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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 3章 千客万来

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お馬鹿さんが空からやって来た〔後編〕

 二度目の訂正をします。

 この水竜君は天然でも馬鹿でもあり、魔族の一般的な常識ってもんがサッパリ無い事が判明しました。


 魔王が1人って、どんだけ昔の話しだよ!

 こっちの予想の遥か上を行っている。尚且つ、ずれまくっているから目視出来ない所に居たよ!

 

「ユグスちゃん・・・私、やっぱり問題児になると思う。こんなのが同級生に居たら間違い無くキレる」

「こんなのが原因ならば許します」

「そっか、ありがとう。ところでスカージュちゃんシュヴァツ君、竜魔って・・・

「あんなのや父上みたいのは稀です!」

「そうです!オレの父さん母さんは人格者として魔族中に名が知れていましたし」


 それでもね、あんなのを目の当たりにしちゃうとさぁ、ねぇ。


「でもさぁ、スカージュちゃんを探してる人は褒美かスカージュちゃんが目当てなんでしょう?」

「そ、それは・・・

「もしかしたら、父上の為って人も居るかも知れないけどさぁ」

「それは居ないのである。ヴラドの為に動く奴が居るとしたら、あの水竜並みに稀である」


 あれ?

 ノスフラト君が呼び捨てって珍しいな。

 しかもかなり棘の有る言い方だな。

 もしかして・・・


「ノスフラト君って、認められない人は呼び捨てになるの?」

「であるな。ヴラドは何一つ成しておらぬ。成しておらぬくせに態度だけは人の数倍大きいのである」


 スカージュちゃんが恥ずかしそうにしてるのは、ちょっと可哀相だな。


「そっか、ノスフラト君でも嫌いな人って居るんだね」


 しっかしなんだろね?

 学校に通って勉強して卒業したのに一般的な常識が無いって意味が分からない。


 どんな勉強をしてるかは知らないけどさ、何かしらで種族毎に魔王が居る事を知ると思うんだけどな。

 さすがは問題児だね。

 あっ!問題児の理由ってこれか?


「ユグスちゃん、問題児ってこうゆう事だったの?」

「まさか、違いますよ。これは問題児以前の問題です。あえてこう呼びますが、あんな馬鹿だと思いませんでした」

「あのさ、学校側でさ入学前に最低限これは知ってないと入学させないとか卒業させないって試験でもやったらどうかな?」

「試験ですか?」

「うん、あんなのが卒業生ってイヤでしょ?」

「・・・そうですね。卒業を取り消したいですね」


 あの水竜君は、また自画自賛モードに入ってるげと・・・言ってる事が支離滅裂な感じもするんだよね。

 どんな教育されたのか聞きたくなるレベルだもん。


「と言う訳で、スカージュ様には俺様と帰って頂く!さぁ、行くぞ」


 実力行使に出たか。

 スカージュちゃんに居なくなって欲しくないから阻むかな。


「ちょっと待った!スカージュちゃんは私が連れて行って私の嫁にする!生憎だったな!」

「なんだと!貴様はライバルだったのか!」


 ホンモノって怖いな、どこをどう見れば私が竜魔に見えるんだろう。

 プリチーキュートでラブリーなハムスターにしか見えないと思うんだけどな。

 ホンモノ、パネェ!


「シズネさんでもそれは譲れません。スカージュを嫁にするのはオレですから」


 シュヴァツ君?

 本気にしないでよ?

 言葉の文ってやつだからね。


「なにっ?貴様もライバルなのか!・・・こうなったら仕方ない!決闘を申し込む!勝った方がスカージュ様を連れて帰るでどうだ!」

「受けて立とう」

「あー・・・シュヴァツ君が決闘するなら私は降りるよ」

「ふっ、意気地無しめ」


 んだとコラッ!

 私が伸したって良いんだぞ!

 だけどしないんだよ、シュヴァツ君が出てきて言い放った台詞を聴いてスカージュちゃんが口から火が漏れてるんだよ。


 ここで私がしゃしゃり出たら只の空気が読めないお邪魔虫になっちゃうからね。

 それにだ、うちのシュヴァツ君はタフだぞ。

 生半可な攻撃じゃ倒れたりしないからね。


「シズネは決闘しなくて良いのか?久し振りにシズネの戦闘が見れると思ってワクワクしていたんだがな」

「シュヴァツ君が名乗りを上げなかったら仕方無くやってたろうけど、名乗りを上げたからね」


 喧嘩とかキライだよ?

 痛いし馬鹿みたいだし生産的じゃないし、何一つメリットがないもん。

 するだけ無駄な行為だよ。


 私にとったら無駄だけど、可愛い彼女を守る為に闘う男ってのは格好良いかも。


 なーんて、何やかんやと考えてたら2人がドラゴンに変身して飛んだよ。

 大きさが半分位になったら5回旋回してブレスの応酬が始まった!

 うわっぷ。

 水竜!水を撒き散らすなよ!冷たいだろう。


 しかし、ありゃ凄いな!

 空中で羽ばたいてブレスを連射したり、高速飛行しながら首だけ向きを変えてブレスを放ったり、擦れ違い様に尻尾を打ち付けたり。

 怪獣決戦だよ。

 とばっちりが来ないって確定してるなら見世物にも出来るよ。

 ホントだよ。


 アイシャさんなんか『そこだ回り込め!』『ブレスの精度が甘い!』『その手足は飾りか?もっと使え!』とかハッスルしてるし。


 極端に驚かないと剥がれない仮面を付けたユグスちゃんも、我慢できなくなって声援を上げてるし。


 あっ!

 あぶなっ!

 おぉー!

 かわしたか。

 水竜君がさブレスの反動を生かして急停止してからの方向転換してブレスって技を披露したんだよ。

 シュヴァツ君は、そんな動きを予想すらしていなかったのか、ギリギリでブレスをかわすっ事が起きたんだよ。

 さすがは年の功、小技も持ってるって訳だね。


 しかし、シュヴァツ君のブレス・・・ありゃ良くないな。

 疾風竜って種族だったから風のブレスなのは予想できたの。

 だからねブレスが見えないのかな?

 って予想したんだけど、軌道はハッキリと見えるんだよ。

 カマイタチ効果だったかな?

 飛行機とかが飛ぶと翼の先端から白い筋が出来るでしょ。

 あれと同じ感じのがブレスの通った後に出るんだよね、だからブレスの軌道が丸分かりなんだよね。

 ブレス自体は見えないのにあれじゃ台無しだよ。

 戻って来たら改善案を提案してみようかな。


 しかし、2人共決定打に欠けるなぁ。

 水竜君は動き以外は単調だし。

 シュヴァツ君は水竜君の動きを警戒して接近するのを躊躇っているみたいだし。

 スタミナ切れで決着ってなったら・・・アイシャさんの不満が爆発しそうだよ。

 ・・・助け舟、出してみるかな。

 その前に。


「アイシャさん、ハッスル中悪いんだけど、助け舟を出すのって有りなの?」

「直接じゃなきゃオッケーだぞ」

「スカージュちゃん!ドラゴンになって尻尾でブレスの球だけ作るのは出来る?発射はしなくて良いから」

「え?なんで?・・・あっ!出来るっす!やるっす!」

「シュヴァツ君だけをこっちに注目させる方法がある人はいるかな?」

「それならば我輩が受け持つのである」

「うん、お願い。さてさて、シュヴァツ君にスカージュちゃんと同じ事が出来ると良いんだけど」





 いやぁ、凄かったよ。

 シュヴァツの最後の猛攻はマジで凄かったよ。


 あの後、スカージュちゃんの準備が出来てノスフラト君が魔法でシュヴァツに一瞬だけ下を見ろって指示を出してさ。

 隙を見てチラ見したシュヴァツは瞬時に理解したみたいなの。

 シュヴァツ君のブレスの力場とでも言うのかな。

 球形のブレスの素の事ね。

 あれ、見えないの。

 だからね尻尾に集めた力場からいきなりブレスが出て驚いた水竜君は避けれなくて直撃しちゃったの。


 シュヴァツ君はね直撃後の隙を逃さなかったよ、凄い数のブレスを叩き込んで水竜君を撃墜したんだ。

 10本以上の白い筋が出てたからね、あれだけ直撃して平気な奴なんて居ないよね。

 現に水竜君は片翼と片足が無くなっていたし。


 そんな感じで大勝利をしたシュヴァツ君なんだけど、今は正座して説教を受けてます。

 もちろん私が説教をしています。


 だってさぁ、無理、出来ない、ばっかり言うんだよ。

 これが怒らずにいられますかっての。


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