最強の護衛?元魔王に警護されて部屋造り〔中編〕
さってと。
いつまでも呆れてる場合じゃないし。
とっとと部屋造りに着手せねばならぬのである。
ぷぷっ。
ノスフラト君の真似してみたー
ノスフラト君って口調に癖が有りすぎて真似するの簡単なんだもん。
っと、遊んでる場合じゃなかったんだ。
んー・・・
ミランダさんの家、結構な高床だったのよね。
大人が背中を曲げないで歩ける位の高さはあったのよ。
何かしらの理由が有るで良いと思うのよ。
「ノスフラト君、ミランダさんの家って地面から床までが随分離れていたでしょ、あれって何か理由が有るのかな?」
「であったな・・・ふむ、我輩はこの辺りの事は詳しくはないのであるが、何かしら有ると考えるのが妥当である」
「だよね、なら部屋の入口も最低あれくらいの高さが良いよね?」
最低あれくらいだから・・・
もっと安全策をとるなら、もっと高い方が良いのかな?
あんまり出入り口を高くすると入れなく・・・は、ならないと思う。
中をほじくるから段差は気にならない位に砂利が出来るから・・・
うん。
もっと高い位置に入口を造ろう。
「ノスフラト君、私を手に持って上に手を伸ばしてくれる?」
「うむ」
うひぃぃぃ。
た、高いぃぃぃ。
怖えぇぇぇ。
いや、だから、落ちないって!
前も言ったけど、痛いのは私だっ!
脳内の落ちろコールは無視して【破砕】!
おぉっ!思ってたより広い範囲で砕けるな。
もう1回砕けば足場には十分すぎる範囲を確保できそうね。
【破砕】
うん、オッケーだね。
「ノスフラト君ありがとう。入口はこの高さにするね」
「ふむ・・・我輩はよじ登るのであるか?」
「あははは、そんな訳ないじゃない。部屋を造る時に出来る砂利で登れる様にするから安心して」
「ほう、得心いったのである」
「んじゃ早速始めるね。あっそうだ、ノスフラト君は天井の高さはどれ位が良いのかな?ミランダさんの家位で良いの?」
「ふむ・・・部屋の高さ広さはあれ位で良いのである。だが、書庫の高さは少し高い方が良いである。広さは部屋の6倍程は欲しいのである」
「へっ?6倍?」
「うむ、なにせ本は10万冊程有りサイズも一定でないのである」
10万冊!・・・ちょっとした図書館並みに持ってるんかいっ!
つか、10万冊が6倍で収まるのかな?
・・・
・・
・
いつでも拡張出来る様にしとくのが良さそうだね。
「分かったわ。とりあえず6倍で造ってみるね」
「頼むのである」
まずは・・・私の寝床を造らないとね。
なに?えぇーイヤよ。
外で寝起きするなんて。
自殺志願してるのと変わらないでしょう。
それに、ミランダさんに貰った薬とご飯の置き場所も必要だしね。
そう、治療は上手くいったの痕は遺らなかったのよ。
でもね、まだ毛が生え揃ってないからハゲてるのよ。
だから貰ったのミランダ特製『毛根活性薬』
これがまたね。
効いて来るとムズムズするっていう、ちょっと困った所は有るんだけど確実に効果が現れてる証だから我慢一択なのよねー
ムズムズするとクネクネダンスしちゃうから恥ずかしいのよね。
部屋を造ればクネクネダンスも見られないで済むし。
一石二鳥ならぬ一室三徳よ。
ね、だから仮自室から造るのよ。
って訳で【破砕】範囲を絞って・・・
うぉりゃっ!
ほほぉ。
絞ると少し奥まで粉々になるのね。
なら、他のスキルと併用ってのは出来るのかな?
【縦掘り】との併用を試しに。
おおぉっ!
併用いったぁっ!
絞った時より広範囲で粉々になったよ。
やっぱり私って天才?
スキルの併用を思い付くなんて、天才の証拠よね?
なに?
調子に乗ってると、また痛い目にあうぞ?
ちょ、調子には乗ってないよ。
うん、乗ってないよ。
テンションアップのために自画自賛しただけたから。
ほら、ハムスターにしたら大事業じゃない。
だから、高いテンションを保ってガンガンいくのよ。
期待して待ってる人も居るんだしさ。
そう、ガンガンいくのよっ!
〈1日経過致しました〉
はぁい。
質素でメッチャ狭い部屋を造った後に早速通路造りから始めたシズネでっす。
何で通路かって?
なんかね、部屋の扉が外に直結してるってのがイヤだったの。
ほら、ここは外を私の天敵が闊歩してるでしょう。
別で玄関を作ったら鉢合わせなんてのを少しは避けれるんじゃないかな?って思ったんだよね。
ノスフラト君の部屋に直結させて読書の邪魔をしても悪いから通路・・・廊下みたいなのを造る事にしたんだ。
廊下造りは思わぬ利点があったよ。
実はね【破砕】範囲をコントロールするのが意外と難しくてさ細かい所が大雑把になってたんだけど、廊下造りでコントロールもほぼ完璧に出来るようになったんだ。
だから、これからノスフラト君の部屋に着手する所なの。
ミランダさんの部屋は大体8畳位だったから2日もあれば大まかに掘れると思う。
8畳の広さの岩を刳り貫くのに、たった2日で?って思った彼方!
スキルアップしたのだよ。
【横掘り】【縦掘り】【破砕】の熟練度が、あれよあれよとサクサク上がったのだよ。
しかもっ!3っつのスキルを併用出来る事が分かってね。
やたらと早く掘れるのだよ。
まぁ・・・その分スッゴイ疲れるんだけどね。
疲れるけど、熟練度は3つ共500オーバーしたんだよね。
今はこんな感じかな。
【穴掘り】
穴を掘る。
熟練度
100【力UP5%(重複する)】 獲得済
200【横掘り】 獲得済
300【スタミナUP5%(重複する)】 獲得済
400【縦掘り】 獲得済
500【スタミナUP5%(重複する)】 獲得済
600【振動感知】 獲得済
700【破砕】 獲得済
800【整形】 未獲得
900【力UP5%(重複する)】 未獲得
999【穿つ】 未獲得
【横掘り】
横長に掘る。
熟練度
500【効果UP体長×3(重複する)】 獲得済
999【効果UP体長×3(重複する)】 未獲得
縦掘りは【横掘り】と同じ感じなんだ、横が縦に替わるだけなの。
【破砕】
硬質の物質を砕く。
熟練度
100【力UP5%(重複する)】 獲得済
333【威力UP25%(重複する)】 獲得済
666【スタミナUP5%(重複する)】 未獲得
999【威力UP25%(重複する)】 未獲得
すごいっしょ?
もう熟練度が半分越してるんだよ。
カンストは確実ってとこよね。
でもね。
【穴掘り】の熟練度は上がって無いみたいなんだ。
よくよく考えたらさ、岩を砕いてるだけで穴を掘ってるわけじゃないから当たり前だよね。
溜まってたら【穿つ】を覚えてたろうから、ちょっとだけ残念だなー
【穴掘り】は上がらなかったけどね、【頬袋】は上がったのよ。
砕いた石を【頬袋】に入れて外に出してたらメッチャサクサク上がって行ったんだ。
マジで笑いが止まらない位にね。
【頬袋】
口の中にある収納袋、意識する事で出し入れ可能、収納量は自身の体積と同じ。
熟練度
100【収納量UP30%(重複する)】 獲得済
200【内部マテリアル装備】 獲得済
300【収納自在】 獲得済
400【収納量UP30%(重複する)】 獲得済
500【内部マテリアル装備】 獲得済
600【内部時間経過無効】 獲得済
700【収納量UP30%(重複する)】 獲得済
800【内部マテリアル装備】 未獲得
900【収納量UP30%(重複する)】 未獲得
999【無限収納】 未獲得
こんな感じなの。
【収納自在】がね凄い便利なのよ。
これが無かった時はね口に入るサイズしか収納出来なかったんだけど、【収納自在】のおかげで口に入らないサイズでも収納出来る様になったの。
だから今は自分の倍くらいの大きさの物なら収納出来るのよ。
だって90%UPでしてるもん。
え?
重複ってのはプラスすんじゃないだろう?
・・・そうなの?
んじゃ・・・
3割増しの数値が3割増しになるって事?
そうなら・・・どうなるんだ?
えっと・・・
・・・
・・
・
むきゃー!
細かい計算は苦手よ!暗算なんて無理!
いいのっ!【無限収納】を覚えたら細かい計算しなくて済むもん。
このままのペースで行けば、結構早く覚えれると思うしね。
さってとー!行きますよ!
依頼の完遂とスキル獲得の為に砕いて砕いて砕きまくってやるんだからね。




