表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 4章 着地点

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/528

享楽家の野望?〔前編〕

「ミランダさん!アイシャさん!かあさまがこっちに向かってるってよ!」

「とうとう動いたか!ってより、ちゃんと戻ってたんだな」

「そうねー、やっと帰って来るのねー」


 あれ?

 ティファちゃんは誰から聞いたのかな?


「でもね、通り道には、かあさまが興味を持つ人が居るから、もう暫く掛かるってスナフキン爺様が言ってたよ」


 スナフキンさんか。

 なら間違いの無い情報ね。


「興味を引く人?・・・誰だと思う?ミランダ」

「分からないわよー、人間界側と魔族界側のー、どっちから向かってるのかも分からないんだしー」

「それもそうだけどな。・・・人間界側に誰かいそうか?」

「さぁ・・・私自身があんまり行かないからねー、カイエン君に聞くのが良いと思うけどー、今週は店番当番だしねー。でもー、居たとしても職人くらいじゃないかなー?」

「魔族界の方は?」

「んー・・・シズネの興味・・・好きなものとかも含まれるよな?・・・いっぱい居そうだ」


 そんなに?

 シズネちゃんの好きなもので検索すると思い当たる事が多いの?


 シズネちゃんの好きなものか・・・

 先ずは物作りだよね。

 美味しいものも好きだよね。

 後は・・・可愛いもの!


「あいつさ、格好良い物に目がないだろ?」


 そういえばそうだった!


「引退した魔王ってのはシズネ好みだと思うんだよな」

「引退した魔王って、いっぱい居るの?」

「殆どは既に死んでるけど、初代魔王が死んだって話しは聞いた事がない」


 そういえば聞いた事が無いわね。

 それどころか、目撃情報があるわね。


「初代が生きてる?不思議。でも、かあさまが興味を持つ人達なの?」

「間違いないな。先ず、格好良いんだよ。シズネなら目をキラキラさせるな、簡単に想像ができるしな」

「アイシャちゃんの獣化を見たもそうだったんでしょー」

「あぁ、怖がるどころかキラキラの度合いが増して、その場でフィギュアを作りやがったよ」


 そのフィギュアの複製をアイシャちゃんは部屋に飾ってるよね。


「初代さん達はどこに居るの?」

「それがな、所在不明なんだよ」

「不明?不明なのに生きてるのが分かるの?」


 確かにそうね、疑問に思って当然の事ね。

 目撃情報だって、そっくりさんの可能性も有るんだし。


「誰かが新しく魔王に就任するとな書状が届くんだよ。初代のエンブレムが刻印された書状がな」

「?・・・それだけで生きてるってなるの?」

「まぁな、初代のエンブレムを勝手に使う畏れ知らずは魔族に居ないって思うぞ。何せエンブレムの形自体に精霊王の加護が付いている、本人以外が描くと何らかの罰が下るからな」

「精霊王?」

「全ての精霊の頂点に居る方だな。その精霊王も暴挙に出たラグナーグを止める為に相対あいたいして相討ちになったから今は居ないけどな」


 樹海の中に1つだけ入る事が出来ない所が有って、そこが精霊王の間って事らしいけど、どこに在るのかしらね?

 何度も樹海は行き来してるけど、見た事すら無いのよね。


「だからな、エンブレムを刻印出来るのは初代本人って訳だ」



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



 おっはよー♪

 今朝は起き抜けからニヤニヤと思い出し笑いが止まらないシズネちゃんだよ!


 何でかって?

 まずね、カラタケが思ってた以上に美味しくって、お腹一杯食べれて大満足なの。

 茹でたてを【無限収納】にしまってミラクルナッツ同様、おやつの仲間入りさせた位だもん。


 でね、このカラタケは人魔族以外の魔族には激辛食材らしくて、昨日のカラタケ祭だった夕飯はヒーヒーグァーグァーゲホゲホ言いながら食べてたよ。

 こんな美味しいキノコが激辛って可哀想だよね。


 あっ!でもね竜魔王は普通に1本完食したよ!

『確かに気の遠くなるレベルの辛さだが、美味い茸なのは間違い無い』

 とか言ってたからね。

 汗をかいてたから痩せ我慢なのは間違い無いけど、中々な凄い奴だよ!


 以上がニヤニヤかな?

 思い出し笑いはね・・・

 アイシャさんをからかった時の反応があまりにも可愛くて忘れられないんだよ。

 自分の花嫁姿を想像して首まで真っ赤になってたんだもん。

 普段のアイシャさんからは想像出来ない姿だよ。


 いゃーもうホント可愛いかったんだよ。

 あの可愛いさを普段から少しでも出したらモテモテになりそうなのにねー。

 なんか勿体ないよ。


 勿体ないって言えば、夕飯の残りのカラタケを5ミリ角位に切って他の野菜と一緒にスープの具にして、今朝出してみたの。

 そしたら、昨日はヒーヒー言ってたくせに美味い美味い言って食べてたんだよね。

 

 試しに切っただけでスープに入れて無いのを食べてもらったら、やっぱり激辛だったの。

 なんで辛味が減ったのか謎なんだよ。


 細かくして煮たからなのか、他の野菜に辛味を和らげる物が有ったのか、それとも両方なのか。

 検証しないとモヤモヤする事が出来ちゃったよ。


 そこで実験体に選ばれたのは、竜魔王です。

 だってさ、朝食を渡しに行ったら。

『茸は無いのか?』

 なんて言ってたんだよ。

 そんなに気に入ったんなら検証に付き合ってもらうのが良いってもんでしょ?


 それに伴ってね、食事は食堂で食べさせる事にしたの。

 他に食べる人が居ない様な物を食べさせるんだし、少しくらいは優遇してあげても良いと思ってね。


 決して、スカージュちゃんが毎回様子を窺ってるからじゃないからね!

 違うったら違うんだからね!

 ・・・ホントに違うもん、そこまで甘くないもん・・・


 はっ!なんかテンションが下がってた?

 イカンイカン、これからブレス練習に付き合うんだから、凹んでちゃダメだよ!

 テンション上げてビシビシ行くぜぇい!




「「シズネさん、宜しくお願いします」」

「こちらこそ宜しくお願いします。・・・で、私は何をするの?ブレスなんて出来ないよ?」


 ブレスを吐くハムスター・・・何の属性のブレスだっつの。

 頬袋から大量の食料を出すとか。

 ・・・攻撃力は相当低そうだ。


「シズネさんには練習のアイデアを出してもらいたいです」

「練習のアイデア?・・・方法って事?」


 うーん・・・ブレスについて何も知らないからアイデアと言われてもなぁ。


「方法もですけど、変化のさせ方とかもです」


 パターンって事?

 それのアイデアなら超野菜星人のを真似れば良いだけだから簡単かな。


「良いけど・・・ブレスについて何も知らないから、そっから始めるけど良い?」

「オッケーっす」


 それじゃあ、ブレスってステータスは何を消費してるのかな?

 ドラゴン形態と人型で消費量は同じなのかな? 

 限界までブレスを撃ったらどうなるんだろう?

 さらに、限界超えたらどうなるんだろう?

 こんな所かな?


 さて、どっちにやってもらおうかな?

 ・・・

 ・・

 ・

 スカージュちゃんかな。

 とりあえず、出しっぱなし、小刻み、拡散って3種類のブレスが使えるんだから、今はその強化で良いはず。


 だから自分の限界を知っておいた方が良いね。


 シュヴァツ君は、今の所はブレスの形状変化しか課題がないから増やす方が良いね。

 いずれは限界を知ってもらうけどね。


「それじゃあ、スカージュちゃんはブレスを撃ちまくって」

「それだけ?」

「そうだよ。でもね、どのステータス消費するか、ドラゴン形態と人型で消費量は違うのかを調べて」

「はいっす」

「それと、限界までやってね」

「限界まで?」

「そう、何発撃てるのかを知るためにね」

「限界まで・・・」


 何で戸惑うの?

 まさか生命力を使うのかな?

 だとしたら限界はやばいな。


「もしかして限界までやっちゃうと瀕死になるとか?」

「いえ、ならないっす。やった事が無いだけっす」

「なら良かった」

「良かった?」

「そうだよ。限界を知らないと、いざって時に困るかも知れないからね。いい機会だから知っておこう」

「はいっす!ガンバるっす」


 うん、良い返事だ。

 でも、限界を超えてって言ったらブーイングだろうなぁ。

 そん時はそん時だからいっか。


 さて、シュヴァツ君はどうするかな?


「シュヴァツ君はどうしよっかね?ブレスの形状変化はどう?いい感じ?」

「何種類か試してみましたが、どれもダメでした」


 詳しく形状を聞いてみると円錐、四角錐、ラグビーボールみたいな形、の3種類だって。


「試した形をもう一回やってみよう。ただし、全く同じ形じゃなくて寸詰まりにしたり伸ばしてみたり、少しだけ変えてみよう」

「なるほど、そういう変化も有りますね」


 個人的には針みたいに細くしたら軌跡がかなり薄くなるんじゃないかと思うんだけど、素人の浅知恵だから当てにはならないけどね。


「でもそれは後でやってね。今日はさ、スカージュちゃんみたいに数撃ちゃ当たるみたいなのを考えてみない?」

「分かりました、そうしましょう」


 シュヴァツ君のブレスって、見た感じだと力場をそのまんま撃つ感じに見えたんだけど、その辺りはどうなってるのかな?

 もし思ってる通りならスカージュちゃんと同じ方法は使えないって事だから、別の方法にしないとダメなんだよね。


「オレのブレスは撃ち出す時に少しだけ変質させますが、おおむねそのまんまですね」

「そのまんま撃つ事は?」

「出来ますが、威力が落ちます」


 んー・・・拡散型に威力はあんまり要らない気もするんだよね。

 威力より数って思うの。

 だったらば。


「うん!こんなのはどうかな?力場を出来る限りたくさん作るの、でも大きさは小さくて良いの。この拡散型はダメージを与えるんじゃなくて、足止めとか目眩ましを目的にするって感じで」

「小さいのを大量に・・・」

「うん、大量にブレスの軌跡が見えたらビビるでしょ?」

「ですね。でも大量にか・・・」


 やっぱり難しい事を言ってるのかな?


「そうだっ!大量に作るにしてもさ、1個を分けて2個に、2個を4個に、4個を8個にって感じて増やして行くのはどうかな?」

「その方法の方が簡単かも知れないですね!」

「うん!じゃ頑張ろう!」

「はい」


 さてさて、シュヴァツ君の方はこれで良いとして。

 スカージュちゃんはどうなってるのかな?


 いやぁド派手だね!

 光線が花火みたいだよ。


「スカージュちゃんどう?」

「減るの分かりました、魔力と精神力です。魔力の減り方の方が多いっす。減り方は人型もドラゴンも同じっす」

「って事は・・・ブレスって魔法なの?」

「みたいっすね。力有る言葉が不要な魔法って感じっす」


 

 4章の残りと5章全部、週3投稿でいけそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ