

 命の取り合いで正々堂々やるんなら不死の存在にでもなるか、何がおきても対応できる思考回路と肉体が必要になるんじゃないの?

 私なら、どっちも無理って断言しちゃうよ。


「スカージュちゃん、戦争は奇麗事を挟む余地はないんだよ。生きるか死ぬかの瀬戸際で正々堂々なんて言ってる人は真っ先に死ぬの、相手の裏を掻き虚を突いて優位な立場に立っても負ける事だって有るくらいなんだからね」

「だったら戦争なんてしません!」

「ダメ!スカージュちゃん最強伝説には不可欠な事だからねぇ」

「最強にはなりません!」

「ヤダもん!私にスカージュちゃんとシュヴァツ君しか居ないんだもん!最強になってもらうんだもん!」

「?・・・あたしとシュヴァツしかいない?」


 あっ・・・しまった。


「どういう事か説明してもらいましょうか」

「えっと・・・深い意味は無いから気にしないで」

「説明してくれないなら、魔王には絶対なりません!」


 あうっ・・・

 絶対って断言されちゃった。

 説明しないとダメか。

 そのまんま『私が目立たなくなるため』何て言ったら怒られそうだしな。

 ここはやっぱり遠回しに・・・


「アイシャさんが・・・」

「アイシャさんが?」

「スカージュちゃんと同学年だったら話し掛けてた?人となりは全く知らなくって、腕っ節は桁違いって話だけ聞いてたとして」

「えーと・・・話し掛けてないと思う」

「んじゃ、そんな話が霞むくらいの凄い人が世間に居たらどうかな?」

「えっ?・・・話し掛けてるかも?」

「なら決定だね!スカージュちゃん最強伝説完遂しよう」


 うん!

 嘘は言ってないよ、遠回しだけど目立つのは任せるとも伝えたよ。

 これで心置きなく最強になれるね♪


「いやいやいやいや!全然分からないんですけど!何で最強伝説になるんすか?」

「あれで分かってよ、察してよ、ね♪」

「無理っす!分からないっす!常人には不可能っす!」

「察してくれなきゃ家賃10倍だもん!」

「なっ!横暴だ!大家の横暴だっ!訴えてやる!」


 どこの誰に訴えるんだろう?

 ちょっとだけ興味あるよ。


「シュヴァツ~」


 って訴える先はシュヴァツ君かい!

 もっとこう違う所に訴えてみないかい?

 シュヴァツ君は力場を増やす練習中なんだよ。


「シズネさん、話が全然見えないんですが・・・何がどうしたんです?」


 ・・・説明もちゃんと出来てないのか、ダメダメだな!


「簡単に言っちゃうと、スカージュちゃんに魔族界、人間界を牛耳る魔王になってもらうって話だね」

「それがどうして家賃10倍になるんです?さらに分からなくなりました」

「それはね、スカージュちゃんの察しの悪さが原因だね」


 間を大分省いたけど、大丈夫だろう。


「あたし悪く無いよ!あの説明じゃ分かんない!」

「こう言ってますけど、何の説明なんですか?」

「魔王になってもらう理由だね」

「理由ってなんです?」

「結局全部話すんかい・・・ふぅ。あのさ、同学年に何でも腕力で解決するって噂の人が居たら、シュヴァツ君はその人に話し掛ける?」

「・・・用事がなければ近寄りもしないですね」


 シュヴァツ君はスカージュちゃんより厳しいな。

 でも用事が有れば話し掛けはするんだ、そうゆうチャンスも有るかも知れないって事か。


「ならさ、世間に同学年生の噂なんて霞む位のとんでもない事をやってのけた人が居たらどう?」

「ん?・・・難しいですね。でも、話は大体分かりました」

「マジで!シュヴァツ凄い!」


 シュヴァツ君の察する力はミランダさんやノスフラト君並みに高いな。

 ・・・魔王はシュヴァツ君になってもらおうかな?

 でもなぁ、トップってのは頭がキレる人よりスカージュちゃんみたいな情の強い人の方が良い時があるしなぁ。

 うーん・・・


「学外に話題性の大きい存在がいても噂の払拭にはならないと思いますよ」

「そうかな?より大きい力があれば印象が薄れると思うんだけどな」

「その時に大規模な侵攻をしてるなら薄れると思いますが、統一後は落ち着くはずです」


 なるほど!旬が過ぎちゃってるって事か。

 魔王をスカージュちゃんシュヴァツ君のどっちになってもらったとしても悪政を敷く所なんてイメージ出来ないから、不満が募って悪評が蔓延ったりはしないだろうからね。

 そうなると身近な驚異の方がクローズアップされちゃうのか。


 一大攻勢中に陰の先導者は入学しちゃって大丈夫かな?

 いや、魔族界だけでも統一しておけば大丈夫かな?

 話だけだとステータス的には人間は相当劣るみたいだし、人間界に居たノスフラト君を参謀に据えれば・・・でもスカージュちゃんだったらなぁ。

『弱い者苛めはダメです!』

 とか言い出しそうだよね。


 言い出してもね、嘘の報告をしちゃえば確認のしようなんて無いんだけど、侵攻の段階から嘘の報告とかしてたら統治の段階になった時にどうなるか容易に想像がつくんだよ。


 配下の実行する人物の横暴が蔓延って市民の不満が蓄積していくとしか思えない。

 それじゃダメだよね。

 せっかく統一するんだからさ、悪評が有るのは仕方ないとしても好評の方だって有る統治をしないと、口車に乗せる私の立つ瀬が無い!


 やっぱり入学なんてしてらんないよ、そうゆうのも私が監視して駆逐していかないと心配で寝れなくなっちゃうよ。

 とすると・・・計画の立て直しをしないとダメなのか。

 

「前評判を無かった事にするのは恐らく無理です。なので・・・


 代替案としては、強い人に喧嘩を売って廻る人を仕立て上げるってのはどうかな?

 これなら魔王になるとかは関係ないからスカージュちゃんでもやってくれるんじゃないかな?


「悪いイメージ以上に良いイメージを持たせれば良いんじゃないですか?例えば・・・


 もしかしたら、噂を流すだけでも大丈夫なんじゃないかな?

 実際に確かめに来る物好きなんてのは、そんなに居ないだろうし。

 もし来た時のためにある程度は強くなっておいてもらうとしても、現状でも結構強いはずだし。


「全部の魔王の推薦をもらうとか、引退した魔王から推薦をもらうとかすれば、畏怖よりも尊敬されるんじゃないですかね」


 もし、スカージュちゃんより強い人とかが来たら噂に尾鰭が付いてたって事にすれば良いしね。

 うん!

 噂を流すだけのやり方で行っみようか。


「シズネさん?・・・シズネさん!」

「えっ?あっ!はい!なんでしょう?まるっきり聞いて無かった!ごめんなさい!」

「やっぱり・・・斯く斯く然々なんてどうですか?」

「それ・・・いきなり頓挫してないかい?あれ、魔王だよね?結構酷い扱いをしてるよね?・・・推薦くれるかな?」


 竜魔王ってさ、根に持ちそうな性格してそうだし。

 無理だと思うんだよね。

 もし、万が一、千万が一、オッケーしても裏が有りそうで怖いし。


「それでも聞いて見ましょう」


 ・・・

 ・・

 ・


「随分と都合の良い話を持って来るが、快諾されると思っているのか?」

「ほら、やっぱりダメじゃん!」

「オッケー出るなんて言ってませんよ。もしかしたらと言ったんです」

「もしかしなかったよ!頓挫じゃん!・・・やっぱりスカージュちゃんを使って魔王に・・・

「またそれっすか!イヤっす!」

「そんな事を言わないでさぁ、竜魔王だけにサクッとなっとこうよ」


 私の楽しいスクールライフを送るために手伝って欲しいのだよ。

 今のまんまじゃ、恐怖の大王降臨と変わらない未来しか待ってないのだよ。

 スカージュちゃんが魔王になって清き一票を、入学推薦をしてくれるだけで楽しくなる可能性がグンと上がるんだよ。


「こちらの出す条件を聞き入れるのならば、推薦については一考しよう」


 条件?

 壁ワイヤーについてなら却下だよ。

 それを外す条件は1つだけ、他の事柄で外す事は絶対にしない。


「条件は簡単だ。貴様の事を教えろ、何も知らん輩を推薦する訳にはいかん」


 そんな事か。

 ふぅーん。

 まともな所もちゃんと有るんじゃない。

 

「ステータス、スキル、学校に行きたい理由を教えろ。それ等で判断をする」

「・・・ステータスとスキルは私からは二度と言わないって決めたから、少し前の情報で良ければスカージュちゃんに聞いて。学校に行きたい理由は、ここに居たんじゃ同年代の友達が出来ないからだよ」


 実はステータスはあれからまた上がっちゃったんだよね。

 プチっとキレて筋力だ体力だをフル活用したもんだから、少しだけ上がっちゃった。

 正直、上がらなくて良いのにって思うよ。


「分かったステータス、スキルは後で聞こう。で、だ。友達を作るためだけに行くのか?」

「そうだよ?ここじゃ出会い自体が無いもん。学校に行かないと出来ないでしょ?」

「人の多い所に越せば良いではないか」

「・・・私をすんなり受け入れてくれる所なんて有るの?色々と知られたら、周りの見る目が変わるだろうし。いざって時に再生薬をホイホイ使える人の居る所なんてあるの?・・・今の私が住める所は人が居ない所って決まっちゃってるんだよ」

「それは学校でも同じではないのか?」

「違うんじゃない?子供ってバカだから序列化したがるでしよ、そんなバカを相手に我慢はしない。それに、たくさんの推薦が有れば面倒な事は避けれるんじゃないかな?」

「・・・推薦の欲しい理由と意図は分かった。ステータス、スキルを聞いた後、一両日中には返事をしよう」

「良い返事を期待したいけど、ダメでも解放条件増やすとか逆恨みはしないから」


 なんて格好をつけた言い方をしたけど、マジで推薦は欲しいよ。

 シュヴァツ君の言う通り推薦の数は尊厳に繋がると思うからね。


 でも竜魔王からはもらえない確率が高そうだゆね。

 私の竜魔王に対するイメージが悪いのと同様に、竜魔王の私に対するイメージも悪いだろうからね。

 器がどうこうなんて奇麗事は言わないよ、私を推薦した所でメリットなんて欠片もないんだしね。


 だから推薦をくれなくても逆恨みなんてしちゃダメなんだよ。

 

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