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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 2章 下準備

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お仕置きだべ~〔後編〕

 うーん・・・

 何の事だか分からなくて首を傾げちゃったよ。

 90度位傾げちゃった気がする。


 アイシャさんはいったい何を謝るって言うんだろう?


「知らなかったとは言え子供に対する態度じゃなかった、申し訳ない」

「ん?・・・ん?んー・・・ん?何の事か分からないんだけど?」


 うん、全く分からないよ。

 謝って欲しかった事は謝ってもらったし。

 それ以外って言うと。

 ・・・

 ・・

 ・

 普通・・・だったよね?

 謝る所なんてあったかな?

 無いと思うんだけどな。


「いや、ほら、色々とだなぁ」

「アイシャさんには謝って欲しかった事は謝ってもらったよ。それ以外で謝る所なんてあった?普通だったとおもうけど」

「まぁ・・・そうだけどな、大人としてだな・・・

「私は普通に接してくれる方が嬉しいよ。ミランダさんのあれが普通だったら困っちゃうけどね」

「あれはなぁ・・・テンションが上がり過ぎたんだよな。うん、昔から常々止めろって言って来てたんだけど・・・ダメだった」

「誰かに誰かを変える事は出来ない、変える事が出来るのは当人だけだ。って、お父さんが言ってた」


 最初に聞いた時は良く分かんなかった。

 だってさ、誰かに言われて変わる事だってあると思ってたし。

 でもね。


『その言われた事を、その通りだって思わなければ変わる事は無いんじゃないか?変える必要が無いって思うんだからな』


 って言われて納得したの、変わる為の最終判断は自分自身がするんだって事に。

 ミランダさんも変わる必要が無いって、ずっと思って来たから止めなかったんだと思うの。


 あのミランダさんは恐いけど、普段のミランダさんは好きだもん。

 あれは止めて欲しいけど、変なふうに変わって欲しくはないんだよね。

 私、かなり我儘な事をいってるよね・・・


「言われてみれば確かにそうだな、シズネの父ちゃんは凄えな」

「お父さんも受け売りだって言ってたよ」


 確か・・・漫画の台詞って言ってたかな?


「受け売りだったって大事な事柄をちゃんと覚えてるんだから、凄えんだよ。お前だって大事な事だと思ったから覚えてるんだろう?それって凄え事なんだぞ」


 褒められた・・・

 なんか嬉しいよ!

 アイシャさんみたいに嘘の無さそうな人から褒められるのってホントに・・・


「アイシャさんって優しいんだね、ただのバトルマニアだと思ってたよ、ゴメンナサイ」

「あはははは、それは間違ってないな。それとだ、優しいかどうかは分かんないけどね、あたしは子供を作らなかったから接し方が分からないんだよ、だからな極力素直に受け答えする事にしてるんだよ」


 ・・・ん?・・・ん?


「まだまだ作れるんじゃないの?」

「あたしが幾つだと思ってる?これでも200を超えてるんだよ」

「ふぇ?」


 200?

 ・・・200歳?

 マジっすか?見えないっす?

 担ぐ・・・様な人じゃないからマジなのか!

 異世界って凄い!


「あたしはね身体の成長が止まって暫くしたらステータスの備考に【衰無効】ってのが出てたんだよ」


 【すいむこう】?

 水?・・・酔?・・・炊?

 すいって?


「簡単に言っちまえば不老だな。ミランダと同じだ」


 ミランダさんと同じ不老・・・

 って事はアイシャさんもああなる可能性が?

 もしかして危険?


「おい・・・今何を考えたんだ?」

「さ、さぁ、忘れちゃったなぁ。ほらハムスターって寿命短いからボケちゃったのかも知れない」


 誤魔化しきれるかな?


「ウソつけー!今のは絶対にウソだっ!まさか・・・」


 うっ!やばっ!逃げよう・・・

 あっ!捕まったー


「シーズーネー何で逃げようとしたのかなぁ?お姉さんに言ってご覧」


 こ、こぇぇぇぇー。

 微笑みに怒気が混じると迫力増すんだなぁ。

 また後ろの首を摘ままれたけど、止めろーって言えない迫力が・・・


「まさかミランダみたいになるとか思ってないだろうな?」


 ハ、ハハッ。

 勘の鋭い事で。

 視線をズラして惚けるしかないなっ!


「いえ、決してそんな事は」

「目を見て話せー!」

「サー・イェッサー!隊長、申し訳有りませんでした!」

「・・・軍隊じゃないぞ」

「・・・つい」


 だって・・・だって迫力が凄いんだもの。

 乙女な私は摘ままれたまま気を付けして固まっちゃいますって。


「まぁ・・・いい。とりあえず、あれはあいつだけだからな」


 親指で後ろにいる絶賛凹み中のファーマシストを指さしてる。

 まだ凹み中?

 それとも凹み直し中?

 ノスフラト君は容赦無さそうだからなぁ。

 凹み直してるのかも。


「あれと同類って思われたくは無いからな」


 ごもっともです。

 私もイヤだ。


「でな【衰無効】で衰えて無いだけで200超えってのは周知なんだよ。どこに200過ぎのババァと子作りして子育てしたがる奴が居るんだ?って事だよ」


 ・・・そうかな?

 居ると思うけどな。


「私が男だったら・・・それがどうした?って感じだけど」

「あはははは、シズネ、男前だな。あたしもシズネが男だったら迫ってたかもな。あはははは」


 う゛ぇっ?

 男だったらミランダさんとは違うアプローチして来てたかも知れないのか・・・

 あれ?・・・私ってモテモテ?


「また何か変な事を考えてなかったか?」

「男だったらモテモテだったのかも?って」

「ぷっ!そっかシズネはモテモテになりたいのか。あはははは」

「うん、告白して来た人を全部ふってやるの!」


 だってさ、私も告白してくる人を好きじゃないと成立しないのは当たり前だよね?

 告白してくる人の中に好きになった人が居る確率って低いと思うから、全部ふるんで大丈夫だと思うもん。


「・・・それたちが悪いぞ」

「悪くないよ、好きでもない人と付き合いたくないだけだもん」

「それはそうだけどよ・・・。それならシズネはどんな奴が好みなんだ?」

「んーと・・・素直な人、でもウソ吐いたって良いよ、私にバレない様に出来る位に記憶力が良ければね。あとは誉めてくれる人」

「ウソと記憶力に関係なんて有るのか?」

「大有りだよー!吐いたウソを全部覚えてなきゃ言ってる事が毎回違くなるよ。好きな人の言葉ならきっと覚えてるはずだから気が付くもん」

「なるほどっ!シズネ・・・お前ホント凄いな」


 また誉められちゃった♪

 でも、こっちで良い人なんて見つかるのかな?

 私ハムスターだし・・・


 なんか一気に凹んだよぉ

 はぁぁぁぁぁ。


「なんだ?いきなり落ち込むなよ。どうしんだ?」

「あのね、私の寿命ってどれ位なのかな?私の知ってるハムスターの寿命って長くても5年位だったはずなんだ」


 そう・・・身体の小さい生物は寿命が短いってのが通説だったはずなんだよね。

 やっぱり異世界のここも同じなのかな?


「んー・・・シズネは最低でも522年は生きるぞ」

「ふぇ?・・・なんで?」

「老衰死の場合だけどな、生命力の最高値が0になったら死ぬんだ。でな、減るのも年間100前後なんだ。シズネは52200超えてるだろ、だから最低でも522年以上なんだ」


 500年以上ってあんた、そんなに生きて何をするって言うの?

 する事が無くなって最後の方は詰まらなくならない?


「って事はだ!500年以上は、お前と遊べるって事だな♪あたしみたいな特異個体ってのは数百年に1体出るか出ないかだからなぁ。中々長く付き合える奴に出逢わないんだよな、よろしく頼むぜ」


 そっか。

 アイシャさんもミランダさんも死にはするけど寿命が無くなった人なんだよね。

 仲良くなっても先に居なくなっちゃう人ばっかりって事か・・・


 それって寂しいよね。


「なら早いとこ人化出来る様にならないと!」

「なんでだ?今のままでもいいと思うけどな」

「えーだって移動中はずっと肩の上って・・・懐いたペットみたいでイヤじゃん」

「あたしはそれでも良いぞ」

「わ・た・し・がっ!イ・ヤ・だっ!」

「あはははは、なら頑張ってくれや」

「うん、人化の為にアイシャさんに一肌脱いでもらおうかな」

「一肌?・・・何をさせる気なんだ?」

「何もしなくていいよ。ただ・・・」

「ただ?」

「そのおっぱいの弾力を、張り具合と柔らかさを真似させて」

「はっ?なんだって?」


 これは私の理想の弾力なんだよね。

 固過ぎず柔らか過ぎず適度にプルルンとして適度にフヨフヨな理想的なおっぱいなのです!

 是非とも人化の際の参考にさせてもらいたいのです!

 隊長!


「ちょっと感触を確かめさせてくれれば良いんだー」


 早速行動開始なのです。

 余す事無く弾力を実感するとなると・・・

 谷間に挟まるのがいいかな!

 でわ・・・


「おい!こら!シズネ!お前どこに行くつもりだ」

「ここ」


 流石は私の理想・・・

 これは凄い、左右から来る圧迫感はあるんだけど、柔らかさで軽減している。

 なるほど!

 これが極上で究極で至高のおっぱいなんですね!

 参考になります。


「を?・・・シズネは温かいな、寒くなったら捕まえてそこに入れとくかな?」

「え?私は感触を覚えたら入る気ないんだけど?」

「良いじゃないか、寒くなって来たら入っとけよ」


 うーん・・・

 私もここは温かくて良いんだけど・・・

 感触も文句なしだし・・・

 いやいやいやいや。

 ここが定位置になったら、それこそ懐いたペットじゃないか。

 ペットだけはイヤだ。

 でも・・・

 この感触は捨てがたい・・・

 うーん・・・


「た・・・たまになら?」



「えっ?・・・ええ?・・・無い?・・・頭が・・・無い?う、う~ん・・・」

「くっくっくっ、こんな事も有るかと思ってな、随分前から仕込んで置いたんだ」

「・・・う~ん・・・」

「シズネはこうゆうのが恐怖の対象なのは知ってたからな」

「・・・頭が・・・頭が・・・」

「焦らなくても、いつか披露する日は来るからよ。その日を楽しみにして・・・るのである」

「う~ん・・・無い~・・・」


 

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