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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 3章 千客万来

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商談?笑談?冗談?〔中編〕

 ラグナーグ?

 誰だっけ?

 どっかで聞いた事のある名前なんだけどなぁ。


 自分と関係無い人の名前って覚えらんなくてさぁ。

 よく『ダメじゃん』って言われたなぁ。

 だってぇ、アイドルとか役者とか興味無いし、顔と名前を覚えても得になるって思えなかったしさ。


「あーそうか、だからどこかで聞いた事が有る名前だったんだな。あれを作った奴だったのか」

「し、師匠って凄い人だったんすね!」

「別に凄くはないのぉ?儂なんぞより多くの秘匿合金を持っとる鍛冶師は居るのぉ、別世界にじゃがの」


 で、ラグナーグって誰?

 やっぱり思い出せないんだけど。

 皆が知ってるって事は有名人なのは間違いないんだろうけど、魔族で有名なんだよね?

 物騒な予感がヒシヒシとするんだよなぁ。


「スナフキン製って銘打って売りに出せば売れるはずなんだが・・・」ブツブツ

「商人、良い物で有るならば儂の名前なんぞ前面に出さんでも売れるのぉ。・・・先に言っておく、武器の類はこの世界では作らんからのぉ」

「それは要らないな、俺は武器商人じゃないからな。・・・良い物なら売れる・・・か」


 あれ?ラグナーグはもう出て来ないの?

 うーん・・・知らないまんまでも問題無し?


「シズネちゃーん♪」

「なにー?」


 って、おい!


「藪から棒に握るなぁ!」

「ちゃんと声を掛けてから握ってるよー♪・・・ラグナーグってのはね大昔に魔族の頂点に立った奴よー」


 あー!

 思い出した、爺様の工房で聞いたんだった。

 しかも、つい最近にだよ、忘れるの早すぎだな。

 過去の【穿つ】の使い手だから忘れないようにって思ってたんだけどな。

 他に【穿つ】の使い手が居ないんだから全然関係が無いって訳じゃないからね。

 次こそは忘れないようにしよう。


 えっ?なに?

 黒い色の記憶は消しちゃうから?

 ・・・そうか、そうだったのか。

 脳内!貴様が消していたのか!


 ・・・黒が有ると気分が滅入る?

 知るかぁ!

 黒かろうが白かろうが私にとったら重要な記憶なんだから消すなっ!


 ・・・色鮮やかなカラフルな記憶だけにしよう?

 おい・・・それじゃ私は悩みの無い脳天気なお馬鹿さんじゃないか!

 もっとこう、たまに影のある美少女みたいな所も有って欲しいじゃないか。


 ・・・はいはい。

 そうですよ、逆立ちしても内臓が裏がえっても美少女にはなれませんよ。

 どうせモブルックスの持ち主ですよ、悪かったね!


 ・・・ホントムカつく!

 何が分かれば宜しいよっ!

 そこは、ちょっとだけでも持ち上げるもんじゃないの?


 ・・・キーッ!

 確かに図に乗るけどさ、他人に言われるとムカつくぞ!


 あっ!また引っ込みやがったよ。

 くそー、絶対に消去してやる。

 必ずだ、何が何でも消去してやる!


 そんでだよ。

 リアルの方じゃまだ握られてるし・・・

 そろそろ満足してくれたかな?


「ミランダさん?まだ握るの?ラグナーグの事を教えてくれたのは感謝するけど、そろそろ止めて欲しいんだけど」

「直ぐに止めろって言わなかったのはー、そゆ事かー、いやいや長時間モフモフを堪能できましたー、ナムナムー」


 拝まないでよ・・・

 変な宗教の教祖みたいでイヤなんだけど。


「そうそう、さっき借りたシャベルでねーこんなのを作ったのよー」


 なになに?なにを作ったの?


「底が四角いのがアイシャちゃんでー三角のがスカージュちゃん、丸いのは私が作ったのよー後はこれねー」


 四角錐・三角錐・円錐だ、後は正立方体・直方体で良いんだっけかな。

 どれも上手に出来てるな、並べて置くと数学の授業みたいだよ。


「どれも綺麗に出来てるね。あっ!そうだ、ミランダさんちょっと待っててね」


 正立方体に細工してみまっす。

 1点の角を頂点にして、3辺を真ん中を繋ぐ様に斜めにカット。

 これを8角全部やると・・・14面体の出来上がりー


「おぉー何か不思議な物が出来上がったねー」

「そだね、三角が8個と四角が6個で出来てる物体・・・変って言えば変だね」

「変ってより不思議だと思うよーなんかねー魔術的な印象が有るんだよねー」

「魔術?14面体に?ノスフラト君に見せてみようか?」

「それ良いかもーでも今は外出中で居ないのよねー」

「じゃ帰って来てからだね」


 ノスフラト君、最近良く外出するよなぁ。


「今日は学校に行くって言ってたからー、もう直ぐ帰って来るんじゃないかなー」

「・・・学校」


 行ってみたいんだよね、魔族の学校。

 勉強はキライだけどさ歳の近い友達が出来るかも知れないじゃない?


 それとさ、字が書ける様になりたいな。

 読めるけど書けないってのは情け無いって言うか何て言うか、イヤな感じなんだよね。

 ほら、ノスフラト君に活版印刷の版の源字を書いて貰った時に書くのをチャレンジしたんだけど、上手く行かなかったんだ。

 だってさ自分で書いた字は読めなかったんだよ。

 それって、ちゃんと書けてないからでしょ?

 ちゃんとした字が書ける様になるには習わないとダメだと思うんだ。


 『断崖荘』の皆は忙しいから頼み難いから学校って思うんだよね。


「シズネちゃんは学校にやっぱり行きたいのー?」

「えっ?・・・うん」

「そっかー、うーん・・・まだ学校に行く歳じゃないから無理だけどー、ノスフラト君とアイシャちゃんに相談してみるねー」

「行けるってなったら上に有る学校かな?それとも他の所かな?私はどこでも良いんだけど、上に有る学校なら帰って来るのが楽で良いかな」

「上に有るのかーあそこはなー・・・スカージュちゃん、ちょっと良いかなー」

「なんすかー?」

「あのさー、学校ってさ何か変わったー?」

「変わったって言うと?」

「ほらー、あそこ差別がひどいでしょー?そゆのかなー」

「・・・変わってないっす。あたしは気にしてなかったっすけど、貧富でグループが出来るっす」

「そっかーありがとねー・・・だってよー?シズネちゃん」

「貧富・・・それって何で分かるの?家の事なんて黙ってれば分からない事でしょ?」

「主に着る物かなー、あとねー、金持ちってネットワーク築いてるのが殆どだからさー、顔見知り以外は貧乏って決め付ける事が多いのよねー」


 なんか・・・なんかイラっとする事が起こってるんだな。

 そんな事をして何が楽しいのか理解出来ない。

 皆仲良くは理想論だけどさ、仲良しは多い方が楽しいと思うんだよ。


 にしても、さすがはスカージュちゃん!

 差別なんてものを気にしないって、自分の周りがやってたら中々貫けないと思うんだよね。


 私が見込んだだけはあるな。

 あはははは、完全に自惚れた台詞だね。

 スカージュちゃんは貧富の差は気にしないかも知れないけど、立場的な差は気を付けてるみたいだよね。

 まぁ、ここに住んでるのは圧倒的に年上で内2人は魔王と来たもんだ、気を使うなって方がホントは無理なんだろうなぁ。


 スカージュちゃんの評価はこれくらいにしといて、だ。

 上に有る学校の入学基準って何だっけ?

 前にアイシャさんが言っていた気がするんだけど。


 あぁっ!

 各魔王の推薦だか承認で入学出来るんじゃなかったっけか?

 で、私が入学するとしたら獣魔族が妥当なんじゃないかって事も言ってたな。


 ・・・100%獣の姿なんだけど、魔族で通用すんのかね?


「そいえばさー【物質変化】はどんな感じかなー?そろそろ人化できそうなのかなー?」

「人化は装着した時から小人サイズでなら出来たと思うよ、もう少しで【復元】を覚えるはずだから、そしたら練習始めるよ」

「相変わらず熟練度が貯まるのが早いねー、人化出来る様になったら人魔で入学も出来そうねー」


 その手があったか!

 あっ!でも・・・服を持って無いし服装で差別対象になるんでしょ?

 人型で入学するのも考えものじゃないかな?

 うーん・・・いっそ制服でも有れば服装で差別なんて事は無くなるのになぁ。


 もしかして、この世界には制服って概念がないとか?


 制服って軍隊が始まりなんだよね?

 お揃いの物を着ていれば貧富も分からないからって言うバッチリ当てはまる理由と着ている物が揃っている方が見た目に映えるってって事だったらしいんだけど。


 大きな争いが長い間起こってない魔族に軍隊有るのかな?

 無いんだとしたら・・・制服ってのも無いって事なんだろうな。

 そゆの込みでノスフラト君とアイシャさんに聞いてみるかな。


「シズネさーん、助けて下さいー」


 半泣きのスカージュちゃん。

 後ろから迫るのはおっちゃん・・・こんな大勢の前で手込めにしようと迫ってるのかな?

 なんて破廉恥なっ!

 シズネちゃんの目が黒いうちは、そんな破廉恥許しまへんでー!

 

 ちなみに私は生まれも育ちも東京ですねん。


 

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