表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 1章 プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/528

あーれーおよしになってぇ剥かないでぇ〔後編〕

 うーむ。

 私の個人的な意見としては、皮を1枚1枚ひん剥かれてる気分なのよね。

 そりゃね、魔王を圧倒しちゃった人のステータスとかスキルがどうなってるか気になるのは分かるけどさ。

 あんまりバケモノみたいな言い方をしないで欲しいな。

 だってさ。

 散歩したいって目標のために頑張っただけなんだよ?

 そうなりたかった訳じゃないんだよ。

 そこんとこを分かって欲しいんだけど・・・無理な望みなのかなぁ。


 次に剥かれる皮は一番誰にも知られたくない皮なんだけど・・・

 これだって、散歩のためにゲットしたかっただけなんだよね。

 ノスフラト君に話を聞くまでは、そんな凄いスキルだなんて知らなかったし。

 ・・・

 ・・

 ・

 うん。

 これに関しては意地ではぐらかそう。

 いつかバレるだろうけど、今じゃない方が良いと思うの。


 何のスキルかって?

 もちろん【穿つ】よ【穿つ】!

 全部の魔族の頂点に立ったっていう人が使ってたっていうスキル。

 バレても良い方向に転ぶかも知れないけど。

 悪い方に転ぶ可能性が高いから秘密の方が良いのよ。

 さて、どうするか・・・

 最終的には、はぐらかすけど私って結構抜け作ちゃんだから先ずは黙秘ね。


 はっ!

 もっと良いのがあるよ!

 ハムスターになりきろう!

 漫画とかアニメで良く有るじゃない。

 喋る動物が都合悪くなると私は動物ですよ的なアピールするっていうキングスロード・・・王道があるじゃない!

 ふっふっふ・・・

 それでいってみよう。



「またまたところでさー、【穴掘り】カンストすると体力が上がるってどういう事なのー?」


 私はハムスター。

 私はハムスター。

 ミラクルナッツ美味しいなぁ。


「あたしも意味が分からねぇぞ。そもそも、【穴掘り】をカンストすると何のスキルを覚えるんだ?」

「何を覚えるかは分からんのである」


 ふぇ?

 マテリアル装着してみれば見れるでしょ。

 まさか・・・

 私の口から白状させようって策略?

 ・・・

 ・・

 ・

 考え過ぎかな?


「分からんのであるが、恐らくは今ここに盛っている土を掘りに行った時にカンストしたのだと思うのである。いつもなら我輩の肩に乗って周りを観察してはしゃいでるシズネ殿が、その日に限って『ノスフラト君お願い、私を部屋まで運んで』と言って寝てしまったのである」

「・・・ノスフラト君、シズネちゃんの口調の真似上手だねー」

「あぁ・・・そっくりだ。だが!その声でやられると少し気色悪いぞ」


 声まで似せれたら、きっとドン引きだって。

 それに私は特徴ある喋り方じゃないと思うから誰にでも真似出来ると思うんだけど。


「ほっとくのである。吾輩はシズネ殿の事だから何かを試して体力が尽きたのではないかと予測したのである、翌朝には元気に『おはよー部屋に籠ってばっかりじゃなくて、お日様に当たるんだよー』と挨拶したので予測が当たった思ったのである。しかし、書庫予定地に行ってものの数分で静かになって存在感が消えてたので、不思議に思い様子を見に行くとシズネ殿は寝ていたのである」


 あれまー

 見られてたのかー

 ノスフラト君って意外と抜け目ないのかな?

 それと・・・

 存在感ってなに?


「さすがの吾輩も心配になったのであるが、前日よりも作業が進んでいたのである、しかも数分で出来るとは思えぬ程にである。なので、やはり何かを試していると判断したのである」


 本ばっかり読んでると思ったら・・・作業の進み具合を見てたのね。

 抜け目ないなー

 元魔王を侮ってたかもなー


「吾輩の判断は間違っていなかったのは次の日から確定したのである。シズネ殿が寝てしまうまでの時間が徐々に長くなっていったのである」

「それでノスフラトは試していたのがカンストで得たスキルだと思ったのか?」

「である。シズネ殿は新しくスキルを獲得すると、何が出来るか、どんな物かをとことん可能性を試すのである」

「まぁ普通はシズネちゃんに限らず試すと思うけどねー。で、シズネちゃん?カンストしたのー?」


 私はハムスター

 私はハムスター

 今はおねむなのー


「ハムスターなのに狸寝入りー?・・・いたずらしちゃおうかしらー?」


 なっ!

 いや、ここは我慢我慢。

 ミランダさんの言葉に乗せられるな。


「乗って来ないわねー・・・んじゃやっちゃおー」


 その手があったか!

 うひゃひゃひゃひゃ。

 くすぐったいー

 や、やめやめ、やめてー

 って、うお!

 おぅおぅおぅおぅおぅおぅ。


「くらぁー握るなー!」

「ふっふっふー 私の勝ちねー。で、どうなのー?」

「ふぇ?何の事?」


 はぐらかすんだシズネ!

 あんたなら出来る、はぐらかすんだ。


「【穴掘り】カンストしたのー?」

「どーだったかなー?ここんとこミランダさんの仕事場造りで忙しかったから覚えてないんだよね」

「またそんなことー・・・えっ!私の仕事場ってなに?」

「ミランダさんはずっと木造家屋で作業してたでしょ?だから、外に仕事場を作ろうと思って盛り土して土台を造ってたの」


 ふっふっふ。

 上手く話が逸れそうだよ。

 私って凄い?


「おーい、話が逸れてるぞ」


 くっ!

 アイシャさん・・・侮りがたし!


「そだったー!でも仕事場ー、ありがとねー。で・・・したのねカンストー」


 笑顔の威圧。

 ミランダさんの十八番なのかもなー


「はい・・・しました」

「そう、なんのスキルだったのー?」

「それは身の安全のために言えません」


 そう、バレたらとてもメンドクサイ事になるのに気が付いたのだよ!

 見た事も聞いた事も無いステータス数値の上、【穿つ】なんて言う物騒なスキルを持っている・・・まるっきり実感が無いから気のせいと思いたいけど、最強ってやつに近付いてないかい?

 私からしたら、最強なんてのはメンドクサイだけだから、そんな称号は熨し付けて返却したいだけなんだけどな・・・だって怖いとか痛い事が待ってそう気がするんだもん。


 それにさ、このセットの最強って魔族からしたら脅威なんじゃないの?

 下手したら魔族を挙げて抹殺する対象になるかも知れないんじゃない?・・・ホント、楽しくないしメンドクサイ!


 メンドクサ過ぎるから絶対にバラす訳にはいかないんだよ。

 だから、早々に聞き出そうとするのは諦めてくれないかなぁ?


「どうしてもー?」

「どうしても・・・それに、マテリアルを装着すれば熟練度がいくつになれば何を覚えるって分かるでしょ?【穴掘り】装着すれば私が言いたくない理由は分かるよ」

「なんだって?シズネは熟練度いくつで何がとか分かるのか?」

「分かるよ?覚えるスキルが何なのか、そのスキルが熟練度いくつで何を覚えるか、ずっと先まで分かるよ」

「・・・シズネちゃん、これ【物質操作】のマテリアル、これってどんな感じなのかなー?装着してみてくれるー」


 ・・・もしかして。

 私またやっちゃった?

 分からないのが普通だったの?

 いや、ま、そうか。

 分かったら【穿つ】がどのスキルで獲得できるか直ぐに分かるもんな。

 くぁー・・・やっちまったー


 この人達・・・頼み込んだら秘密にしといてくれるかな?

 もし無理そうなら・・・

 逃げよう。

 仲良くなれそうだったけど・・・

 逃げよう。


 【物質操作】が、どんなだか教えて反応みて決めよう。



【物質操作】

 物質の形状を変化させる。(自身以外の有機物は変化不能)


 熟練度

 100【変化速度UP25%(重複する)】 未獲得 

 200【軟化】 未獲得

 300【質量増大】 未獲得

 400【変化速度UP25%(重複する)】 未獲得

 500【硬化】 未獲得

 600【質量減少】 未獲得

 700【変化速度UP25%(重複する)】 未獲得

 800【復元】 未獲得

 900【変化速度UP25%(重複する)】 未獲得

 999【万物変化】 未獲得


 ほぇー

 これも極めたら凄そうだね。

 最後の【万物変化】って何でもって事でしょ?

 水とか空気もって事なのかな?

 さすがにそれは無いかな?

 でも凄そうだね。


「100毎に、なのか・・・どのスキルもそうなのか?」

「そんな事ないよ、【振動感知】は250毎だし【横掘り】【縦掘り】は500毎だからね【うが・・・なんでもない」

「うが?・・・ふむ・・・」


 げっ!

 ノスフラト君・・・もしかして気付いた?

 そうだよなー

 ノスフラト君ならそれで気付きそうだよなー

 【穿つ】跡も見てるんだし気付くよなー


 じぃぃぃっと私を見てるけど、何でだろう?

 私、利用されちゃうとか無いよね?

 ノスフラト君は、そんな事しないよね。

 マジで逃げたくなって来たよ・・・


「分かった!シズネちゃん!何も言わなくていいー、このまま追及したらーどっかに行っちゃいそうだからー何も言わなくて良いよー」


 ミランダさんってマジで私の考えてる事が分かるのかも。


「だな、あたしも久々に見つけた面白れぇ奴にどっかに行かれたら詰まらねぇしな」

「ふむ・・・シズネ殿・・・ちょっと」


 何だろう?


「そのスキルは人前ではあまり使わぬ様に、利用する輩が現れても不思議ではないのである」


 うぅ・・・

 ごめんなさい!

 ちょっとでもノスフラト君の事を疑ってごめんなさい!

 そんで、皆良い人だよー

 私、恵まれてるよー


 


1章 プロローグ 完です。


次話から


2章 下準備 が始まります。

2章からは対人の遣り取りがメインになって行きます。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ