表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 3章 千客万来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/528

げげげのげ!妖魔王参上?〔中編〕

 ナムナム~ナムナム~

 どうか私が居る場所がばれませんように!

 ナムナム~ナムナム~


「ユグスちゃん久し振りー」

「はい、お久し振りですわね。息災でしたか?ミランダ」

「そうねー、最近になって退屈しなくなったわねー」

「それは、シズネって子の成す事が関係していますのかしら?」

「その通りよー、次に何をするのか楽しみなのよねー」

「そうですか、その子はどこに居るのでしょうか?」


 やっぱり私が目的だよね、そうでなかったら魔王が直々に人間界側の『拒絶の壁』の下まで来る訳が無いって。

 ミランダさんバラさないでよーナムナムー


「それがねー、見慣れない物を発見しちゃって隠れちゃったのよー」

「・・・妾が乗ってきた飛行ユニットの事ですか?」

「ぶっちゃけそうなんだー、危険性が無いって分かれば出て来るからー、あんまり気にしなくて良いと思うよー」

「そうですか? では、それまで中を見させて貰っても良いでしょうか?ノスフラトが造って貰ったと言う書庫など見てみたい物が多数有ります」

「破壊とかしなければオッケーだよ」ボソッ

「オッケー、だってよー」

「それでは早速見させて貰うとしましょう」

「俺も中を見させて貰っても良いか?」

「もちろんオッケーだよー」


 ・・・一人称は妾だけど、丁寧な言葉使いをする人なんだな。

 怖くない人なのかな?

 いやいや、漫画とかアニメでも丁寧な言葉使いの悪役って居るからな、まだまだ油断はしちゃいけない。


 それよりも、ノスフラト君と接触して例の物を取って来てもらわないと。

 今日の主役なんだからさ。


 どうやらミランダさんは妖魔王の後ろから付いて行ってるみたいだから、この隙にノスフラト君の所に移動だっ!


 もぞもぞもぞもぞ


「ミランダさん、ノスフラト君に用が有るから妖魔王の事は任せるね」

「分かったわー、ここんとこ2人でやってた何かの御披露目って所かなー?」

「ミランダさん知ってたの?」

「何をやってるかまではー、知らないけどねー」

「そっか、あんまり期待はしないでね?」

「ダメー、盛大に期待しちゃう♪」

「ミランダさんのいけずぅ」


 む?ノスフラト君・・・さすがだ、私が接触する事を予測していたのか、ミランダさんと擦れ違う位置で待機してるよ。


 これは・・・私の運動神経と度胸が試されるのか?

 マジっすか!失敗したら落下だよ!落ちたら痛いよ!・・・手渡しとかしてくれないかな?


 しない・・・のか。

 そこまで近い所を歩かないみたいだなぁ。


 ゴクリ・・・後3歩、2歩・・・とぅ!

 うきゃー!

 足が滑ったー

 で、でも何とかノスフラト君の左の袖に掴まれた、落ちなかったー良かったー


 急いで袖を登って妖魔王の方を見てみると・・・

 あっるぇー・・・少女って感じの黒のゴスロリファッションの子が歩いてるんだけど。

 あれが妖魔王?

 

 えっと・・・悪い方に考えちゃうなら、丁寧な言葉使いの黒のゴスロリ少女も悪役キャラって有りだよなぁ。

 うーん

 ・・・

 ・・

 ・

 もう分からんのだよ、私の先入観じゃ判断がつかないのですよ。

 だから『断崖荘』を見ての感想で決めちゃおう。


「シズネ殿?ユグス殿は好戦的では無いので安心するのである。ただ、あれは素では無いのである」

「・・・キャラ作りしてるって事?」

「であるな、今までの中で一番まともなキャラなのである」


 なんでも、以前は女帝キャラ、タカビーキャラ、サディストキャラなんかをやってたらしい。

 一人称の妾ってのは女帝キャラが抜けきらない結果なんだとか。


「何でキャラ付けしてるの?」

「容姿のせいである、幼子おさなごが魔王らしくあるにはどの様に振る舞えば良いのか悩んだ結果、キャラ付けをするのが良いと判断したらしのである」


 ・・・なんか、親近感があるな、私もハムスターだからね。

 初対面でいきなり上から目線とか軽く見られない様にするにはどうすれば良いか考えてるもん。

 私は【物質変化】で人型になる方法で少なからず解決出来るんじゃないかなって思ったから、今は熟練度上げを頑張ってる。


 そうかぁ、妖魔王は口調で威厳を出そうとしたのか。

 確かに口調1つで印象は変わるもんな。

 第一印象が少女でも、その言葉使いを聞いて印象が変わるなんて事はよくある事だしね。

 スカージュちゃんの後輩言葉も見た目とのギャップは多大にあるしね。


「詳しくは分かんないけど苦労してるんだね」

「根が真面目過ぎる故の取り越し苦労なのである」

「ふ~ん、私は不真面目だからその苦労は分かんないな」

「ふむ・・・シズネ殿は真面目ではないかも知れんが常に一生懸命なのである」


 真面目と一生懸命って同意語だと思ってたんだけど違うの?

 ちょっと想像が出来ないんだけど、真面目で適当ってのがさ。

 私には難しい案件みたいだから考えるのは止めとこうかな。


「ありがとう。んじゃノスフラト君の作品を持って食堂で待っときますか」

「うむ、お披露目なのである」




 暫く食堂でノスフラト君作の例の物をノスフラト君の説明を聞きながら細部に致までシゲシゲと見ていると、複数の足音が食堂に向かって来る振動をキャッチしたの。


 どうやら2階で制作途中の浴場も見に行ったみたいだよ。

 未完成の物は見て欲しくはないんだけど、階段を先に作っちゃったんだよね。

 だってさ、階段をどんな感じにすれば良いのか分かんなかったんだもん。

 最初に玄関に作ったのと同じ様にしちゃうと1段1段の幅が広くなっちゃうから、どれ位の幅が良いか分からなくて皆の意見を聞きたかったの。

 そんで、作ったのを実際に試してもらいたかったから先に造っちゃったんだよね。


 浴場はまだまだ完成には遠いからなぁ、洗い場と浴槽部分しか出来てないもん。

 だから見たって面白くないと思うんだけどな、だって段差の有る広い空間でしかないもの。


「ここはねー、食堂と厨房になってるのー、ふっふっふっ何とアイシャちゃんも料理するんだよー!」

「なっ!本当なのですか!あのアイシャがですか?」

「信じらんないよねー、でも美味しい物を作るんだよー」

にわかには信じがたいのですが・・・一度食べてみたいものですね」

「そだねー、食堂でシズネちゃんが隠れて無かったら食べてけばー」


 隠れるつもりは無いけど『断崖荘』の食事は結構質素だよ?

 メインと汁物と副菜1つにパンって感じで決して豪華じゃないよ。

 味付けだって基本的に塩味オンリーな所にスパイスで違いを出すってのを試行錯誤してるところだからさ。

 そんなんで良ければ食べて行って。


 まぁ、それはさて置き。

 ご対面だっ!妖魔王と正面きってご対面だっ!

 ドキドキするー


 ガラガラガラガラ


 引き戸が開いてミランダさんを先頭に妖魔王、おっちゃんと入って来た。

 あっ!

 妖魔王と目が合った・・・あれ?何か妖魔王が固まったぞ?


 やっぱりこのなりは受け入れ難いのかなぁ?

 理解は出来るからなぁ。


「・・・か・・・」


 か?あっ!消えた!えっ?


「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い!なんなのこれ、可愛い過ぎるんだけどー!」


 早い!この妖魔王はミランダさんと同類だっ!

 ある意味、危険な生き物だっ!


「ねぇミランダ、あたい、これ欲しい! 持って帰って良い!」


 やっぱり同類だ、ミランダさんも似た様な事を言ってたしな。


「私じゃなくてー本人に聞いてー」

「ねぇ?一緒に来ない?」

「ペットとして?」

「使い魔として」


 ペットと使い魔・・・あんまり違いが無い気がする、そもそも行く気がないけどね。


「お断りします!」

「マジで?きっと楽しいはずだよ」

「楽しいのは私じゃなくて貴女がでしょ?」


 前にも言ったけど、私は野良気質なんだよ。

 誰かにヘーコラするのはイヤ!

 誰かにヘーコラされるのもイヤ!


 そんな私が使い魔として誰かに仕える?有り得ないね。

 キッパリ諦めて下さい。


「ちぇ、詰まんないのー」

「あー・・・ユグスちゃん、素に戻ってるわよー」

「えっ?・・・コホン・・・嫌ならば仕方無いですね、妾が諦めます」

「ぷっ・・・妖魔王こそ可愛いじゃない」

「そ、その様な事はありません」


 確かに素の妖魔王は威厳なんてものは皆無だね、皆無だけど同年代の感じがして素の方が好感が持てるなぁ。

 あ・・・おっちゃんが目をひん剥いて驚いてるな。

 まぁ普段は隠してる素顔を目の当たりにしたら驚くのは当たり前か、それが魔王なんだから尚更だよね。


「おっちゃん、内緒ね」

「お、おう。つかな、誰も信じねぇと思うけどな」

「それでも黙っていて頂けると有難いのですが・・・」

「おっちゃんは約束は守る人だから大丈夫だよ、万が一破ったら物理的に潰しちゃえば良いんだよ」

「嬢ちゃん・・・それ怖いから止めてくれ」

「あはははは、おっちゃんなら大丈夫でしょ。それよりさ、これ見て欲しいんだ。妖魔王も見て行ってね」

「その妖魔王と言うのは止めて頂けますか、名前でユグスと呼んで下さい」


 名前呼びでいいならそうするけど、威厳とか気にしてるみたいだったから称号で呼んだんだけどな。


「んじゃ遠慮なく、ユグスちゃんも見ていってね」

「あら、いきなりちゃん付けですか」

「え?ダメだった?やっぱりさん付けがいい?」

「いえ、ちゃんで構いません。妾をそう呼ぶ者はミランダ以外に居なくなって久しいので、少々面を喰らってしまったのです・・・懐かしくて・・・なぜか嬉しさがありますね」

 

 寂しかった・・・のかな?

 魔王らしくとかをずっとやっていたから、親しい人が居なくなっちゃって孤独感を目一杯味わってたとかなのかな?


 私はしがらみとか権力に媚びへつう理由なんてないから友達感覚で接していくよ。

 どういう間柄になるかはユグスちゃん次第だからね。


「で、これなのですが・・・人魔王の城ですわね。見て欲しい物とはこれなのですか?」

「もう1個有るんだけど、まずはこれをね」

「俺は人間界側に来たのは今回が初めてだからよ、実物を見た事ははねぇんだけど・・・随分と立派な建物なんだな」

「えぇ、これは色は違いますが上空から見たのと同様の物ですわね」

「うむ、長年住んで居ったのでな、細部まで再現してあるのである」

「で、これがどうしたと言うのでしょうか?」

「そうだぜ、これの一体なにが・・・」


 やっぱり1から説明しないとダメだよね。

 じゃないとこれの凄さって伝わらないかぁ。



 1ヶ月振りに小説情報を見てビックリ!

 PVが2万を越えてました。

 ブックマークも増えていて『マジて?』って感じです。


 

 興味を持ってくれた方々には感謝しかありません。



 色んな意味で気力アップ!

 と言いたいのですが、どうにも忙しくて今月は2話しか書けてません(>_<)


 なので4章の半ば辺りまで週2投稿になっちゃいます。

 平に御容赦を~m(;∇;)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ