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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 2章 下準備

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次の目標は何にしよう?〔後編〕

 アイシャさんは後任の人に獣魔王の称号を譲って帰ろうとした時に【強者感知】に反応があったからやって来たんだって。

 その【強者感知】って起きてる人でステータスが1つでも7500を越えてると感知する様に設定してあるんだって。

 数値は自分で決めれるんだけど、8000を越える人って少ないらしいんだ、だから7500に設定してあるんだって。


 でね、ノスフラト君は昨夜夜更かしして本を読んでたから寝たのが遅かったんだって。

 私が大声を出したのが目覚ましになって起きたそうなんだ。

 予想通り【強者感知】に引っ掛かったのはノスフラト君じゃなかったんだ。


 結局は私のステータスを感知したんだけど、1万越えが3つも有るなんてハムスターの身には分からないっての。

 何度目か知らないけどあえて言う。

 ハムスターのステータスが高いなんて誰が思うの?

 誰も思わないって。

 だから私は悪くないもん、嘘だって吐いてないもん。


 そうそう、ノスフラト君の言っていた存在感ってやつなんだけどね、ステータス数値とは無関係みたいなの。

 なんでも、私を認識した時から存在感ってのは有ったんだって。

 認識する前は全く感じなかったのが、いきなり感じたもんだからビックリしたって言ってたよ。


 でさ、存在感ってなんなの?

 単刀直入に聞いたんだよ。

 そしたら自分でも良く分かってないみたいだったの。

 ただ、何でかは分からないけど私が起きてると何となく分かるんだって。

 それがノスフラト君の言う存在感って事なんだけど・・・


 イミフだよね、小動物の中でも小さい方に入るハムスターに存在感?

 中身は化け物ですってか?

 それイヤだわ~

 今のステータスは高いよ。

 だけど、高くなる前から存在感が有ったって事はステータスやスキル以外で化け物って事でしょ?

 中身が危険です!が理由だったら・・・泣くよ?


 プリチーでキュートでラブリーな上、乙女なハートのシズネちゃんが化け物?

 泣く一択でしょ?


 ・・・はいはい、分かってますよ。

 一々脳内に言われなくても分かってますよ。

 でも、言うのはタダなんだから言ったっていいじゃん!

 誰かが被害者になるわけじゃないんだしさ。


 ・・・それがなんだって言うの?

 御天道様が見てるのって悪事でしょ?

 自画自賛するのが悪事だって言うのか!?

 ・・・無視かいっ!

 言いたい事だけ言いおって!

 脳内の方がよっぽど性悪だっての!


 全く・・・話を戻すね。

 結局、存在感が何なのかは分からずじまいなんだよね。

 別に害は無さそうだし放置で良いと思うんだ。


 でね、アイシャさんなんだけどね・・・

『あたしもここに住む、部屋を造ってくれ』

 って頼まれたけど・・・


 来る人、来る人、皆が住むから部屋を造ってくれってなったらイヤなのよね。

 頼めばやってくれるなんて都合の良いハムスターにはなりたくないしさ。

 だから、造るのはオッケーしたけど家賃を取る事にしたの。

 私が造った物に住むんだから使用料って事よ。

 ノスフラト君とミランダさんは恩があるから家賃はもらわない事にしたの。


 ノスフラト君は外に出る切っ掛けをくれたんだもの。

 それに蔵書を私も読んで良いって事で家賃は無しにしたの。


 ミランダさんはお金とかで返しきれない恩だもん。

 傷跡が残らない様にって催促もしてないのに高い薬をくれたんだよ。

 それにね、これからも何か有ったら無償で薬をくれるって言うんだもん。

 家賃なんて貰えないよ。


 とまぁね、なんかしら皆の役に立つ事をするなら家賃は無し、もしくは私からお金を払うって事を前提に家賃を取る事にしたの。

 お金って言っても実物は持ってないから生のミラクルナッツを渡す事になるんだけどね。


 そのアイシャさん。

 家賃の話をした後で言ってたんだけど。

 魔王を辞めたからそれまであった権利ってのが無くなって。

 無一文な上に住む所も仕事も無かったそうなんだ。

 でも、私の提示した条件でオッケーとの事。

 アイシャさんにしたら、かなり甘いものだったみたい。


『肉とか魚を狩ってくるから、それが家賃替わりな』


 って、確かにアイシャさん向きな仕事だね。

 私もミラクルナッツ以外の物を食べれると思うと嬉しいしね。

 でも・・・

 ハムスターって肉とか魚を食べれるのかな?

 それだけが心配だなぁ。

 あ、そうだ!


「ねぇねぇ『断崖荘』に食堂とか造って食事は皆で一緒に食べるとかって、ミランダさんはどう思う?」

「それ良いと思うよー、一人で食べるのって味気ないって言うかー、寂しいって言うかー、詰まらないのよねー」


 『断崖荘』って言うのは家賃を取るんだし。

 3人と1匹が住むんだし。

 集合住宅になるんだし。

 名称がある方が親しみやすいかな?

 って思って命名してみたの。

 なんの捻りもない名称だけどね。


 ぬっ!

 また出たな、脳内めっ!

 ただの洞穴じゃないもん!

 今日はミランダさんの引っ越しを優先したけど、窓とか照明とかもちゃんと付けるもん!

 ミランダさんが街で、えっ?って位たくさんガラス塊を買って来てくれたから、たくさん付けれるもん。

 でも。

 先ずは練習してからね。

 【物質操作】と【整形】を使って、石で枠を作って、薄く伸ばしたガラスをはめたのを、形を変えて3種類位作って3人の意見を聞いてから取り付ける予定なの。


 照明だって『暗光石』って言う変わった性質の石を使って作るし。

 ん?

 『暗光石』ってのは暗いと光って、明るいと消える石なんだって。

 いっぺん試しに使ってみたら明滅しだしたのよ。

 自らが放つ光に反応して消える、そして、暗くなるから光る・・・

 なんじゃそりゃ?

 って感じだけど、点いたり消えたりの速度がハンパなくなると、ずっと点いている様にしか思えない位なのよ。


 理科の授業で聞いた気がするんだけど。

 蛍光灯も、すっごい早さで明滅してるんでしょ?

 それと同じって思えば納得いくんだよ。


 でね。

 『暗光石』の凄い所は繰り返し何度も使えるの。

 内部に蓄えた発光エネルギーが切れたら3日位太陽と月の光に晒しておくとエネルギーが充填されるんだって。

 究極のエコ照明って感じがするよね。


 そんな訳だから。

 やる事はいっぱいあるんだよ。

 イヤミを言ってるだけの脳内のあんたとは違うのよー


 ・・・ドヤ顔出来ない。

 いくら頑張ってもハムスターじゃドヤ顔出来ないの。

 表情筋・・・無いみたい。

 唯一達成出来なかった目標になっちゃったの。

 でもね。

 人化すればドヤ顔でも悪人面でも変顔でも。

 何でも出来るもんねー


 その人化なんだけどね。

 結構ムズい。

 変化が終わるまで、ずっとイメージし続けないと中途半端になっちゃうの。

 しかも!

 元に戻す時も、ずっとイメージしてないとダメなんだよね。

 意外と扱いの難しいスキルなんだよね。


 それにね。

 今の熟練度で人化しても、ハムスターサイズの人にしかならないから困りもんなのよ。

 だから、熟練度で覚える【質量増加】をゲットしてからじゃないとサイズの調整は無理なのよ。

 元に戻るには【質量減少】が必要だし・・・

 もぅ大変だよ。


 大変って言えばね。

 さっき言ったイメージし続けれなくて中途半端になると怖い事になりそうな気がするの。

 例えば・・・

 人型だけど全身毛むくじゃらとか。

 ツルツル美肌の毛無しハムスターとか。

 そんなんになったらメンタルは鍛えれそうだけど。

 御免被りたいってもんよ。


 ・・・な、なってないわよ!

 だって手の平しか人化を試してないんだから。

 もし脳内のあんたがそうなったら指差して笑ってやるわよ。

 心配して欲しかったらイヤミばっかり言うのを止めなさいよね。

 ・・・無視かいっ!

 ホント腹の立つ輩だよっ!あんたは。


「シズネちゃんさー、どうしてそんなに街に行きたいのー?人化できる様になってからでも良くないー?」

「下見かなぁ。人化して行くならブラブラ歩いて衝動買いみたいのもしたいしさぁ。後ね街を見たら目標とか出来るかなぁ?って思ったの」

「なるほどー、今は無理だけど近い内に行ってみるー?」

「行けるの!?行けるなら行きたい!」


 マジっすか!

 でも、どうやって壁を登るんだろう?

 まさか・・・よじ登るの?

 考えただけで疲れちゃったんだけど・・・


「シズネちゃん?私ー、そんな事は出来ないからー。飛行系の乗り物を借りるのよー」


 むぅ・・・

 真面目に、何故分かるんだろう?

 表情筋無いみたいだから表情じゃないでしょ。

 ブツブツ独り言を言ってる訳じゃないし。

 ま、まさか・・・

 私の考えてる事って吹き出しになってて丸分まるわかりとか?

 ・・・漫画じゃあるまいし、それは無いな。

 なら、何でだろう?

 不思議すぎる。


「ふっふっふ・・・今度教えてあげるねー」

「むむっ!」


 やはり秘密があったのか。

 秘密があるって分かっただけでも良いんだけど・・・

 教えてくれるなら教えてもらおぅ♪


 それと、飛行系の乗り物?

 なんじゃそりゃ!

 ファンタジー感がマックスなんですけど!

 どんなん何だろう?


 やっぱり箒とか絨毯とか?

 まさか車?

 未来から帰って来たデロリアンみたいに飛ぶ?

 どんなんなのか楽しみだよっ!


 あっ!むふふふふ。

 良いこと思い付いちゃった。


「ねぇねぇミランダさん、その飛行系の乗り物ってどうやって造るの?私でも造れるかな?」

「浮遊石が1つとー、使い魔とか精霊を召喚出来れば造れるよー?」

「使い魔?精霊?・・・私には造れないのか・・・残念・・・あっ!でもさ、浮遊石ってのが有れば『拒絶の壁』の上に行けるようにならないかな?」


 エレベーターみたいな感じな物を造れば誰でも楽々に行き来できるみたいな感じで。


「それは出来るかも知れないねー。浮遊石の浮沈は触って念じるだけで出来るからねー」

「そっかそっか、よしっ!街に行ったら浮遊石は買うっ!そんでエレベーターを造るっ!」

「エレベーター?・・・それは何ー?」

「昇降機よ、上り下りする為の箱みたいなもんだよ」

「へぇ、それも異世界に有るものなのー?」

「うん、皆がビックリして誉めてくれる様なのを造っちゃおうかな♪」


 どんなのにするか考えておかなくちゃ。

 つか・・・『絶壁の壁』の上まで行くエレベーター造りなんて・・・あれ?・・・無謀だったかな?

 ・・・

 ・・

 ・

 いや!

 私なら出来る!

 きっと出来る!


「シズネさん!再生薬をください!」

「良いけど、なんに使うの?」

「あたしが活躍する様に書く言質を取るまで作者を黒焦げにするっす!」

「そんな事したら・・・行っちゃった」

「かあさま?そんな事したら?」

「うん、間違いなく仕返しされるね」

「スカージュ平気?」

「どうだろう?今より扱いが酷くなったりして?」

「スカージュ・・・ナムナム~」


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