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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 3章 千客万来

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事後処理〔中編〕 

 あれどうしようかな?

 正直な話、もうどうでもいいや。


 『断崖荘』の近くに放置して死なれるのは気色悪いから・・・樹海にでも投げ込んじゃうか?

 あそこは骨がたくさん有るってミランダさんが言ってたしね。


「スカージュは落ち着いたのですか?」

「落ち着いたぜ。ついでに、シズネの策略に嵌まってブレスの強化もされたぜ」

「ほぅ、さっきの花火みたいなのはスカージュのブレスですか。確かにここに居ればスカージュの成長は著しくなりそうですね」

「シズネが居てこそだけどな」


 誉められた!

 こんな事でも誉められるんだ!

 ・・・スパルタで教育しちゃう?

 最強伝説を第十幕位まで進めちゃう?

 アイデアは有るよ。

 ブレスの強化だって後3つ位は有るし、ステータス強化だってまだまだ行けるしね。


「シズネさん?何か黒いオーラが出てませんか?」

「えっ!いや!気のせいじゃないかな?あはははは」

「目が泳いだ・・・嘘だっ!!」


 おいおいおいおい。

 君は鉈女なのかい?


「あたしのお姉ちゃんは、嘘なんか吐かない・・・ホンモノのお姉ちゃん・・・どこ行ったぁぁぁぁ」


 うきゃー!

 スカージュちゃんが、スカージュちゃんが壊れた!

 キレた私が衝撃的過ぎて、理想と違う私が居ると理想の私を探す様になっちゃったとか?

 私・・・私のせいなの?

 ・・・ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・・


「なーんてね♪シズネさんビックリしました?」

「ふぇっ?」

「シズネさん怖がりみたいだから、こうゆうのどうかと思って♪」

「ふ・・・」

「ふ?」

「ふぇぇぇぇぇぇん!」

「えっ!あっ!ちょっ、ちょっと、シズネさん?」

「よがっだよースカージュぢゃんごわれてながっだよーふぇぇぇぇぇぇん」

「いや、はい、壊れてはないけど・・・泣かなくても・・・」


 本気で心配しちゃったんだから!

 どうしよう、どうしよう。

 しかうかばなかったんだから。


「スカージュちゃぁんー私のーシズネちゃんを、なーかーせーたーわーねー」

「うわぁー!ミ、ミミ、ミランダさん?」

「スカージュぢゃん!にげで!あれは悪霊にとりづがれでるのよ!捕まったらどうなるがわがらないよ」

「マ、マジっすか!ギャー!」

「シズネちゃん、ひっどぉい!お姉さん泣いちゃうよー?」

「ウソ吐け!ミランダさんは、これくらいじゃ泣かない!」

「またまた、ひっどぉい!お姉さんは、これでも乙女なのよー」

「またまた、ウソ吐けー!乙女なんて数百年前に止めてるクセにー!」

「ふっ、女はねー、死ぬまで乙女なのよー」


 なっ!?

 なんか名言を言ったぞ、これミランダさんなのか?

 マジで悪霊に?


 まぁ・・・いっか。

 取り憑かれてようがいまいが、あんまり変わらない気がするからな。


「ところでミランダさん、スカージュちゃんを追わなくて良いの?」

「えっ?あれ?そういえばどこに行ったのかしらー?」

「あそこ」


 ちょっと離れた所で手の平をこっちに向けてブツブツ言ってるんだよね。


「『あたしがやらなきゃ、あたしが当てなきゃ、シズネさんが、お姉ちゃんが取り憑かれちゃう、あたしがやらなきゃ』だってよ」

「えっ?・・・うぇぇっ!?あんなブレスが当たったら一欠片も残さず灰になっちゃうわよ!」

「・・・ミランダさん、短い間でしたがお世話になりました。迷わず成仏して下さい。ナムナムー」

「ちょっ!シズネちゃん助けてくれないのー!」




「・・・ここは静かで良い場所なのですが・・・住人は賑やかですね」

「あはははは、シズネだからな」

「ユグス殿も混ざりたいのであるか?」

「なんでそうなるのっ!あたいはただ・・・

「その慌てっぷりが証拠である」

「・・・」

「あはははは、ユグスもさ、ここに来た時くらいは演技なんてしないで素で居ても良いんじゃねぇか?」

「ここには我輩達しか居らんのである。他の目を気にする事は無いのである」

「・・・そうで・・・いや、そうだね、考えとく」

「んじゃまっと、そろそろこれをどうするか決めねぇとな」

「であるな」

「シズネー!真面目な時間が来たぞーっ!こっち来ーい」

「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン♪シズネ!ここに推参!」

「その移動法、完璧に使いこなせる様になったな」

「うん!」


 練習したからね。

 最初の頃は酷かったんだよ。

 壁に激突を何度したか・・・


 ん?

 練習の仕方を壁際で止まるってやり方にしたの。

 時間を掛けて練習したくなかったから、痛いのがイヤなら出来るようになれ!

 って自分を追い詰める方法でやったんだよ。


 我ながら馬鹿な事をやったと思うけど、習得は早かったと思うよ。

 私、良く頑張った!誉めてあげる。


「みんな揃ったな、さて・・・どうする」

「樹海に棄ててくる!」

「マジか!?」

「マジだっ!」


 こんな奴は要らん!

 きっと世の中にも要らん!


「樹海に持ってく前にー、死んじゃうんじゃないー?」

「それは無いのである。どうやればこうなるのか見当もつかぬのであるが、骨と鱗以外は全く損傷してないのである。よって餓死以外に死ぬことはないのである」


 へぇ。

 キレた私って凄いんだね。

 冷静な私には無理な芸当だと思うなぁ。


「んじゃー、再生薬は要らないわねー」


 要らない要らない。

 ミランダさんも中々の鬼だね。


「あ、あの」

「なんだスカージュ」

「普通に治して帰してあげるってのは?」


 嫌われるのは本意じゃないから内心で。

 えぇーっ!

 こんな奴を治療して帰すのーっ!

 

「あたしとしても、別にそれで構わないんだがな」

「我輩はどうでもいいのである。なのでアイシャ殿やスカージュ殿の意見を尊重するのである」

「オレは、治ってさっきみたいな態度だったのなら、シズネさんがどうなるのか心配です」


 えっ?私?

 それは・・・キレた私に聞いてもらわないとダメかなぁ。

 なんとなく分かるのは、今度は手加減しないで【穿つ】だろうなぁ。

 って・・・みんなして見つめちゃイャン。


「態度が同じだったらねー。今度は手加減しない」

「えっ?・・・あれで手加減してたんですか?この状態にするのに3分位しか掛かってなかったのに・・・」

「そだよ?奥の手のシャベルは使ってないし、スキルだって【破砕】しか使ってないよ?」


 だって、ユグスちゃんって演技してるから見えない所が多いんだもん。

 うっかり【穿つ】を使ったらバレちゃうかも知れないし、ちょっとくらいは用心しないとダメだと思うの。

 でもね、ユグスちゃんは基本的に悪い人じゃないよ。

 私を姿を可愛いって言う人に悪人は居ない!

 ・・・多分。


「こら!妹(仮)引くんじゃない!」

「(仮)って何!無くても良いじゃん!」

「引いたからさー(仮)かな?って」

「引かない方がおかしいよ!手加減して軟体になっちゃうのに、本気になったらどうなっちゃうの?」

「何も残らない」

「・・・何も?どゆ意味?」

「乙女の、ひ・み・つ♡」

「・・・」


 いいの!

 例えスカージュちゃんでも言えない事は有るの。

 スカージュちゃんは優しいし私の事を大好きって言ってくれたけど・・・

 【穿つ】の事は別なの・・・分かってね?


「ユグスはどうしたい?」

「妾は・・・立場によって意見が違います」


 立場?

 あぁ、肩書きが何個か有るんだったね。

 妖魔王・学園長、えぇと後は・・・個人か、ユグスちゃん自身。


「妖魔王としては、魔王を舐めきったやからを生かして置く理由などありません。学園長としては卒業生です、直接ではありませんが教え子を捨て置くのは忍びないのです」


 ん?

 それだけ?


「ユグスちゃん本人としては?」

「個人的には・・・どうでもいいですね。行動に考えが無さ過ぎます、考えが浅はか過ぎます。このようなやからは死のうが生きようが妾の知るところではありません」


 結局、どうすりゃ良いのかね?

 やっぱり樹海に棄ててくるのが手っ取り早いと思うんだけどなぁ。

 でも棄ててくるのもスカージュちゃんに知られない様にしないと凹んじゃいそうな感じがするんだよね。

 そうなると棄てるのも面倒事になっちゃうんだよね。


「どっか人目につきそうな所に棄ててくるかぁ」


 ・・・

 ・・

 ・


「「「「「それだぁー!」」」」」

「それならば、餓死前に発見される確率も上がるのである。我等が気に病む事も無いのである」


 うぉっ!ビックリした。

 少しの沈黙の後に声を揃えて叫ぶ様に言わないでよ。

 飛び跳ねちゃう所だったでしょ。


「それでいいんだ」

「他になさそうだしな」

「ふぅーん、んじゃさ、トラウマになるように脅しとく?」

「何でだ?」

「ここの事をペラペラと喋ってほしくないもん。褒美の為の報告位は、仕方ない許可したとしても、それ以外にペラペラ喋るのはねぇ」

「この俺様君、自分が負けた事をベラベラ喋るかねぇ?」

「褒美を貰った事は喋りそうじゃない?」


 試しに水竜君の目の前に行ってみたの。

 今回はね意識は有る状態だし、聞く耳持たないお馬鹿さんでも、頭蓋以外は砕けて動けも喋れもしないんだから、聞いてるはずなんだけどなぁ。

 自分の処遇についてなんだし。


「ねぇ聞いてたんでしょ?イエスなら瞬きを1回、ノーなら2回しなさい」

「・・・(イエス)」

「君はどっかの街の近くに棄てる事になったから。イヤだってのは分かるけどねー樹海に棄てるよりは良いでしょ?」

「・・・(イエス)」

「そう、んじゃねえ、もう1つ案が有るんだ、選ばせてあげるね。・・・誰に殺されたい?順番に名前を言っていくから殺ってもらいたい人の名前で瞬きしてね。あっ!スカージュちゃんとシュヴァツ君の名前は呼ばないからね」

「・・・(イエス)」

「アイシャさん・・・ノスフラト君・・・ミランダさん・・・ユグスちゃん・・・私?・・・あれぇ?イエスって言ったのに瞬きしないのは何でかな?もしかして死にたくない?」

「・・・(イエス)」

「ふぅーん、君はまだ自分の意見が通ると思ってるのかな?私ごときに負けたくせに」

「・・・(ノー)」

「あそう。なら、死なない様にするにはどうしたら良いか分かる?」

「・・・(イエス)」

「ミランダさん、顎だけ治すって出来る?」

「やった事無いからなーどうだろー?でもー理論上は可能だからーやってみるー?」

「うん。アイシャさん?暴れたり暴言吐いたららヨロシクね?」

「お前は?」

「筋力が3割位減って疲れちゃったんだよね」

「そうか、任せとけ」


 さてさて、私ごとき負けて何かしらの変化はあったのかな?

 なかったら、誰がなんと言おうと樹海に棄てる。

 後々の面倒事は放置したくない。



 PVが3万越えたー! やっふー♪


 などと喜んでみたものの、疑問が1つ。


 ブックマーク二桁で100話いってないのにPV3万ってのは普通なのかな?


 ランキングとか興味がないし、まぁいっかって感じですけどね。

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