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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 3章 千客万来

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いくすくるーしぶ〔中編〕

 ガチャ

 ・・・バタン


「タラリラッタルッタラッタルンタッター♪」


 ミランダさん・・・ご機嫌だなぁ。

 仕事が上手くいったのかな?


 つか、あの鼻歌・・・どっかで聞いた事が有るのは気のせいかな?

 うーん。


「あっれー?2人して何してるのー?」

「ミランダさん!聞いて欲しいっす!新型のブレスが出来る様になったっす!それをこれからシズネさんに披露するところっす」

「へぇ、新型のブレス?普通のとどう違うのー?」

「ふっふっふっ、それは見てのお楽しみっす」

「ほっほー!どっから来ているのか、大した自信だー!それじゃ期待しちゃおっかなー♪」


 うん、自信たっぷりだね。

 多分だけど、その自信は確信が有るんだと思うの。

 スカージュちゃんは私が中途半端な事はしないって思ってる所が有るみたいだから、下手な事をすればダメ出しをされてゴネられるのを予想してると思うんだ。

 まぁ、実際そのつもり満々だからハズレちゃいないんだけどね。


「それじゃ、やりますっ!普通のブレスから小範囲に変化させます!」


 ん?

 変化させないと違いが分かり難いのかな?

 ふっふっふっ。

 だとしたら、やり直しだな。

 まだ勝機は残ってるかもしんない!


 おぉ。

 竜形態になるんだ。

 これさぁ、最初は怖かったけど・・・

 格好良いなぁ。

 色もさ赤地に黒線が3本走っててさ、いい感じなんだよね。


 おっ!

 ちょっと上を向いたぞ、そしてー息を吸い込んで・・・赤い玉が口先に出来て・・・出たーっ!

 真っ赤な炎だー

 結構遠くまで届くんだなぁ。

 私の【穿つ】より射程は長いんだ・・・

 普通にブレスされたら抵抗も出来ないまま丸焦げって事?

 ・・・

 ・・

 ・

 うん、スカージュちゃんをからかうのは程々にしよう!

 丸焦げはイヤだっ!


 って・・・おっ?おっ?

 何か炎が収束してきたぞ、これが小範囲化なのかな?

 ・・・

 ・・

 ・

 えっ!?


 バシュッ!

 シュュュュュューー!


 えっ!?

 あの・・・スカージュ・・・さん?

 私、それ見た事有るよ?

 そのブレスはゴ〇ラと同じですよ?

 不死身の大怪獣、日本映画界の生み出した最強の大怪獣。

 〇ジラと同じなんですけど?

 って事はだよ、威力もゴジ〇とまではいかなくても、かなり高いよね?

 あんだけの炎を収束してるんだから低い訳ないよね?

 もしかしたら・・・


「スカージュちゃーん!そのブレスを壁に向かってやってみてー」


 うおっ!

 頷くんじゃありません!

 森が火事になっちゃうでしょ!

 全くもう、ちょこっとだけ抜けてるんだよね。


 うん?

 ・・・『拒絶の壁』恐るべし!

 スカージュちゃんのブレスを反射してるよ。

 もしかしたら、穴は無理でも傷を付ける位は出来るかもって思ったんだけどなぁ。

 反射するとは思っても見なかったよ。


「どうですか?シズネさん」

「スカージュちゃん!すっごいよー!このブレスだけでヴラド君を越えちゃったかもよー!」


 ヴラド?

 

「ち、父上をっすか?そんな事はないと思うっす」

「そんな事あるよー、このブレスは射程が通常の数十倍あるしー、首を振っても炎が後から付いて来る訳じゃないから遠ければ遠い程、回避するのは難しいブレスよー」

「そうなんすか?ミランダさんの気のせいって事は無いっすか?」

「間違い無いわよー。でもねーシズネちゃんみたく姿が消える程の速さで動く人達に効果を発揮するにはスカージュちゃんの努力しだいかなー」

「シズネさんって、そんなに速いっすか?」

「アイシャちゃんが反応出来ないものー」

「!!!!!・・・マジっすか!」


 うーん・・・

 何か私の事を話してるみたいだけど、どうでもいいや。

 うーん・・・

 あのブレス・・・ゴ〇ラみたいに背中のヒラヒラとか尻尾からも出せるのかな?

 そしたら正に〇ジラなんだけどなぁ。


「スカージュちゃん!」

「は、はいーっ!」

「・・・何を慌ててるの?まぁ、いいや。さっきのブレスは背中のヒラヒラとか尻尾からは出せないの?」

「へ?・・・背中と尻尾っすか?・・・ブレスのエネルギーの収束は口以外でも出来るから・・・やってみるっす」


 で、出来るんかい!

 ホントにこの子はゴジ〇なんじゃないのか?


「あー背中は無理っぽいっいす、尻尾は・・・あっ!できそうっす!」

「口からも同時に出せる?」

「やってみるっす」


 うっわぁー

 さっきより射程は短いし熱量も少ないみたいだけど、出てるよ。

 ゴ〇ラ認定しちゃおう。


「スカージュちゃん、いや、スカージュさん!」

「はいっ?さんっ?・・・シズネさん、また悪巧みっすか?勘弁して欲しいっす、あたし本気で泣いちゃうっす」


 なによぉ、敬称を変えただけなのに酷い言われようだよ。

 私の方が泣きたいんだけど?


「あはははは、シズネちゃん、変えるには少し遅かったねー」

「むぅ、ミランダさんまでぇ。はぁ、自業自得かぁ」

「で、なんすか?」

「人型でブレスって出来ないの?もし出来るならさ、手の平とか指先から出せるんじゃないかな?」

「あっ!」

「それプラス、太さを変えれたらもっと使い勝手が良くならないかな?」

「!!!!!!」


 正直な話、人型で手から出せれば中長距離で最強レベルなんじゃないか?

 本気でそう思う。

 私なら絶対に対峙したくないもん。

 それとさ。


「竜形態だとボイラー室には入れないから勝ちとは言えないからねぇ」

「えっ?そんな小さい部屋なんすか?」

「お湯を作るだけの部屋だよ?ドラゴンが入れる広さは必要ないと思うけど」

「た、確かに・・・それならブレス専用の穴を・・・

「メンドクサイから却下!」

「い、いけずぅ!」

「ガハハハハ、何をじゃれとるのかの?」


 爺様だ、どうしたんだろう?

 外に出て来たのは初めて見たよ。


「・・・誰?」

「師匠っす」

「爺様だよ」

「・・・その紹介で分かる者がおるんじゃったら奇跡じゃの。儂はスナフキン、鍛冶師をしておるの」

「鍛冶師スナフキン?・・・どっかで聞いた事が・・・」


 ミランダさんも聞いた事が有るかも?なんだ。

 アイシャさんもそうだったんだよね。

 爺様って実は凄い有名人だったりして。


「嬢ちゃん、依頼の品が完成したんじゃの」

「ホント!思ってたよりずっと早い!爺様すっげー!」

「ガハハハハ、宵時のスナフキンをなめるんじゃないの」


 ん?

 上の方から振動?

 これは・・・アイシャさんが来た時と同じ振動?


 ズドォーン!


「着地成功!おいっ!シズネ!さっきの赤い光線は何だ!?ここが発生地点だろ!」

「あたしのブレスっす」

「はぁ?ブレスだと?あのブレス・・・伝承にあるバルムンドのブレスと同じじゃないか」

「バルムンド様と同じ?歴代竜魔族の強者5人に入るあのバルムンド様?」

「そうだ、バルムンドはそのブレスで最強たらしめた人物だからな」

「あたしが・・・バルムンド様と・・・」


 あはははは。

 頑張った甲斐があったね。

 さて、あっちの2人は放っといて。


「さて爺様、物を見せてもらおうかな?」

「うむ、取って置きは最後にじゃの。まずは・・・」


 ウーツ鋼・オリハルコン・ヒヒイロカネ・暗闇鉄・閃の塊・王鋼・鱗鋼、と順番に並べてく爺様。

 おっほ♪

 どれも出来たてだからキラキラだぁ♪


 にしても、この模様は何だろう?

 ぱっと見、葉っぱみたいなんだよなぁ、デザインとしてはいい感じだから好きなんだけどね。

 爺様って何となく実用一点張りな感じがするから意匠って訳じゃないと思うんだよな。


「爺様?何で葉っぱみたいなデザインになってるの?」

「葉っぱ?・・・そうじゃ葉っぱじゃの、儂も何かに似とるとは思ったのじゃ」


 やっぱりワザとじゃないんだ、理由があってこのデザインになったんだ。


「これはの、強度を増す為に工夫を凝らしておったらこうなったのじゃ」

「強度?無しだとそんなに柔いの?」

「土を掘る分には問題無いんじゃがの、武器としてはかなり柔かったのじゃ」

「なるほど、さすがは爺様だね!土より肉の方が柔いから大丈夫だと思ってたよ」

「いやいや、斬るのは肉かも知れんが相手も武装しとるはずじゃしの、金属を想定せねばならんじゃろうて」


 そっか!

 今のところ武装してる人と会った事が無かったから考えて無かったよ。


「シズネちゃん?これシャベルなのー?武器にするのー?こんなにたくさんー?投げたりするからかなー?」


 

 投稿を暫くの間、週2にします。

 

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