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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 2章 下準備

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意外とキレやすい?〔後編〕

 そろそろ我が家に到着のはずー

 ここまでの道程で話さない方が良かったかな?

 って事も有ったような気もするんだけど・・・

 嘘は言ってないし、いっか。


「シズネちゃーん」


 おぉう。

 なんだなんだ?

 滝の様な涙を流して、いったいどうしたの?


「ラブラブデートが終わっちゃうぅ」

「まてぇい!いつラブラブになったのだ?」

「むー・・・シズネちゃんのいけずー」


 ミランダさん・・・

 その膨れ方は可愛いから。

 美人が拗ねて膨れるのは反則ですから。

 私みたいなモブルックスの持ち主からしたら垂涎ですから。


 つか、今はハムスター・・・表情さえないから羨まし過ぎるんですけど。

 ここはいっちょ嫉妬の眼差しで見つめてみようかな。


 ジーーーーーーッ


「・・・えっと・・・シズネちゃん何かなー?いつもより視線に熱がこもってる感じがするんだけどー」


 ジーーーーーーッ


「おぉいホント何かなー?」

「・・・良いなぁ・・・表情。私も欲しいなぁ・・・表情。真顔以外もしたいなぁ・・・表情。何でもいいから出来ないかなぁ・・・表情」

「うっ・・・えっと・・・あっ!ほら!着いたわよー」


 ふっ・・・

 また詰まらぬ物を斬ってしまった・・・

 何か虚しい勝ちだなぁ。

 早いとこ【物質操作】の熟練度上げようっと。

 あれ?

 ノスフラト君が外に居るなんて珍しいな。

 何か有ったのかな?


「ミランダ殿、待っていたのである」

「私をー?何かなー?」

「貴殿に、けたたましく騒々しい客である」


 もしかして。

 ノスフラト君イラッとしてる?

 いつも変わらない様な気がするんだけど・・・声のトーンが違う。


「客ー?誰だろうー?」

「ミランダ様ー、今月分を取りにきたよークキャキャキャキャ」

「あんただったのねー、今日が納期だっけー?」


 うわぁ。

 ファンタジーって感じの生き物だぁ。

 口の大きいグレイ星人みたいな頭で大きさはバレーボール位かな。

 骨と皮だけって感じの頭と同じ位の大きさの胴体。

 手足も骨と皮だけって感じだね、長さが異様だ、胴体の倍位は有りそうだよ。

 んで、背中からコウモリに似た翼が生えてる。


 けたたましいってのは多分笑い声の事だろうなぁ。

 読書中には聞きたくないかも。

 第一印象はあんまし良くないなぁ。


「シズネちゃん、あれが使い魔よー」


 納得。

 使い魔ってイメージにピッタリだよ。


「ミランダ様ー、引っ越すなら言っておいてよー」

「何でー?めんどくさいー」

「取りに行って何も無いってないでしょークキャキャキャキャ」


 全く持ってその通りだと思う。

 しかし、こんな所に住んでるのに色んな交流がある人なんだね。

 一流の職人ってのは凄いね。


「しかしぃ、壁に部屋って、ありえねー俺じゃ考えつかねーミランダ様ーさすがっすねークキャキャキャキャ」

「んー?私が考えたわけじゃないわよー」

「んじゃノスフラト様がー?」

「我輩でもないのである」


 へっへーん。

 私が思いついたのだよ。

 凄いだろう。

 いや、違う・・・おもいついたのはノスフラト君じゃん。


「んじゃ誰よー?クキャキャキャキャ」

「シズネちゃんよー。考えたのも造ってるのもー」


 おぉっ?

 手に乗せてズズイッと突き出して紹介ですか?

 なんかちょっと恥ずかしいよ。

 使い魔さんも意外そうな表情ってするのかな?


「ミランダ様ー嘘言っちゃダメだよークキャキャキャキャ、チンチクリンの見窄らしいネズミが造ったなんてさー」


 ・・・なんだと!

 あんたより小さいからチンチクリンは合ってるけど。

 見窄らしいネズミだと?

 こんなだけど、ノスフラト君が何処から用意したか分からないけども・・・見た目綺麗な水で毎日水浴びはしてるし、毛並みにも気を使ってるのよ!

 それを・・・見窄らしいだと!


「あ、あんた!なにを・・・・・

「ねぇミランダさんノスフラト君、私、見窄らしかった?これでも毎日手入れはしてるんだけどなぁ」


 あっ・・・ミランダさんの笑顔が歪んだ。

 ノスフラト君はニヤリとしてる気がするんだけど。


「シズネちゃんー、これでも私はファーマシストの端くれだからバッチかったら触ったりしないよー?」

「我輩もである、読書中の我輩に近寄れる希な存在なのである」


 そっか。

 薬品を扱うわけだから雑菌とかは大敵って事だもんね。

 読書中に近寄れる?

 うーん。

 分かんないけどノスフラト君も認めてくれてるのね。


「って事は・・・初対面の人に馬鹿にされたの?否定されたの?」

「シズネちゃん、落ちつ・・・・・

「そういう事である」

「ノスフラト君!そんなハッキリと!」

「そかそか、なら怒っていいんだよね?買っちゃっていいんだよね?」


 初対面の人に馬鹿にされて黙ってるの?

 私から会いたいってアポ取った訳じゃないよ?

 我慢する必要あるの?

 私は無いと断言する。


「シ、シズネちゃん!どぅどぅ」

「私は馬かっ?」

「あぁーよく寝たー!昨日は久し振りの体験したから、いつもより長く寝ちまったよ」


 寝坊助さん起きて来た、いつもはもっと早く起きるのかぁ。


「シズネーここ中々良いな♪あたしは気に入ったよ」

「アイシャ様じゃないかーそうかーアイシャ様が造ったんなら納得だよークキャキャキャキャ」

「んぁ?誰だお前は?あたしは壊す専門だから何もつくらねぇよ?」

「またまたーアイシャ様なら作れるっしょーあんなチンチクリンの見窄らしいネズミが作ったなんてよりーずっと納得いきやすってークキャキャキャキャ」


 ・・・また言った!

 もう許さん!

 後悔させてやる!


「ミランダ?・・・もしかして・・・それはじゃれてるんじゃなくて・・・」


 なんだろう?

 ギギギッて音がしそうな感じで頭をこっちに向けたよ。

 アイシャさん面白ーい。


「押さえてるのよー」


 はい。

 握り締められてます。

 無理矢理動くと怪我させちゃいそうだから大人しくしてます。

 でもそろそろ離して欲しいかな?


「そ、そうか・・・お前、残念な奴だな。何か言い残すことが有ったら聞いといてやるぞ」

「なんですかそれはークキャキャキャキャ」

「なら良いんだ。ミランダ・・・私が離れたら、良いぞ。ヤバいんだろ?」

「かなりー、赤だけじゃなくて黒も出て来てるからねー」


 赤?黒?

 んー私の毛色は明るい茶と白だよ?

 赤も黒もないよ。

 それよりも。


「離してくれるの?」

「えぇ、離すよー、でもやり過ぎないでねー?」

「大丈夫。アイシャさんと比べるのも失礼な奴だから全身の骨を砕くだけにしとくよ」

「シズネちゃん・・・」

「私ね、初対面なのに上から目線の奴って大っキライ!あいつは私の事を知りもしないのに馬鹿にした・・・ミランダさんならどう思う?」


 ホント・・・心底キライ!

 私は知り合った人とは楽しい時間をたくさん過ごしたい。

 それには、あからさまな上下は有っちゃいけないもん。

 平等・対等なんてのが戯れ言なのは分かってるから、どっかで上下は出来るだろうけど・・・

 途中からなら、何とか出来るかも知れないし。


 でも、あいつは違う。

 あんな奴は無視したいんだけど・・・

 私に突っかかって来た、ここで無視したらずっと先まで、あいつは私を下に見た態度をとる。

 あいつはそういう奴だよ。

 その証拠に、私以外には『様』を付けて呼んでるもの。


 自分より上の者には気持ち悪い位にへつらって、自分より下の者には高圧的に出る典型だもん。

 だから、やるなら今しかないの!


「私をそのまま離して良いよ。離したら直ぐに右か左に1歩避けてね。もしかすると危ないかも知れないからさ」

「う、うんー。でもホントにやり過ぎちゃダメだよー?あんなんでも妖魔王の使い魔だからさー」

「誰の使い魔だって構わないよ?それに、あんな品性の欠片も無い奴を使い魔してる妖魔王ってのも高が知れてるんじゃないの?」


 王なら王らしく部下を厳選しろっての。


「妖魔王はシャイな人なんだけどねー」

「へぇ、それは後でね。なんか、あいつの態度見てるだけでイライラが増してく」

「ミランダ様ーブツはまだですかークキャキャキャキャ。早いとこ帰りたいんですがークキャキャキャキャ」


 イラッ。

 ミランダさん・・・

 よっしゃ!

 離したっ!

 着地したら・・・

 用意ドンだっ!

 


新ネタです。


「なに?」

「・・・私のせいだって言うの?」

「・・・冗談ポイッよ!ブックマークが増えないのは、あんたの書く物が詰まらないからでしょ!人のせいにするなっ!」

「・・・なによ・・・アホかっ!何で高い所から落ちなきゃいけないのゃ!大体、そんな事で増える訳がないでしょ!つか、あんた・・・

「・・・その喋り方、この雰囲気・・・貴様は脳内かっ!?」

「・・・問答無用!よくぞ私の前に姿を曝したな、消去してくれるわ!」




 

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