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ぴんぼんぱんぽーん♪・・・な、何事?[前半]

「私ちょっと行ってくるよ」

「えっ?ティファちゃん、どこに行くって言うのー」

「・・・かあさまを食べようとした猫を殺って来るよ」

「ちょっと待ってー!どの猫がやったのか分からないでしょー?森には猫はいっぱい居るわよー?」

「・・・見掛けた猫を全部殺っちゃう?」


 おいおいおいおい。

 サラッと物騒な事を言ってくれたよ。

 見た目は可愛くても、さすがは異界からの転移者だね、理解できない時が有る。


「それもダメだってー、そんな事をしたらティファちゃんがアイシャちゃんに怒られちゃうよー?」

「う~ん・・・」

「それにさー、仕返しするならシズネちゃん自分でやるんじゃないかなー?」

「・・・そうかも、うん、行くの止めとくよ」


 シズネちゃんがあぁいう性格で助かった。

 あのまま猫狩りなんてやられたら、アイシャVSティファの大決戦になってたかも知れないものね。

 転移者と元魔王がバトルなんて始められたら、巻き添え喰うの間違い無いしね。

 しかもよ。

 大決戦でアパートが壊れでもしたら・・・

 魔王より恐い怒り心頭のシズネちゃん降臨しちゃうじゃない!

 それだけは回避しないと命が幾つ有っても足りないわよ。


「ミランダさん?」

「ん?・・・アハハハハ、ちょっと考え事をねー」

「うん。かあさまのその後はどうしたの?」

「こっからがねーシズネちゃんの本気が見れるのよー。私も聞いて呆れた位なんだからー」



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



「・・・お腹減った」


 ・・・はっ!!

 私、生きてる?

 お腹減るんだから生きてるよね?

 やった・・・やったよぉ。

 すっ・・・ごく嬉しいよぉ。

 あっ・・・まだドクンドクンしてる、でも痛いって感じは全然しないんだけどな。

 

 はっ!

 わ、私は恐くなんてなかったんだからね。

 泣いてだっていないんだからね。

 そこん所を間違わないでよ。

 シズネちゃんは強い子なんだもん。

 お父さんとお母さんが居なくったって大丈夫なんだもん。

 ・・・たぶん。


 それはそうと・・・お腹減ったー

 ご飯食べたい~

 でも外はイヤッ!・・・まだ恐いもん。


 そうよ、よくよく考えたらネズミって森の肉食獣のエサでしかないものね。

 猫もそうだけど蛇、狐、犬、狼、猛禽の鳥だって・・・全部が私の天敵だものね。

 そもそもの話、猫って森に居るもんなの?

 異世界だからって何でも有りってのはどうなんだ!

 そこんとこ説明を求めたい!

 誰か答えろー!


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 分かってたけどね、誰か答える訳ないよね。はぁ・・・

 で、ご飯どうしようかな・・・

 お腹タポタポだしダイエットでもした方がいいのかな?

 ダイエットとかテンションだだ下がりよね。

 っはぁあああああああああああああああああああ・・・・・・・・・


 うぉ!!

 口の中からドングリが出て来た!何でだ!!

 ・・・

 ・・

 ・

 そっか、ハムスターって頬袋あるんだっけ。

 もっと入ってるのかな?

 で・・・頬袋ってどこに有るの?

 口の中に手を突っ込んでみたけど、それらしき物はどこにも無いんだけど?


 溜息!もっかいやってみたら出て来るかな?

 っはぁあああああああああああああああああああ

 おぉ!出た!何で?

 溜息で出るって訳分かんないよ。

 むっちゃ使い勝手悪いし、出し方分かっても入れ方分かんないし。

 ダメダメじゃん。


 取り合えず腹ごしらえするかな。

 ・・・

 ・・

 ・

 ドングリって微妙?

 不味くはないけど特別美味しいって訳でもない。

 でも不思議とまた食べたくなる味だな。

 そうゆうのも含めて微妙かも。

 でも自力で調達した訳じゃないから文句言ったらダメだよね。


 さって、今後の方針だ。

 ここに引き籠もってれば狩られる心配は少ないと思うの。

 それでも厄介なのは蛇・・・かな?

 奴等は穴から入って来るよね、入って来たらこの狭い巣穴じゃ袋のハムスター・・・今度こそ間違いなく死んじゃう。

 うん、巣穴の拡張・・・いや!ラビリンス化が必要ね!


 フッフッフ。

 掘って掘って掘りまくってやるわよ!

 入り込んだら日の目を拝めなくなる位のラビリンスにしてやるわ。


 あっ。ご飯を集めれそうな所に穴を開けとけばちょっとは安全に集めれるのかな?

 太い木の根にぶつかったら様子見はしないとね。

 ご飯のストックどんだけ頬袋に有るのか分かんないし。

 やっぱり食う寝るは重要なのね。

 これ無視したら浮浪者だもんね、それは最低過ぎる生活水準だよ~

 そう考えるとこっちに来て寝床が有って、気が付かなかったけどご飯のストックもあって恵まれてるのかも。

 でも、それに甘えて怠惰に過ごしたら死ぬ・・・

 やっぱりイヤよ!

 狩られるのも餓死するのも、絶対にイヤ!


 まだお尻ドクンドクンしてるけど血は出てないから早速開始しないと。

 取り合えず・・・

 掘る!



〈1日経過〉



 現場のシズネさ~んはかどってますかー?


 こちら現場のシズネ、まぁまぁですかね、私の体長が10cm位としたら・・・まだ1m位しか掘れてません。


 はーい、了解で~す引き続き頑張って下さ~い。


 ・・・・つまんないのよ。

 ただただ掘るのって凄くつまんないの。

 生きるためにやってる事だけど、傍目お馬鹿な事でもやって少しでも楽しくしないとイヤになっちゃうの。



〈更に1日経過〉



 ふっ・・・

 私って穴掘りの才能有ったのね。

 2日目にして掘るコツを掴んだわよ。

 爪を立てる角度を間違わなければ1掻きで1cm位掘れるわ。

 

 よっし!

 こっからペースアップだーっ!

 根性と気合い入れてくわよっ!



〈おまけで1日後〉



 ・・・ふふふっ

 うふふふふふっ

 穴掘りシズネここに誕生!

 いくらでも掘ってやるぅううう!

 ライバルは穴掘りシモンよ!

 ドリル無しでも掘れる私の方が上だけどねっ!


 ドリャー!


 ざっとこんなもんよ。


『ぴんぼんぱんぽーん♪』


 な、なに?何事なの?館内放送?迷子の案内?

 失礼なっ!

 まだ1本道だもん迷わないわよっ!


 えっ?なにこれ?

 頭の中で文字が浮かんでる感じ。

 これ・・・すっごい気持ち悪い感じでイヤッ!

 目で見てる物に重なるような感じならゲームで慣れてるから良いんだけど。

 目で見てるのとは別に画面がある感じ・・・混乱しそうで気持ち悪い、目を開けてらんないよ。


 で、これなに?何か文字みたいのが真ん中に有るけど、こんなの見た事ないし読めるわけ・・・読める。なんでぇ?

 こんな訳分からない事が続くと繊細な私はパニック起こして昏倒しちゃうよ?

 ・・・

 ・・

 ・

 はい・・・嘘ですゴメンナサイ。

 繊細なんて資質は産まれた時に臍の緒と一緒に切り離しました。

 でもちょっとくらい女の子みたいな感じを出させてくれたって良いじゃん。


「享年14、現在は異世界でハムスターをやってます」


 笑い話にしかならない状況なんだから、良いじゃん。

 なによ?

 私だってキレるんだからね。

 ちょっとくらいは多目に見てくれないと、でっかいリュックを背負ったツインテールのカミカミの噛みつき魔みたいなキレ方してやるんだから!

 ・・・

 ・・

 ・

 ちょっとスッとした~

 で、何て書いてあるんだろう? えーと・・・・


[スキルの熟練度が一定値になりボーナスを獲得しました確認しますか? YES/NO]


 


ハムスターの体長が10センチじゃでかいと思うけど、計算が楽なので10センチでいきます、

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