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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 3章 千客万来

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ハムスター剥いちゃいました〔後編〕

 ・・・・・・・・・・・・・

 はい、捕まりました。

 今はユグスちゃんに頭以外を氷漬けにされて身動きとれなくされてます。


 氷を破壊して逃げれなくはないんだけど、また捕まるのが目に見えてるので大人しくしています。


 もちろん、私はハムスター・・・シズネちゃんじゃないハムスター・・・を演じてます。


 それ以前に穴を掘りまくれば逃げれたんじゃないかって?

 面倒だったのですよ。

 掘った穴を埋めると言う作業がね。

 

 何で埋めるのかって?

 放置して虫でも湧いたらイヤじゃないですか。

 だから使わない穴は埋めるんですよ。


 ふぅ・・・なんか皆が私をじっと見詰めているんだけど・・・私はハムスター・・・ハムスターだから喋れません、だよ。


「あららーシズネちゃんがまた動物の真似っこし始めちゃったねー」

「こいつ・・・そんなに言いたくないのか。って事はだ、あれからの上昇度合いがヤバいって事だな」


 ギクッ!

 ・・・ソンナコトナイヨ、タブン。


「さて、どうやって喋らせるかだな、こいつは存外に頑固だからなぁ」


 失敬なっ!

 頑固じゃないですよ!

 自分で決めた事はやり通すだけです。

 ・・・あれ?これって頑固って事か。

 失敬、私は頑固でした。


「それじゃこうしよう、シズネのステータスを知りたい奴は自分のステータスをシズネに教える。これでどうだ?」


 ・・・別に皆のステータスを知っても仕方無いと思うんだけど?

 

「あぁもぅ!分かったシズネにだけ特別にあたしの獣化した姿を見せてやる!・・・あたしは獣化した自分の姿が嫌いなんだからな、だから特別だぞ」


 マ、ママ、マ、マジっすか!

 それなら、教えようかな。


「・・・現金な奴だな、獣化と聞いて目がキラキラし始めやがった」


 えへっ♪

 だって見てみたいんだもーん♪


「先に言っておくけどな、ノスフラトの作ったあれより数倍は厳ついからな」

「でも丸耳・・・可愛い」

「可愛い言うな!・・・全く」


 さてとー、発表しないとね。

 獣化が見れるのは嬉しくて踊り出したい位なんだけどさ、ステータスの発表は気が重くて床にメリ込みそうなんだよね。

 はぁぁぁぁぁあ。


「まだいいぞ、先にあたしのステから教えるからな」


 人のステータスを知ってもなぁ。

 って思うんだけどねぇ。



名前 アイシャ

種族 獣魔長牙長爪種


生命力 22800/22800

精神力 7340/7340

体力 15850/15850

筋力 28460/28460

敏捷力 15850/15850

魔力 7110/7110

順応力 5600/5600


備考 衰無効



 さすがはバトルマニア、近接戦向きっぽいステータスだね。

 筋力が突出してるのは筋トレの効果なんだろうな。


 それと、長牙長爪種?

 獣化すると厳ついって牙と爪が長くなるからなのかな?

 私は格好良いと思うけどなぁ♪


「んじゃー私もねー」



名前 ミランダ

種族 人間


生命力 3210/3210

精神力 3330/3330

体力 2400/2400

筋力 1109/1109

敏捷力 890/890

魔力 1180/1180

順応力 2420/2420


備考 後天不老



 後天不老?

 ・・・先天性が生まれ持ったって意味だから、後天は後付けって事か。

 他のステータスも凄いね、人間の平民の平均が300位って前に言ってたから最低でも3倍あるもんね。

 こいつは長生きしてるからなんだろうなぁ。

 俊敏が低いのは、やっぱり巨乳だからかな?

 

「次は我輩である」



名前 ノスフラト

種族 人魔鬼族夜叉

生命力 9830/9830

精神力 26350/26350

体力 8920/8920

筋力 7810/7810

敏捷力 6550/6550

魔力 28620/28620

順応力 6400/6400


備考 魔王


 ノスフラト君はやっぱり魔術が凄いんだね、魔力が壊滅的な私からしたら羨ましいよ。

 せっかく魔法のある世界に来たんだからバシバシ使ってみたいじゃない。


 そんで備考に魔王ってあるな。

 止めたって言ってたけど、アイシャさんみたいに移譲しないと称号は残ったまんまなんだね。


「次はあたし?あたしっすか?」



名前 スカージュ

種族 竜魔黒炎種


生命力 9800/9800

精神力 3605/3605

体力 3310/3310

筋力 4212/4212

敏捷力 3100/3100

魔力 2980/2980

順応力 2480/2480


備考 



 生命力だけ突出してるのは・・・あれだよね?

 ここに初めて来た時にお茶請けてでミラクルナッツを大量食いしたからだよね?


 他の数値も一般人なんかよりずっと高いなぁ。

 確か一般兵の平均が3000位とか言ってたから、兵卒位には強いって事なんだね。


「次はオレですね」


名前 シュヴァツ

種族 竜魔疾風種


生命力 10500/10500

精神力 3810/3810

体力 3660/3660

筋力 3100/3100

敏捷力 4280/4280

魔力 4510/4510

順応力 2220/2220


備考



 ほっほぅ。

 学生の頃はスカージュちゃんと勝負してばかりいたってだけあってスカージュちゃんと似たようなステータスだね。

 スカージュちゃんは前衛、シュヴァツ君は後衛って感じかなぁ。


「妾の番ですね」



名前 ユグス

種族 妖魔氷女こおりめ


生命力 8210/8210

精神力 26320/26320

体力 8210/8210

筋力 6200/6200

敏捷力 7320/7320

魔力 29550/29550

順応力 5170/5170


備考 魔王



 ユグスちゃんはノスフラト君と同系なんだね。

 ゴスロリ少女が前衛で派手に暴れてるのも見応えありそうだけど・・・何でか似合い過ぎて怖いぞ!


「最後は俺だけど、一般人なんでステータスは低いですから」



名前 ドレイク

種族 人魔水人


生命力 666/666

精神力 638/638

体力 651/651

筋力 512/512

敏捷力 483/483

魔力 459/459

順応力 889/889


備考



 おっちゃんの名前・・・おっちゃんじゃなかったのか!

 ドレイクって格好良い名前だな。

 でも、いくら格好良くても呼び名はおっちゃんで定着しちゃったからなぁ。

 うん!名前は聞かなかった事にしよう。


 むっ?

 何やら発表したステータスについて皆がワイワイ話しているぞ、これは逃亡のチャンスなのでは?

 うん!逃げよう!


「シズネちゃーん、甘いわよー」


 クソーッ!

 捕まった!

 独身の読心者に捕まってしまった。


「今、失礼な事を考えなかったー?」

「ぜんぜん、事実を考えました」

「なら言ってみてー」

「独身の読心者めっ!だよ?」

「・・・確かに事実だわー、でもなんかー釈然としないわねー・・・とりあえず握っておこうー」


 おぅおぅおぅおぅ。

 慣れてきたとは言え握られるのはイヤだ!


「えぇい止めんかぁ!」


 しまった!

 大声を上げてしまった。

 うわぁい、注目を集めちゃった、こりゃ逃げれないなぁ。


「ふっふっふ、ふふふのふ。墓穴を掘ったねー。さぁ教えてもらおうかー」


 墓穴じゃない!

 絶対に誘導したんだ!

 ミランダさんならそれくらいは簡単にできるはずだよ。


「わ・・・私のステータスは、おっちゃんと同じくらいだよ。じゃ」

「シズネちゃーん往生際が悪いわよー、仕方ないなぁ薬盛っちゃおうかなー」

「ぴゃーっ!ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・・」

「・・・そこまで怖がらなくてもー」

「妥当な反応だと思うけどな」ボソッ

「アイシャちゃん何か言ったー?」

「いや、何も言ってないぞ。うん、言ってないぞ」

「そう、まぁいいかー。それじゃシズネちゃん」


 あぅー

 ミランダさん怖いよぉ。

 素直に言わないと何されるか分からないよぉ。

 はぁぁぁぁぁ。



名前 高坂靜音

種族 ハムスター


生命力 75400/75400

精神力 235/235

体力 30050/30050

筋力 43320/43320

敏捷力 160/160

魔力 21/21

順応力 1340/1340


備考 転生者 熟練者



 ほらぁ。

 思った通りになった。

 つか、そこっ!

 自分で聞きたいって言っておいてドン引きしてるってどういう事だっ!


 こっちはこっちで頭抱えてるし!


「もう言わん!二度と言わん!絶対に言わん!何度もこんな反応を見てられっか!」

「まぁまぁシズネちゃん落ちついてー」

「これが落ち着いてられっかー!イヤなのに教えて、この反応!有り得ないでしょ!一番グイグイ来てたアイシャさんは頭抱えてるし、初披露した4人の内3人はドン引きしてるし、おっちゃんなんて気絶してるじゃないか!ノスフラト君は平然としてるけど、あれは私なら何でも有りって諦めじゃないか!ミランダさんだって、さっきまで口開けて呆けてたじゃないか!だから、もう言わん!誰が何を交換条件に持ちだそうと絶対に言わん!無理に聞き出そうとするなら穴だらけになる覚悟が出来てるって判断するからなっ!」


 フシュー

 フシュー

 フシュー


 いつもいつも気が弱くて臆病で逃げ回ってる訳じゃないんだからね!

 私だって怒る時は怒るんだから。


 スカージュちゃんがゴ〇ラなら私は大魔神になってやる。


「あ、あの・・・」

「なにっ!」

「ひっ・・・ゴメンナサイ・・・ゴメンナサイ」


 あちゃー・・・

 スカージュちゃんをまた泣かせちゃった。


「スカージュちゃんゴメン。八つ当たりしちゃった、ホントにゴメンね」

「いえ・・・大丈夫っす」

「で、何?」

「どうやってそこまで上がったんですか?」


 どうやって?

 それはもちろん穴を掘ってだよなぁ。


「ノスフラト君、私のラビリンスって私何匹分位だったか分かる?」

「・・・正確なのは分からんのであるが、少なく見積もっても2000匹分は有ったのである」

「って事は、スカージュちゃんは身長は何センチ?」

「人型は165センチっす」

「それならね【穴掘り】のマテリアルを装備して、縦横奥行きが165センチの穴を2000個掘って。それから【破砕】を覚えたら『断崖荘』と同じ物を造れば上がるよ。頑張れー」

「無理っす・・・そんなに掘れないっす」

「私は掘ったよ?」


 そう、頑張ったんだよ。

 最初は生き残る為に頑張った。

 『拒絶の壁』に来てからは皆に喜んでもらって誉めてもらう為に頑張った。


 頑張った結果、今のステータスになったんだよ。

 上げたくて上げた訳じゃないの。

 結果上がってたってだけなんだよ。


 それを・・・それを・・・

 泣いちゃいそうだよ。


 

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