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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 4章 着地点

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変身と変心〔中編〕

 寄宿舎に召使い付けて入舎させるって・・・ファンタジーとかラブコメの漫画・ラノベでしか見た事ねーよ!

 この世界じゃリアルに存在するのか、ある意味凄いな。


 んっ?

 ユグスちゃんがなんか固まってる?

 どうしたんだろう?


「ヴラド?今、了諾すると言いましたか?」

「そうだ」

「・・・妾は貴男と鳥魔王のどちらが最後までゴネるのだろうか?と思っていました。その貴男が一番最初に了諾ですか・・・貴男、変わりましたね。何か有ったのですか?」

「有ったと言えば有ったが、考える時間が大量に有ったのが要因だ」

「?・・・シズネ、スカージュ、シュヴァツ・・・人間界・・・時間・・・そういう事ですか。貴男の伸びきった鼻を折るには丁度良かったのかも知れませんね」


 さすがは学園長!・・・なのかな?

 面子と人間界で概ね理解したみたいだよ。

 

「それで、シズネが殺害した何人目になるのですか」

「うぉい!私がいつ誰を殺害したって言うんだ!」

「冗談です」


 ・・・その口調で言われると冗談に聞こえないんですが?

 素のユグスちゃんなら声に感情が宿るから分かるだろうけど、その妾キャラだと無表情無感情過ぎて分かる人は存在しない!

 断言しちゃう。


「しかしユグス。ここまでの改革をいきなり始めるのは何故だ?」

「理由は1つです。シズネが入学すると言って聞かないからです」


 えっ!私のせいなの?

 学校の雰囲気を改善する方法を探してるって言っていたから色々と提案したんだけど。

 

 ・・・あれ?

 なんか違和感が・・・思い出したっ!

 入学を拒否られたから色々と提案したんだった。

 うん、こりゃ私のせいだね。


「今のままでは死屍累々となる予想しかできません。対峙した貴男ならお分かりでしょう?この子を制止出来る存在は学内は勿論居ません、魔族界にも数える位にしかいないでしょう」

「モグモグ、フィスレふぁんを怒らせる、ゴクン、方が悪いっす。シズネさんは滅多な事じゃ怒らないっす。サクッ」

「口に物を入れて喋るな。行儀が悪いぞ」

「ふぁい、ふいふぁふぇん」


 ううっ・・・スカージュちゃんがスカージュちゃんが庇ってくれたぁぁぁ!


 それと、スタイルじゃなくて脂肪を取ったんだね・・・ご愁傷様です!


「シズネさんはやられたらやり返すだけっす。自分から手を出したりはしないと思うっす」

「将来プヨプヨのスカージュちゃん、分かってくれててお姉ちゃんは嬉しいよ」

「えへへ・・・ん?・・・将来プヨプヨってなんすか!」


 やっべ!

 怒った。

 からかった後に誉めると、からかったのは忘れるって聞いたんだけどな。

 スカージュちゃんには通じなかったか。

 では退避だ!

 ユグスちゃんが近い、早速胸の間に・・・は無理だから、肩だな。


「あっ!学園長を盾にするとは卑怯なっ!」

「人聞きの悪い事を言うなぁ。私の全身が見えるでしょう?盾になんてしてないよ」

「ぐぬぬぬ、確かに。でも、さすがに胸の間には入れなかったみたいっすね」


 スカージュちゃん、それ地雷なんじゃ?

 そぅっとユグスちゃんの顔色を・・・

 あっ!怒り筋が出てる!

 心なしか涼しくなった感じもするし。

 やばいんじゃね?


「なかなかに失礼な事を言いますね。妾の胸は能力を解放すれば貴女より大きいのですよ」


 能力解放?

 胸が大きくなるの?

 それって変身するって事?

 うぉーっ!

 見たい!見たいぞ!変身したユグスちゃんを見たいぞ!


「あっ・・・ゴメンナサイ・・・でも大きくなるんですか?」

「なりますよ?アイシャ程ではありませんが貴女よりは大きいです」

「ユグスちゃん・・・能力解放して!私見たい!すっごく見たい!ねぇねぇ良いでしょ?」

「ここでですか?」

「うん!今見せてくれたら、お土産を追加しちゃう」

「妾は構いませんが・・・密閉空間での解放はお勧めしませんよ。冷気の逃げ場が有りませんから、かなりの低温になります」

「大丈夫!平気!根性と気合いでなんとかなる!」

「貴女はそうかも知れませんが・・・他の者達が・・・

「根性と気合いを身に付ける修行です!やっちゃって」


 善は急げだ、気が変わらない内に見せてもらわないとね。


「そうですか?ならば・・・」


 さぶっ!

 いきなり寒い!

 ユグスちゃんの全身から冷気が放出されてる?

 あっと言う間に冷蔵庫並みの温度になったよ。

 なったけども、これくらいなら平気だな。


 あっ!

 ユグスちゃんの衣装が変わった。

 青白いスプリングドレスって言うんだったかな?

 そんな感じのに変わったよ。

 でも、サイズが合ってないからブカブカだなぁ・・・おっ!

 身体が大きくなってく。

 おっ、おおっ!

 アイシャさんとスカージュちゃんの間位の身長になった。

 胸も膨らんでる!

 言ってた通りスカージュちゃんより大きいぞ。

 挟まるには十分なサイズです。


「解放した姿はこの様になります」

「ユグスちゃん・・・凄く美人さんだよ♪うんうん、格好良いねっ!」

「その様な評価をされたのは初めてですね。ありがとう」


 あのね、切れ長の細目で薄い唇をしてる美人さんだよ、顎のラインも細くてシュッとしてるの。

 髪とか眉毛は白色に変わっちゃってるんだけど、その白色がルックスにピッタリ合っててね、只の美人でなくて格好良くしてるみたいなの。

 これは魅惚れちゃうよ。


「シ、シシシ、シズネさ、ささささん」

「ふぇ?なーにー?今観察で忙しいんだけど?」

「ささ、寒くくく、ななないんん、で、ででですか?」

「ぜんぜん」


 ユグスちゃんに氷漬けにされた方が寒かったよ。

 全く根性と気合いが足りないんだから。

 仕方ないね。


「シュヴァツ君!スカージュちゃんを優しく抱きしめて」

「「えっ!?」」

「抱きしめたら、キスをする」

「「えっ!?」そ、そんな・・・人前で・・・えっ?」


 うん、簡易ストーブの出来上がりだね。


「皆はスカージュちゃんで暖を取ってて。火力が落ちて来たら実行すれば暖かくなるから」


 あはっ♪

 抱きしめられてキスされてるのを想像してるのかな?

 目がのの字になってグルグル回ってるよ。


「さて、ユグスちゃん!10分位あんまり動かないでもらっても大丈夫?」

「えぇ大丈夫ですが・・・何をするのですか?」

「フィギュアを作るんだよ」

「わ、妾をモデルにですか?」

「そうだよ?こんなに格好良いんだもん、作らなきゃ後悔する!」


 ではでは『拒絶の壁』のインゴットと工作セットを準備して・・・

 次はポーズだな。

 うーん・・・


「ユグスちゃん斜めを向いて、私に近い方の腕を手を開いた状態で前に出してもらえるかな?あっ!顔もこっちに向けてね」

「こうですか?」

「うん♪そうそう、うーん格好良いねー姿勢が良いから美しさもたっぷりだし。最高だねぇ」


 でも、このポーズだと反対の腕に動きがなくて詰まらないな。

 両腕を使いポーズの方が良いね。

 ・・・はっ!

 ふっふっふ・・・悪戯してみようかな?


「次はね、横座りしてくれるかな?そうそうそんな感じ。んで視線だけで私を追い掛けてくれる?・・・うひょー美人さんの流し目の威力は凄いなぁ、女の私も惚れちゃいそうだよ。これで落ちない男は雄じゃないね!」

「ほ、誉めても何も出ないよ・・・恥ずかしいよー」

「チッチッチッ!ホントの事を言ってるだけだよ。ユグスちゃんみたいに可愛いと綺麗を併せ持った人は滅多に居ないって」


 あはっ♪

 凄い照れてるみたい。

 冷気が少し弱くなったもん。


「それじゃ次は肩を出しちゃおうか!・・・おぉっ!ユグスちゃんは肌も綺麗だねぇ、その肌の感じを上手く表現出来るかなぁ?上手く表現するために胸も出しちゃおうか」

「うん・・・って!えっ?・・・シズネ!」

「ん?」

「あたいを裸にしようとしてる?」

「・・・なんの事かな?その肌理きめ細かいスベスベの肌を再現したいからもう少し広い面積を見たかっただけだよ?」

「それが胸を出すと?」

「うん!」

「胸を出した後は全部脱いじゃおうってなるじゃない?」

「えーと・・・」

「シーズーネー!」

「あはっ、あはははは、やだなー冗談だよ、じょ・う・だ・ん♪ユグスちゃんだって私を殺人鬼にしようとしたじゃん、お相子だよ」

「あたいの冗談より質が悪いと思うんだけど?」

「気のせいだよ」

「まったくもぅ。で、もういいの?」

「あっ!あと1個だけ。肩幅で立って両手を前に出して、手は開いてね。うん、そんな感じだけど・・・手首同士をくっつけてもらえるかな。いい感じ♪最後に冷気をスカートが動く位に出して。パンツは見せなくて良いからね」

「見せないよっ!」


 あはははは、すっかり警戒されちゃったよ。

 でも、このポーズなら全体に動きのある物が作れそうだな。

 

 ・・・はっ!

 ゾー〇みたいなポーズだけど・・・まぁいっか。

 ポーズに版権とか無いだろうし、異世界だから誰も知らないだろうしね。


 さって、記憶したセクターポーズはうちに帰ってから作るとして、今はゾー〇ポーズを作っちゃいますか!


 ・・・

 ・・

 ・

 よっし!出来た♪

 なかなか上手くできたよ。

 動きのある衣類に端正なルックスに縮尺なんかもバッチリ出来たと思う。

 けど、何でだろう?

 なんか物足りない。

 ユグスちゃんの魅力を表現できてない感じなんだよ。


「これが妾ですか?」


 能力解放状態を解除したユグスちゃんが、マジマジと見てるよ。

 上手く出来たと思うんだけど・・・気に入ってくれるかな?


「うん、自分でも上手に出来たと思うよ・・・でも・・・」

「不服なのですか?」

「うーん・・・なんかね、ユグスちゃんの魅力を表現しきれてない感じなの。なんて言うのかな・・・ユグスちゃんなんだけど、何かを失ったユグスちゃんみたいな感じ?」

「物足りないと言う事ですか?・・・それはきっと魂の有無ではないでしょうか」

「魂?」

「妾は生きています。生きているから、生の波動と言う物が発せられます。その波動が有ると無いでは印象を変えてしまいます」


 生の波動・・・

 いまいち分からない。

 そもそも魂なんて存在するのかな?


「納得がいってない様ですね。そうですね・・・顕著に表れるのは目です。生き物が死ぬと目から何かが瞬時に失われます。ついさっきまでは目に宿っていた何かが無くなるだけで、魂がここには無いと理解してしまうのです」

「それが魂って事なの?」

「妾の憶測です。正解ではないかも知れませんが」


 魂・・・か。

 何かで読んだな、生きているだけで生物は輝きを放つって。

 それって、ユグスちゃんの説と同じ意味だよね。

 なら・・・


「このフィギュアに魂が宿ればユグスちゃんの魅力を完全に表現できるのかな?」

「分かりません。そこに宿る魂は妾のものでは有りませんから、違った印象を与えるかも知れません」

「そっか・・・ユグスちゃんの魅力はユグスちゃんの魂の魅力でも有るんだね」


 フィギュア・・・人形に魂が宿るってのもオカルトでちょっと怖いしね。

 気味悪がったりしたら魂が拗ねちゃうかも知れないし。

 これはこれで良いって事なんだね。

 

「うん・・・魂が宿っても『拒絶の壁』製の身体じゃ動けなくて詰まらないだろうし、これで良いんだね。じゃあ、あれも完成って事でオッケーなんだね」

「あれ?」

「うん♪アイシャさんの獣化した姿のフィギュアだよ。これがそうだよ」


 ドン!

 と出してみました。


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