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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 1章 プロローグ

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最強の護衛?元魔王に警護されて部屋造り〔後編〕

 ノスフラト君の部屋を造り始めて3日目に入りました。

 最初は2日で出来るって豪語したんだけど・・・

 見通しが甘かったぁ。


 砕く順番を間違えちゃってね。

 下から砕いていっちゃったんだよ。

 それの何がダメって?

 ハムスターに合わせた高さにするなら下からでも問題なんて何もないんだけどね。

 ノスフラト君は人だからさ。

 天井が高いんだよね。

 だから下から砕くと上の方が砕けなくなっちゃうの。


 広さはこんなもんかな?

 って砕き終わってから気が付いたんだけど・・・

 すでに遅かったのよ。

【収納自在】を覚えたから、全部を砕くんじゃなくてブロックにして砕いて行けば効率が良いと思ったからね。

 平らに砕かなかったの。

 だから天井は凹凸が凄かったんだよね。

 とてもじゃないけど登れる状態じゃなかったの。


 だから外に出した石をノスフラト君に戻してもらって、それで足場を作って上に向かって砕くのを始めたの。

 部屋を少しだけ大きくするって手も有ったんだけど。

 まず最初の計画通りにやりたかったのよね。

 変にこだわっちゃったって所ね。


 でもね、ノスフラト君の了解も取ったから豪語した日程より掛かっても大丈夫なんだぁ。

 つかね。

『我輩が予想していたよりも断然早いのである。シズネ殿の満足いく様に造るのである』

 なぁんて事を言ってくれたからさ、今出来る限りのこだわりを持って造るわよっ!



〈更に2日が過ぎて・・・〉



 うん!

 大まかには、こんなもんかな?

 後は表面を平らに出来たら最高なんだけど・・・


 さすがに【破砕】じゃ無理なんだよね。

 【破砕】の次に覚えるスキル【整形】がそれっぽいんだけど・・・


 熟練度目的で無暗に掘りまくるのは、お馬鹿さんみたいだしなぁ。

 んー

 ・・・

 ・・

 ・

 あっ!そうだ!

 急ぐ必要は無いんだけど走るのだー


「ゼェゼェ、ノスフラト君っ!ゼェゼェ」

「ん?何であるか?」

「ここに有る砂利だけで、ここまで来るのって簡単?」

「いや、中々に難しいのである、ザラザラと崩れてしまうのである」


 やっぱり、私からしたら大きいのも有るんだけど、人間からしたら小さ過ぎるか。

 よっし穴を掘る理由が出来たら。

 1週間振り位に掘りまくってやるぅ。


「ノスフラト君、読書してる所を悪いんだけど手伝って欲しいの」

「何をするのであるか?」

「土を掘りに行くのよ」

「ふむ・・・何に使うのであるか?」

「その土を砂利と混ぜて階段を造るの。とりあえずの物だからそれで良いと思うんだ。それと、この辺りの土を使いたくないの、家の近くに雨が降ると必ず水溜まりが出来る所なんてイヤだからさ」

「ふむ、了解である。我輩もそれはイヤである、池と言うならまだしも水溜まりではな、しかしシズネ殿1人でも土を掘りに行くのは出来ると思うのであるが?」

「無理っ!絶対無理っ!ノスフラト君の近くから離れたら私は狩られる・・・ちょっと森の中に行くと色んなのがこっちを見てるのが分かるもん」


 そうなの・・・ノスフラト君を中心に円を描いて、たくさんの生き物がウロウロしてるのが【振動感知】でしっかり分かるのよ。

 ここで単独行動なんてするのは自殺行為ってものなの。


「我輩は感知系も無いので分からないのであるが・・・そんなに居るのであるか?」

「多過ぎて正確な数が分からない位にね・・・」


 内心ずっとビビってるんだから。

 気紛れにノスフラト君が散歩にでも行かれたら私は無防備・・・

 怖いったらありゃしないのよ。


 まぁ、中に入る出入り口はまだ最初に開けたサイズだから、中に籠もってれば大丈夫だと思うけど・・・

 何が有るか分からないしね。

 用心に越した事はないのよ。

 ・・・

 ・・

 ・

 ずぉりゃぁぁぁぁ!


 はっ!あら、見てたのね。

 乙女らしからぬ所を覗き見なんて趣味が悪いよ?


 なにっ!見たくて見たんじゃないだって?

 なら見てない振りして立ち去れぇい。

 こちとら土を集めるのに忙しいんじゃ。

 遊んでる場合と違うんじゃ。


 今日中に【整形】を覚えて、明日にはノスフラト君を野宿から解放するんじゃからのぉ。

 ・・・

 ・・

 ・

 はっ!い、今何かに取り憑かれた?

 うん、今のは私じゃないからね?ガラの悪い何かだからね。

 そこんとこ間違えないでね?だって私は乙女だもん。


 と、まぁ。

 冗談は神棚のやしろの中に隠しておくとして。

 ガッツリ掘ってます、地面の表面を削る様に掘ってます。

 自分でもビックリしています。

 だって・・・

 【破砕】を覚える前の3~4倍早く掘れてるんだもん。

 下手したら、その道うん十年の土方のおっちゃんより早いかも知れない。


 私はこの世界で土方のプロを目指せって事なのかな?

 ニッカボッカ履いて捻り鉢巻して、仕事終わりにスルメをあてに立ち飲み屋でコップ酒を飲んで・・・興味は有るけど、ヤダな。

 何度も言うけど・・・乙女ですからっ!


 私の今後は成り行き任せで良いの。

 イヤだったら命懸けで拒否するしね。

 えぇー?

 イヤな事を嫌々やる位ならニートかヒッキー、極端な事を言っちゃえば死んだ方がマシじゃない?


 まぁ、これを友達に言ったらさ。

『坊やだからさ』

 だって。

 私、前髪をクルクルする癖なんてないもーん。

 シスコンでもないもーん。


 あははははは。

 分かってるわよ、人生やりたい事だけをやれないのはね。

 それでもさ、どうしてもイヤな事、妥協できない事って、有るでしょ?

 私はそれを力尽きても全力で拒否するの!

 その結果、野垂れ死んだら指差して笑っていいよ。

 とまぁどうでも良い事を考えながら掘ってたら・・・

 【整形】獲得しましたぁ!

 土もノスフラト君の部屋が満タンになる位に集まったから、これにて穴掘り終了。


 後は運ぶだけだね。

 ん?メッチャ多いと思うんだけど何往復する気がって?

 1回で済むよ?何たって【無限収納】を獲得してますまからぁ♪

 いつのまにって。

 どんだけの岩を砕いて【頬袋】で出し入れしたと思ってるの?

 象1匹分は軽く有るからね。そんだけやってれば熟練度も上がるって。


 でもね、900から999まで、それまで以上に時間掛かったんだよね。

 体感だと・・・800から900までの10倍位。

 もしかしたらさ、900からは熟練度の溜まりがシビアになるのかも。

 穴掘りする機会が減ったから【穿つ】の獲得が遠退いてしまったなぁ。

 何か対策を考えないといけないね。




 うーん・・・

 【無限収納】便利なんだけど便利じゃないかもしれない。

 これ、最後に入れた物から順番にしか出せないみたいだよ。


 って事はさ、出したい物が随分前に入れた物だと、その後に入れた物を全部出さなきゃ出せないって事なのよね。

 今、土を入れたまま砂利を収納して土を出そうとして気が付いたのよ。


 うーん・・・

 このままだと微妙なスキルになっちゃうなぁ。

 そうかっ!

 これも熟練度有るのかも。


【無限収納】


際限なく物質を異空間に収納出来る。(生物などの意思のある物は不可)


 熟練度

 100【目録化】 未獲得

 500【マテリアル装着(無制限)】 未獲得

 999【範囲収納(5メートル)】 未獲得



 あったあった。

 熟練度100でリストが作れる様になんのか。

 100ならきっと直ぐだと思うから、書庫造り頑張ろう。


 さてぇ、それじゃ、階段造りの再開だっ!

 えっ?なに?

 ・・・

 ・・

 ・

 華麗に優美にスルーしようとしたんだけど・・・

 他の2つはスルーしちゃダメ?

 ・・・ダメかぁ。


 だってさ、普通におかしくない?

 ハムスターの手持ちスキルを極めて行けば豪華なスキルがゲット出来ますよ。って。

 ハムスターだよハムスター!

 最小最弱から数えた方が早い存在だよ?


 ・・・やっぱりおかしいって。

 【マテリアル装着(無制限)】?

 これさえあれば君もスキルマスターだっ!ってか?

 アホかーっ!そんなにいっぱいスキルが有っても使いこなせんわっ!


 【範囲収納(5メートル)】?

 これは・・・範囲は狭いけど。

 どっかのスライムさんのスキルにそっくりなんですけど?

 それとさぁ。

 これ・・・自分の周りに有る物を動植物以外は全部収納出来るって事でしょ?

 土とか水とか誰かが着ている物とか、もしかして空気も?

 ・・・なんか大惨事になる予感しかしないわ。


 ほらぁ・・・スルーした方が良かったと思うんだけど?

 もぅ。

 大人しく階段を造ってようっと。

 考えるのはゲットしてからだよー

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