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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 3章 千客万来

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商談?笑談?冗談?〔前編〕

 久し振りに来たけど、何か雰囲気が変わったか?

 前はもっと棘のある雰囲気だった気がするんだが。


 丁度良い所に生徒が、奴等に聞いてみるか。


「おーい。お前達に聞きたい事が有るんだが、大丈夫か?」

「えっ?あっ、はい。大丈夫です」

「あの、もしかしてアイシャ様ですか?」

「様を付けられる様なもんじゃねぇけどな」

「キャー私アイシャみたいになりたいんです!会えて光栄です」


 あたしみたいに、か。

 あんまりお勧めしないけどな、悪くは無かったが、良いもんでもねーぞ。


「・・・あの・・・アイシャ様は魔王を引退したって噂を聞いたのでござりまするが・・・ホントでございますか?」

「あんたその噂を信じてるの?」

「・・・分かんない・・・だから本人に聞いてみたのでございます」


 あーそういやぁフェルムの奴、引き継いだ事を未だに公表してねぇんだったな。

 ・・・

 ・・

 ・

 学校を卒業しても公表しなかったらお仕置きだな。


「魔王の位の引き継ぎはやったが、後数年はあたしが魔王って事になるのかな」

「それじゃあ・・・引退はホントなんでございますね・・・」

「そうゆうこったな。それじゃ次はあたしが聞く番だな」


 うーん・・・

 引退するってのをを聞いたら、こっちの話を聞かないで仲間内で話し始めたぞ。


「・・・魔王の強権を発動しようかな?それとも威嚇が良いかね?」ボソッ


 小声で言ったんだが聞こえたか。

 強権と言っても、種族が違うから余り効果は無いんだがな。


「聞く体制になったか?」

「はい、すみません。引退と言うのが衝撃だったもので」

「構わないぞ、だけどな話を聞きたいと話し掛けたのはこっちだが、返事をする気になって応えたのなら、自分の聞きたい事を聞いて話に夢中になるのは失礼ってもんだからな」

「「「はい、すみません」」」

「分かってくれれば良いよ。で、だ。前に来た時と学園の雰囲気が違うんだが何か有ったのか?」

「それは制服の効果だと思います。皆が同じ物を着るようになったから貧富の見分けが点かなくなったからじゃないと」

「・・・上級生の間ではまだ差別はあるみたい」


 ふーん。

 シズネの言ってた通りになったんだな。


「そうか、ありがとな。あっ!そうそう、次の獣魔王就任の発表が有る前に、あたしが引退してる事が広まったら、お前達発信って事にするからな?」

「えっ!・・・その場合私達は・・・」

「命を奪うとか物騒な事はしねぇぞ。拉致する位だな、鬼と悪魔の巣窟に」

「・・・拉致・・・鬼と悪魔の巣窟?」

「あはははは、そう言ってるのはスカージュだけだけどな」


 んじゃま言う事も言ったし行こうかな。


「あの・・・私はそこ行ってみたいのでございます」

「はぁ?マジか?・・・なら連れて行っても良いが、まずは卒業しろ。ただし悪魔の親玉が拒否したら帰る事になるからな」

「・・・それで構いませんのであります」


 脅したつもりだったんだがな、世の中には変わったのが居るもんだな。


 行ってみたい発言で、また仲間内で盛り上がってるから放って置いても良さそうだな。

 さてさて、ユグスの所に行くか。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



 あっれっはー誰だっ♪誰だっ♪誰だっ♪

 あれっはー・・・

 おっちゃんだー!

 とうとうおっちゃんがやって来たぞー


 つか、おっちゃん・・・その乗り物は。

 フ〇ーザ様だったのか?おっちゃんは。


 だって、乗ってるあれ〇リーザ様が最初に乗ってたのとそっくり・・・つか、同じ物にしか見えない。

 って事はだよ、おっちゃんは変身するのか?

 筋肉モリモリのでっかいのとか、やけにシンプルなデザインになったりとか。

 ・・・

 ・・

 ・

 全然想像出来ない。

 無精髭のヒョロヒョロのイメージが強過ぎる。


「ここが嬢ちゃんの家か、『拒絶の壁』に穴空けて住まいにしてるってのは聞いちゃいたけどよ・・・想像してたのと全く違ったぜ!こいつは普通に住宅だな、恐れいった」

「もしかして、洞窟みたいなのを想像してた?・・・まさか!私がちっこいネズミだからとか?」

「洞窟みたいなのってのは当たりだ。でもな、嬢ちゃんのなりは関係ねぇぞ。おっ!そうだこいつぁ売上金だ」


 おっちゃんから銀貨を50枚受け取ったけど・・・売り上げ?何だっけ?


「もしかして忘れちまってるのか?まぁ、売れると思ってないって言っていたけどよ・・・忘れるのか?」


 あぁ、丸くした『拒絶の壁』の売り上げかぁ。

 こないだ行った時の『最後の1個』ってマジだったんだ。

 こんな石ころ買って何に使うんだろう?不思議だよ。


「次に委託する物ってのは上がってるのか?あるんなら預かるぜ」

「おっ!店主じゃないか、いつの間にか来てたんだ?」

「ホントだ、店長さんだ。お久しぶりです」

「あうー・・・シズネちゃん其の2だー」

「ついさっき到着したところですわ」

「あれで来たのか?随分安く上げたな」


 フリー〇様仕様が安いの?


「その代わり収納袋は沢山新調したんですぜ」


 そのわりに・・・袋は1個しか見当たらないけど?


「この中に100個収納袋が入ってるんだぜ」


 なる程!

 収納袋に収納袋を入れちゃえば無限に収納できるって訳か。

 おっちゃん頭良いな・・・やはり侮れん!


 あ・・・この方法を使うなら私の【無限収納】って無用の長物なんじゃない?

 熟練度上がらないと使い勝手悪かったしさ。


「100個の殆どが材木だから適当にぶち込めたから楽だったぜ」


 そうか、どれに何が入ってるか明記するか色分けしとかないと分からなくなるのか。

 って事は【無限収納】の方が便利だ。

 やったね♪


 ところで3人はシャベルで遊ぶのはもういいのかな?


「みんなはもう刺して遊ぶの飽きたの?」

「いや、飽きたって言うかな・・・実は凄い言い難いんだが・・・壊れた、スマン!」

「えっ?・・・えっ?・・・えーっ!ウソッ!マジで?私まだ1度も使ってないのに・・・」


 握りの根本でポッキリ折れちゃってるよ、あれ修復出来るのかな?

 私も刺して遊びたかったなぁ。


「うふふ、シズネちゃんシズネちゃん」

「・・・なー・・・にー」

「はい、これー」

「あっ!私のシャベルー・・・良かったー壊れてないー」


 じゃあアイシャさんの持ってるポッキリ折れちゃってるのは?


『よっしゃー上手く行ったーっ』ボソッ


 なんだとぉ・・・なる程、そういう事か。


「この作戦の立案はスカージュちゃんね」

「なっ!?・・・何で分かったっすか?」

「私を舐めてもらったら困るなぁ」


 私と言うより【振動感知】をだけどね。


「あはははは、シズネちゃんはデヒルイヤーなんだよースカージュちゃんがボソッと言った事が聞こえてただけだよー」


 そこでバラしたら仕返しが出来ないじゃないかぁ!

 ミランダさんのいけずぅ。


「シズネちゃんもたまに仕返しは無し、やられっぱなしじゃないとダメだよー」


 ぬっ?

 そこまで読まれてたのか。


「仕返しされる所だったっすか?だったらミランダさんとアイシャさんもっすよね?ノリノリだったっすし」


 なんだとーっ!

 ノリノリでだと!

 グヌヌヌッ!


 2人をキッと鋭い感じで見たら、口笛吹いてそっぽ見てたよ!

 なんてベタな態度を。


 いつか、いつか仕返ししてやるんだからー!


「嬢ちゃん?さっきから気になってたんだが、そこに置いてあるのは何だ?」


 おっと、お客さんを放って置いてじゃれてしまった。

 イカンイカン。


「これはね、シャベルだよ。おっちゃんが話してた爺様に作ってもらった各種金属とオリジナル合金のシャベルー!」

「シャベル?・・・真っ平なんだな、こっちの2つがオリジナル合金製か?赤黒いのと表現し難い蒼いのが」

「そだよ♪綺麗でしょ」

「さすがは師匠っす、あたしもこんなのを作れる様になりたいっす」


 スカージュちゃんならなれるよ、鍛冶が楽しくて努力して勉強までしてるじゃない。

 後は経験を積むだけだもん、爺様なんか追い抜いちゃえ。


「で、嬢ちゃんはこれを全部使うのか?使わないなら俺に売って・・・

「売らない!絶対に売らない!これは、私が欲しくて無理言って作って貰った物だもん!どうしてもって言うなら爺様と交渉して作って貰ってね」


 爺様ごめんねー

 丸投げしちゃったよ。


「赤闇鉄とアオヒカネじゃなければ作っても良いのぉ、各種インゴット1つにつき1つ。それと気が向いたら作るんでも良いならじゃの」

「それで構わねぇ、でも半年に1つ位は作って欲しいな」

「そんな長期スパンにはならんぞ」

「じゃあ頼む、今手持ちは各種1個づつ有るから、これで頼む」

「了解じゃの」

「ところで爺さん、この赤黒いのは赤闇鉄なのか?」

「そうじゃの」

「じゃあ爺さんが、宵時の鍛冶師スナフキン?ラグナーグの武具を作った人物なのか?」


 

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