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第一異世界人発見!接触を試みてみます[前編]

 脳内人物をシズネは生み出してしまいました。


 行間後の冒頭に『・・・』がある所は、脳内人物に話し掛けられていると思っていただきたいです。


 試行錯誤している感じなので安定するまで暫く掛かっていると思います。

 

 ほぅ・・・本日は晴天、且つ絶えず吹く微風であるか。

 ふむ、なかなかの読書日和なのである。

 本日はどこにするか・・・

 ログハウスのテラスも良いが、四阿あずまやも良さそうである。

 ・・・

 ・・

 ・

 四阿あずまやにいたすのである。


 我輩にはおもむきとやらはいまいち分からぬのであるが。

 我輩には建造途中で放置した建物にしか見えんのである。

 あれで完成と言うのだから異世界には不思議な文化が有るのである。


 む?

 先客が居るのである。

 ミランダ殿とティファ殿であるか。


「あっ!ノスフラトさん、こんにちは!」

「うむ、こんにちは」


 この娘は最初に受けた印象とは随分と変わりおったのである。

 最初は。

 全てを諦めているかの如く無関心。

 無関心に見えて心底では全てを憎んでいる様な目をしておったのである。

 心が荒む病むを通り越して壊れているとしか思えんかったのであるが・・・

『人は変われる』

 物語などではよくある話なのだが、ティファ殿は我輩に初めて実際にそれを見せてくれたのである。

 感慨深い御仁である。


「ノスフラト君?・・・どうしたのー?」

「いや、なに、考え事をしておったのである」

「ふ~ん。で、何か用かなー?」

「ふむ・・・ここで本を読もうと思っておったのであるが」

「もしかして、私達が邪魔?」

「いや、ティファ殿、邪魔ではないぞ、読書よりも考え事をしようかと思い直しておったのである」


 偽りではないのである。

 人の心とは不思議なものである、本の中にも心変わりする者はは数多登場するのであるが、そのきっかけは多岐に渡りおるのである。

 これを生涯の研究対象とするのも面白いやも知れぬのである。


「ノスフラト君ってさー、シズネちゃんの掘った穴の全貌を知ってるんだよねー?」

「うむ、【透視】で見たが、それがどうかしたのであるか?」

「今ねー、ティファちゃんにシズネちゃんの話をしてるんだけどねー、ナイスなタイミングで現れたって言いたいのよねー」

「ふむ・・・なぜである」

「ちょうどノスフラト君と出会う所まで話終わったのよねー」

「なるほど、当人に話をさせようと言う訳か。ふむ・・・良かろう、だが我輩は誰かに話して聞かせた事など無いので分かり難いやも知れぬが許してもらうのである」

「それは私がフォローできると思うから気にしないでオッケーよー」


 シズネ殿か・・・

 彼の御仁は不思議な御仁である。

 前の世界で14年・・・この世界での年に換算すれば7年。

 たったそれだけしか生きて居らぬのに、自分という物を確固としとおるのである。

 どのような生を送ればその様な短期間で自己を確立出来おるのか解らぬのである。

 我輩は・・・7歳時分は自分などは無かったやも知れぬのである。

 周りのもっともだと思える意見に乗り自己など無かったはずなのである。


 この様な事柄もシズネ殿に言わせれば。

『今は自分が在るんだから良いじゃん。悔やんだ所で昔の自分は変わらないよ?』

 に、なってしまうのである。

 確かに過去は変えれぬのである。

 だから今なのであるか。


 そういえば、彼の御仁も此方で色々有ったにも拘わらず最初に出会った頃と変わらぬのである。

 死にかけた事すら・・・いや、死んだ事も有ったのである。

 なのに変わらぬのである。

 我輩ならばと考えると・・・

 何かしら変わってったやもしれんのである。


 我輩とシズネ殿・・・確かに全くと言っても差し支え無い程に違うのである。

 だが、違い過ぎるので何が違うのか解らぬのである。

 我輩とシズネ殿で何が違うのかは振り返ってみれば解るのであろうか?



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



 はぁい。

 こちら穴を掘り過ぎて少しハイになってるシズネちゃんでッス。

 いやぁ、最初からあった方の出入り口の所にねループする穴を3本と行き止まりの穴を4本作ったんだ。

 そしたら掘るのが楽しくなっちゃってね。


 今は、ご飯の木に繋がってる穴の中間で立体的なラビリンスを作ってるところなの。

 【縦掘り】を覚えたから使ってみたくなっちゃってね。

 もうすっごいの!

 ザクザク掘れる掘れる。

 縦に横に階段みたいにゴチャゴチャしちゃってて迷う迷う。

 なんたって私自身が迷って泣きそうだったんだから。


 ・・・なによう?

 私が迷う位じゃないと誰も迷ってくれないでしょ?

 だ!か!ら!

 決して無計画に掘っていたんじゃないの。


 ・・・あ~・・・いや・・・図面は描いてないけどね。

 描いて無いけど無計画じゃないの!

 わかった!?


 ・・・ゴメンナサイ。

 嘘です。

 調子に乗ってやたらめったら掘ってました。

 計画?なにそれ?どこの郷土料理?美味しいの?って感じで。

 でもさ結果は迷う位に滅茶苦茶なラビリンスが出来たって事で問題無しよね。


 今は、ご飯の木に繋がってる分かれ道にはドングリの殻を目印に埋めて有るから迷わないんだからさ。

 目印を付けるなんて流石私よね、賢いよね。

 盛大に自画自賛してパーティー開きたいくらいだもん。

 まぁ、ドングリしかないパーティーだけどね・・・

 参加者も私1人だけどね・・・

 寂しくなんてないもん!

 悲しくなんてないもん!

 ただ虚しいだけだもん・・・


 あぁもぅ!

 しんみりしちゃったじゃないの!

 景気付でラビリンスの更なる拡張よ!

 フッフッフ・・・迷ったら最後の大迷宮にしてやるぅうううううう!


『ぴんぽんぱんぽーん♪』


 をっ!

 熟練度アップー

 次は何だったっけ?

 【振動感知】だぁ!

 初の索敵系スキルだぁ!

 もしかしたら、これで外を安全に見て居れる様になるかも!


 うへへへ。

 安全!

 良い響きの言葉だよねー

 これだけでご飯1杯食べれそう・・・って事は無いな。

 何はともあれ早速使ってみますか、【振動感知】を。

 どんなんだろう?

 ワックワクだね。


 ん?・・・んん?

 お?・・・おお?

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!


 なんじゃこりゃー!


 いろんな方向から振動がぁぁぁぁぁ。

 全身がブルブルブルブルってぇぇぇぇぇ。


 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!


 こ、こりゃたまらんのー

 全身マッサージされてるみたいで気持ち良いよぉぉぉぉぉ。

 でもー

 脳もブルブル揺れてるー

 お馬鹿さんになっちゃうぅー

 それは、イーーヤーーッ!


 ・・・むっ?

 すでに馬鹿だろう?

 そう思った失礼な脳内っ!

 私は記憶力は結構良いんだからっ!

 その記憶力を勉強に使ってないだけなの。

 それが馬鹿だろう?

 って。

 良いんだもん!

 異世界に来ちゃったから勉強の必要が無くなったんだもん。


 まぁ・・・こっちの世界の事を勉強しないとダメなんだけどね。

 でも今は必要無いっ!

 サバイバルを生き抜かないとね。

 って。

 【振動感知】オフよオフッ!


 ふぅ。

 これヤッバイわ。

 危うく悶死するところだったわよ。

 このまんまじゃ使えないスキルになっちゃうよ・・・

 感度・・・調節できないかな?


 うん

 きっと有るよね?

 なきゃおかしいよね?

 よっし探せぇ。

 ってぇ。

 スキルを開いたら即見付かった、感度調節ゲージ。

 ん?

 注意書・・・かな?

 なになに?


『感度は個体差があります。臆病者程より強く感知しますので感度調節をする事をお勧めします』


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 なにそれ?



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