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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 1章 プロローグ

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伝説のふぁーましすと?ふぁーましすとってなに?〔後編〕

 うふふふ。

 友達。

 と・も・だ・ち。

 うわ~い、ボッチとおさらばだー 

 嬉しいっすよ!マジで!


 だってだって。

 こんな異世界の人外秘境みたいな所で元魔王とは言えノスフラト君とミランダさんみたいな人と出会えた事自体が奇跡みたいなものの上、ハムスターが喋っても気味悪がられないで友達になってくれたんだよ。

 もう奇跡みたいなもんでしょう?

 これが嬉しくなくて何だっていうのよ。

 異世界が・・・異世界が私に初めて優しかった・・・泣けてくる~


「こっ・・・ち・・・って?なんだろー?・・・まぁ治療したら教えてねー」


 そだった!

 治療してもらうんだった、嬉しくてすっかり忘れてた。


「うん、治ったら話すね。治らなかったら・・・ふっふっふ」

「も、もしかしてシズネちゃんって性格悪いー?」

「あはははは、冗談だよ?・・・それにしても、これでドクンドクンともオサラバ出来るんだね」

「やっぱりまだ痛むんだー、そうだよねー、結構深い傷だしねー」

「痛くないよ?ドクンドクンってそこに心臓が有るみたいな感じがするだけだよ?」

「うんー、痛みってねー度を越すと大きく脈打つ感じになるんだよー。それが痛いって思えない人も居るのよねー、シズネちゃんもそっちタイプみたいだねー」

「ほふぇー、これって痛いって事だったんだ、ビックリだね」


 いやいや、真面目にビックリだよ。

 度を越すと鈍くなる感じなのかな?

 なになにのはずなのに、なになにじゃないってのは危険信号って事なのかな?

 ・・・恐いね・・・・

 それにしても。


「ミランダさんってお医者さんみたいだね、ふぁーましすとってお医者さんの事なの?」

「あははは、お医者さんじゃないのよー、ファーマシストってのは薬の研究・開発・製造をする職業の人を呼ぶんだよー」

「ほふぇー、薬のエキスパートなんだぁ、それも凄いよー」

「ふふふ、面と向かって褒められるとこそばゆいわねー」


 だってホントに凄いと思うもん。

 人の役に立つ者が作れて美人でスタイルも良くて・・・完璧じゃない?

 うん、ホントに凄いよね。

 私なんて穴を掘るしか能が無いんだよ。

 私と比べたら月とスッポン、珠と瓦よ。

 すっごい人と友達になっちゃった。


「うーん・・・やっぱり深い傷ねー、傷を塞ぐ薬だけじゃ追い付かないかも知れないなー。ここは再生薬を使っとくのがベストねー」


 えっ?再生薬?そんな酷かったの?

 良く生き残れたなって位なの?


「もしかして、死んじゃってたかも知れなかったのかな?」

「んー、どうだろー?医者じゃないからハッキリした事は言えないけどー、傷が再生するのが早い感じがするのよねー。だから死にはしなかったと思うよー」

「じゃ、何で再生薬なの?」

「これ痕が遺るよー?ここだけハゲちゃうよー?イヤでしょー?」

「うん、イヤ。無くせるなら無くしたい。14の身空でハゲ有り何てのはイヤ」


 私もね痕が遺ってハゲちゃうのは仕方ないから受け入れる。

 受け入れるしかないでしょ?

 でもね、治るなら治したいよね?

 それが普通だよね?

 イタイ人じゃ無いんだから傷痕なんて欲しく無いのが普通だよね?しかもお尻に傷跡だよ?イヤだよね?

 でも・・・再生薬か。

 そんなのが有るなんて異世界って感じが更に増したね。

 はっ!


「あ、あの・・・再生薬って高いんじゃないの?私、お金持ってないよ?」

「うんー、今は市場に出したらー金貨3枚位なのかなー?かなり高いねー」


 ま、まさかっ!

 金貨3枚分の恩を着せて私を好き放題にしようって腹積もりじゃ・・・


「でもねーここなら材料は簡単に手に入るから気にしないで良いよー」


 私って・・・実はホントに性格が凄い悪いのかな?

 好意とか善意に裏が有るんじゃないかって疑っちゃうんだもん。

 性格が悪いんじゃないにしても、どっかなんかが悪いんだろうなぁ。

 ふぅ・・・自己嫌悪だね。


「どうしたのー?溜め息なんて吐いちゃってー」

「うん、高い薬を使うって何か打算が有るのかなって考えちゃってたの・・・良くしてもらったのにゴメンナサイ」

「えっ!?そ、そんなふうに思ってたのー・・・」


 なんか泣きそうな顔に・・・


「あっあの、ホントにゴメンナサイ」

「なーんてねー」


 なっ!?だまされたっ!


「あははは、疑っちゃうのは当然だと思うよー。私は材料が直ぐ手に入るしー、お金儲けしようって気も無いからー平気で使っちゃうけどー、他の人なら打算が有ると思うよー、だから間違ってないよー」


 そ、そうなの?

 でも、なりたてとは言え友達を疑ったんだよ?

 良くないよね?


「それにしてもー、シズネちゃんは正直者ねー、普通なら思っても隠しちゃうんじゃないー?それを素直に謝れるってー中々出来ないと思うよー」

「お父さんがね『礼と謝罪の出来ない奴は最低だっ』ってよく言ってたから・・・私もそう思うし」

「そうなんだー、良いお父さんねー、私のお父さんは最低だったって事だねー。礼も言わなきゃ謝罪もしない・・・口にする言葉は馬鹿にする言葉だけだったもんなー。シズネちゃんが羨ましいよー・・・っと、はいー、これで治療は完了だよー」

「ありがとうっ!・・・今度はなんかムズムズする。くすぐったいぃ、掻いちゃダメだよね?」

「もちろんー!3分位我慢すれば治まるからねー」


 ぬおぉぉっ!

 お尻が痒い・・・痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い。

 3分が永遠の(ときに感じる位に痒いよぉ。


「ところでシズネちゃん?」

「な、なぁにぃぃいぃ?」


 いやぁ。

 お尻をクネクネモジモジと変なダンスを踊ってる私って傍目にはきっと笑えるだろうなぁ。


「こっちってどう言う意味だろー?」

「あぁそれは・・・ねっ。もとも・・・とはっ私は人間・・・なっ・・・のっ、別のせか・・・いっからここのせ・・・かいに来たみたいなんだどね、その時に人・・・間っじゃなくてハムスターになっちゃったみたいなのよ」


 だいぶ痒みが治まって来た。

 これでハゲないね。

 って、あれ?

 ミランダさんは何を考え込んでいるんだろう?

 もしかして・・・


「聞き取り難かった?・・・痒いの我慢しながらだったから、ゴメンネ」

「違う違う、ちゃんとわかったよー、考えてたのはねー・・・異なる世界、異世界がどんな所なのか気になったのよー」

「こことは全然違うよ。スキルは無いし魔族なんてのも居ないし、再生薬みたいに凄い薬も無いよ」

「へー、他には他にはー?」

「うーん・・・私はこっちの事を全然知らないから比べるのが難しいけど、こっちの世界の方が綺麗かも知れない」

「えっ?」

「あっちはね人間が汚すの、空気も水も土も何もかも全部、楽するために作った物が汚すの、だからね私はここの世界が結構好きだよ」


 あんまり優しくないけどね。

 でも、奇麗って思える自分が居るから好きだな。


「ミランダさん!あのねあのね、私こっちで生きてかなきゃいけないでしょう、だからねこっちの世界の事を教えて欲しいの。良いかな?もちろんノスフラト君もね」


 むー

 ノスフラト君はちょっと目を放すと本を読むんだね。

 心底本が好きなんだね。


「もちろんオッケーよー」

「了解なのである」

「2人共ありがとう」


 2人共良い人だぁ。

 出会ったのがこの2人で良かったよぉ。

 もしここで出会ったのが・・・・

 某有名なRPGの竜の魔王とか、色んなのに出て来るマッドなサイエンティストじゃなくて良かったぁ。

 そんなのと出会ってたら私どうなってたんだろう。


 ・・・・・・ガクガクガクガクガクガク


「シ、シズネちゃんどうしたのー?もしかして薬の副作用が出たのー?ハムスターに使った事無かったけど出ないと思ったんだけどなー」

「え?あ・・・違うよ、ちっと考え事を・・・って副作用の可能性あるんかい!!」

「えーと・・・多分ないと思うんだけどねー、あはははは。それよりもー、知りたい事って今はあるのかなー?」

「ん?うん、私ね今目標が3つ有るの!その内の1つが人型になって服を着るってのなんだけど、私は人型になる事って出来るのかな?」

「うむ、なれるであるぞ。マテリアルを装着してスキルを新たに身に付ければ良いのである」

「そうねー、マテリアルで新スキルゲットしかないでしょうねー」


 おぉ!

 そんな便利なスキルゲット方が有ったのか!

 で、それはハムスターにも装着できるのかな?

 そういえば・・・【頬袋】にマテリアル装着ってのがあったような・・・

 やっぱりだ!あった、合計3個も装着出来るみたい。


「それってどこで手に入れるの?装着は出来るみたいなの」

「うむ、生物や精霊を殺害して体内より取り出すのである、しかしこの方法は非効率なのである。マテリアルを持たない者の方が圧倒的に多いからである」

「そうねー、街で売ってるのを買うのが確実ねー、でもー・・・値段がスキルによってピンキリだからー、ちゃんと調べてからの方がいいわねー」


 なるほど、買うのが手っ取り早いのね。

 どのマテリアルを装着すれば良いのか?

 と

 それがいくらなのか?

 って事ね。


「2人は何のマテリアルが良いかって分かる?」

「んー・・・【変身】のマテリアルは犯罪に用いられるから売買が禁止されてるしー・・・」

「うむ、吾輩も心当たりが無いのである」


 マジっすか!

 分からないっすか?

 いきなり座礁したよ、まいったなこりゃ。

 をっ!そうだ。


「ノスフラト君、部屋と書庫の報酬なんだけど、どのマテリアルが良いのか調べるってのはどう?」

「ふむ・・・吾輩の知識の探求心をくすぐる報酬であるな!よかろう、それで手を打つのである」

「ホント?ありがとう!私頑張っちゃうからね」

「私もねー調べてみるよー、何か分かったら知らせに行くからねー」

「うん、ありがとう」


 ほんに。

 ほんに良い人達だ。




シズネちゃんの体験談は、私の体験談です。


手の指先の神経と動脈をブッタ切った時は、痛みなんぞ治るまで自覚しなかったなぁ。


体験談この先もちょこちょこ出て来ます。

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