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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 3章 千客万来

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げげげのげ!妖魔王参上?〔前編〕

 確か去年から導入したんだよな、制服ってやつを。

 今年度入学の生徒は赤を基調とした色合いだったよな。

 ・・・

 ・・

 ・

 確かに1年生の間では差別は見当たらないな、それどころか種族間の垣根も無くなっているみたいだ。

 ・・・なるほど、お揃いの服で同学年の連帯感が発生したって訳か。

 連帯感が生まれたから同学年での差別は激減したのか。


 でも、それってよ、学年間での差別が生まれるんじゃねぇのか?

 いや・・・違うか、年功序列ってもんがハッキリするだけか。

 生まれや家庭環境で上下が発生するよりはずっとましってもんか。


 年功序列なんてもんは若いうちにしか通用しねぇもんだしな。

 なんでって。

 社会に出りゃあ年が上だろうが下だろうが有能な奴がどんどん上に行くもんだ、そこで年功序列を持ち出す奴なんぞ邪魔者でしかないからな。


 にしても他学年でも差別の無さそうな学年もあるな、黄色と黒の制服だな。

 えーと・・・何だったかな・・・八大精霊の色を制服の色にしてる、だったよな。

 とすると黄色と黒は光と闇か、火風水土冷雷光闇だから3年生と2年生って事か。


 学年が低いからなのか?

 しかし、1年あれば差別なんぞ生み出すのは容易だと思うんだが。


「アイシャ様!ここで見付けたからには今日こそ撤回してもらいます」


 あー・・・フェルムか。


「お前な、撤回して欲しければ、あたしの居場所を自力で見つけ出せって言ってるだろう。・・・そうだ、1つ追加してやろう、他に適任の奴を見つけ出して、あたしが認めたら撤回してやる」

「・・・1人居ますよ」

「ほう、誰だ?」

「シズネさんです」

「あはははは、本気で言ってるのか?ならお前が説得しろ。あたしに手伝ってもらおうと思うなよ」

「アイシャ様は可能性が有ると思いますか?」

「思わん、全く無いだろうな」

「やっぱり・・・」

「話を振っただけで大暴れして有耶無耶にするか、一瞬で目の前から消え去るだろうな」


 あいつはなぁ、力ってつく言葉が絡むと心底嫌がるからなぁ。


『人の上に立って何が楽しいの?私からしたら孤独な上に退屈でしょうがないもんだと思うんだけど』


 まったく、なった事もねぇのに的確な事を言いやがるんだよな。

 実際その通りなんだよな、魔族の王・・・何かしらで他を圧倒する力を持っているからこそなる地位、同種族内とは言え並び立つ者が居ないってのはかなり孤独感がある、その孤独感は退屈に変化していくんだ。


 並ぶ奴が居ないからな、何でもあたしの思う通りになっちまう・・・独裁状態だな。

 まぁ、それが嫌になったからフェルムに王位を移譲したんだ。

 こいつはあたしと違って武に長けてない、ゴリ押しなんて芸当は出来ないだろうから、孤独に襲われる事も無いだろう、退屈なんて思う事も無いだろうな。


「まぁ何だ、撤回の期限は卒業までだ。それまでにあたしの住まいを見つけるんだな」

「せめてヒントを!」

「ノーヒントだ!ま、頑張れや」



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



 ウゥーーーーーーー

 プレイボール!


 って違うよ!

 熱い青春の汗を流すのと違うよ!

 このサイレンは空襲警報の方だよ!


 敵機はF〇Ⅲのノーチラス号そっくりなのに乗って襲来、光の4戦士が搭乗しててもおかしくない状況なんだよ!


 私がとるべき行動は・・・防空壕に避難だ!

 防空壕、防空壕・・・造って無かったー!

 今から造る?全力で【穿つ】を使えば簡易防空壕なら・・・いや、ダメだ。

 自分で分かる位にはテンパってるから絶対にポカミスする。

 ふっ・・・私は自分を知っているのだよ。


 そうすると・・・ダッシュ一番、逃げるのがベストかな。


「ミランダさんスカージュちゃん、ちょっと急用を思い出したよ!行って来るね!」

「えっ?あっ、はい。えっ?」

「シズネちゃん捕獲成功♪」

「なっ、何をする!私は急な急用が急に・・・

「ブッブー嘘は良くないなー、用意周到なシズネちゃんがー、先送りにするなんて有り得ないでしょー、正直にならないとダメよー」


 むぅ・・・別に用意周到って訳でもないと思うんだけどな、忘れる時は忘れるしね。


 しかし捕獲されたら逃げれないな・・・ここはフカフカ天然シェルターに潜り込むしかないかな。

 そんで、もしバレたらハムスターになりきろう、それしかないな。

 では、早速移動だっ!


「あららーシズネちゃんたらー、そこまで怖がらなくてもー、いいと思うんだけどなー」

「えっ?・・・シズネさんビビってるっすか?」

「うんー、スカージュちゃんの時も隠れてたでしょー、知らないイコール怖いってなちゃってるみたいなのよねー」


 おうともさ!

 無知ってのは恐ろしいものなのだ!

 ましてや襲来したのが魔王なら尚更でしょ。


「ノスフラト君以外は初対面の時ー、必ず隠れてるかー、隠れようとしてるわねー」

「うちに来た時はアイシャ様の肩に乗ってたぜ」

「それはアイシャちゃんが一緒だったからじゃないかなー、アイシャちゃん魔王だしー」

「・・・ふっふっふっ」

「どうしたのー?」

「シズネさんに苛められたら友達を呼ぼうかなって」


 うきゃー!

 その度にビクビクしろってのか!

 勘弁して下さいぃぃぃぃ。


「スカージュちゃん?それやった後の事は想像してるー?」

「えっ?・・・あたし・・・あたしが泣いてる絵しか浮かばない・・・」


 泣かさないよ?

 そんなんしたらただの苛めっ子じゃないか!

 前も言ったけど、そんな不名誉な称号は要らん!


 でもまぁ、何かしらの仕返しはするだろうなぁ・・・

 その結果、泣いちゃうかも知れないかなぁ。

 ・・・ダメじゃん!泣いちゃったら私は苛めっ子じゃないか!

 ・・・報復とか止めよう、苛めっ子はイヤだもん。


「でしょー、でー、泣いちゃったらまた仕返ししてやるーってなるんでしょー?」

「・・・多分」

「シズネちゃんもー、仕返しの仕返しの仕返しー?するんじゃないかなー、そうなったらさー、終わりはどこなのー?」

「それは・・・

「単発でからかうのは有りだけどー、仕返しってのは止めよーねー、シズネちゃんも分かったー?」

「「はい」」


 初めて年長者っぽい事を言った気がする、私の勘違いじゃないと思うんだよね。

 だってさ、いつも私達と同じ目線になって遊んでくれる人だから小言みたいな事は全く言わないんだよ。

 どちらかって言うと悪乗りする方の人だからさ。


 つか、ミランダさんが一番手加減知らなくてたちが悪いんだけどな。

 アイシャさんですら寒気がしたと言っていた位なんだぞ。

 その辺はどうなってるの?ミランダさん!


「只今戻ったのである。ふむ、今日であったか、店主のやって来る日は。待たせてしまって申し訳ないのである」

「いえ、嬢ちゃんをはじめ、他の方々に構って貰い退屈しませんでしたので待ったという気がしません」

「で、あるか。して、シズネ殿はどこに居るのであるか?」


 うん?ミランダさんが胸を押さえたぞ。

 はっは~ん。

 皆が一斉にミランダさんの胸を見たんだな、凝視したくなる見事なサイズの胸だもんねぇ。


「ふむ、仕方有るまい、シズネ殿は我輩の知る中でも一番の慎重さを持った御仁である。何でも無い時にも持ち味を発揮するのは悪い事ではないと我輩は思うのである」


 魔王が襲来してるのに、何でも無い時なの?

 私からしたら一大事なんだけど。


「私はアイシャちゃんのイメチェン姿を見てるからなー・・・もうちょっと堂々としていても良いと思うんだけどなー」

「アイシャさんのイメチェン姿?」

「凄かったんだよー、斯く斯く然々だったんだよー」

「・・・ま・・・マジっすか?あのアイシャさんが・・・マジっすか?」

「多分ねーあの時に獣化していても結果は同じだったと思うよー、今はどうだか分からないけどねー」


 いやいやいや。

 獣化されたら肝が縮んで硬直しちゃいますって、円耳の獣って思い付くのが肉食の猛獣ばっかりなんですよ?

 虎とか熊とかライオンとか、勘弁して欲しいっす。


「あら、何やら楽しそうですわね、妾も輪に入れて貰っても宜しいですか?」


 き、き、来た!

 妖魔王だっ!



 

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