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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 4章 着地点

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妖魔王のプライベートエリア〔中編〕

「ユーグースーちゃーん♪あーそーびーまーしょー♪」


 あはははは、ふざけてみました。

 小学生かっ!

 ってツッコミありがとう!


 え?

 ・・・誰もツッコまない?

 なんで!せっかくバカやったんだから適当でいいからツッコんでよ!


 ・・・脳内のいけずぅ!

 メンドクサイといっつもすぐに無視するんだから。


 きっと心の色が暗い色をしてるんだ、だから意地悪な事ばっかり言ったりやったりするんだ。

 そんなんじゃ友達が出来ないぞ!

 ・・・・・

 返事なし・・・

 言い返して来ると思ったんだけどな。

 

 まぁいっか。

 ユグスちゃんお手製の煌びやかな庭でも眺めて落ち着こう。


 この庭ね、すっごいの!

 花が咲き誇ってるの。

 薔薇にそっくりな花なんだけど鬼花って言うんだって。


 薔薇みたいに蔓になってて刺々しいのも同じなの。

 薔薇と決定的に違うのが、花弁にも1枚につき1本は棘が付いてるところだね。


 見た目ゴージャスな上に攻撃力もある花・・・身持ちもガードも固い女って感じだね!

 まるで私みたいだ♪

 ・・・

 ・・

 ・

 はい・・・ゴメンナサイ。

 私はゴージャスじゃありません、ただのハムスターです。

 ハム〇郎と酷似してるかも知れません。

 身持ち・ガードの固さなんてのも必要無いです。

 言い寄ってくる存在すら居ないですから・・・


 くっそぉ、今度は私が目に涙を溜める番だったのか。

 今は悲しくたっていいんだもん!

 きっとどっかに私だけの王子様が居るんだもん!


 ・・・ホ・ン・ト!

 こういう時だけ出て来るんだから!

 ネズミの王子様?汚れてそうだ、バッチイバッチイ。だとっ!

 綺麗好きなネズミが居るかも知れないだろう!

 そもそも相手がネズミとは限らないじゃないか!


 心の色が暗いからそんな事ばっかり言うんだ、鬼花みたいに明るい色合いももっと取り入れろ!


 すっごいカラフルなんだよ、鬼花ってのは。

 赤・白・黄色・ピンク・紫に青・黒・・・前に私が居た世界には無かった色まで揃ってるんだ。

 ホント凄いよ。


 これは聞いた話だから信憑性は疑わしいんだけど、新色の花の種とか球根って盗まれるから銀行の金庫より厳重な警備システムに守られてるって聞いたんだ。

 高が花って思っちゃうけど、本当だったら、高がなんて言えないよね。


 あっ!

 そうだ、私も庭を造ろうかな?

 池も作ったんだし、花と木を植えたり、飛び石を置いたり、四阿あずまやなんかも有ったら、お茶のんでノンビリできそうだよね。

 ・・・うん、造ろう!

 ユグスちゃんの庭とは違う雰囲気のを。


「どちら様でしょうか?」


 むっ?

 出て来たのはユグスちゃんじゃないぞ?

 隠れなきゃ!

 で・・・誰だろう?使い魔かな?


「あら、フェルム君じゃないの」

「あっ!スカージュ様」


 おっ!頭に黄色・・・っぽいけど、アイシャさん程は鮮やかじゃない、油揚げの色に近い黄色の三角耳があるな。

 って事は獣魔なのかな?


「フェルム君、学園長は居る?」

「はい、いらっしゃいますが・・・」


 なんか都合悪かったかな?

 それにしても・・・

 フェルムって子は要領を得ないな、はぐらかしてる様にも見えちゃうぞ。

 そんなに都合が悪いのかな?

 出直した方が良いのかな?

 いや、ここはゴリ押しだ!


「出てこないとお土産全部持って帰るからって言って」

「良いですけど、お土産ってのは?」

「竜魔王の作ったインゴット3個とスナフキンの爺様特製の工作道具」

「なるほど、あの工作道具は良いですよね」

「あれ?シュヴァツ君も欲しいの欲しいならあげるよ」

「良いんですか?」

「ノスフラト君にもあげたし、シュヴァツ君も工作するならあげるよ」

「オレは木工をやってみようと思うんです。あのミニチュアみたいのを作ったりしたいです」


 ほっほぅ。

 木工に目覚めましたか。

 うん、シュヴァツ君は大工仕事も好きみたいだし、面白そうだね。

 どんなミニチュアを作るのか楽しみだ。


「じゃあ、これね。シリアルナンバー3がシュヴァツ君のだよ」

「ありがとうございます!それじゃ、学園長を召喚してみましょう」


 召喚か、いいねそれ。

 呼び掛けて出て来なかったらシリアルナンバー2はシュヴァツ君にあげよう。


「学園長!シズネさんが今すぐ出て来ないとお土産全部持って帰るって事です!そして、最後に提案した事を実行に移すそうです!」


 ちょっと待て!

 そこまで言ってないぞ!

 つか、最後にした提案って何だったかな?

 ・・・あっ!

 更地にするってのがそうだ。


 いやいやいやいや、出て来ないだけで更地にって・・・私はどんだけ傍若無人なんだよ!

 しないから!


「シュヴァツ君・・・さすがに言い過ぎ」

「あの学園長ですから、これくらい言わないと出て来ない気がしたもので・・・」


 ユグスちゃん・・・君は生徒に、どんなふうに思われてるのか知ってるのかい?

 私が言うのもなんだけど、頑固とか偏屈とか一筋縄じゃいかない人って思われてるよ。


「シュヴァツ君・・・それって被害をこうむるのは私・・・


 ダダダダダダダッ!


「こらぁ!シズネっ!その提案は却下って言ったよ!やったらダメだよっ」

「ユグスちゃん・・・地が・・・」

「えっ?・・・コホン・・・兎に角です。しない様に」

「しないよっ!あれはシュヴァツ君が勝手に言ったんだからね!・・・やった方が良いとは思うけど」ボソッ

「なにか言いましたか?・・・まぁ宜しいです。ところで、何故ヴラドが居るのです?スカージュとは和解したのですか?」

「一応な。そして、居るのはついでだ」

「そうですか。では、立ち話もなんですので中へいらして下さい。フェルムもいらっしゃい」


 促されるままに中に入ってビックリ。

 花瓶がたくさん有って、全部に鬼花が飾ってあるの。

 花が飾ってあるだけで、同じ校舎内なの?

 ってくらいに学校とは雰囲気がまるで違う物になってるんだよ。


 そうそう、ユグスちゃんの私室は本校舎とくっ付いてはいるんだけど、私室には裏庭に出てからじゃないと訪問出来ない様になってるの。

 私室から本校舎に繋がる扉はユグスちゃんしか通れない様になってるんだって。

 最初に聞いた時はメンドクサイって思ったんだけど、実際に裏庭に行ってみたら見事な鬼花庭園になっていたでしょ。


 あれを見たら学校のイヤな雰囲気を忘れちゃってホッとしたんだよね。

 もしかしたらユグスちゃんは、そうゆう狙いも有って校舎内からはこれない様にしてるのかも。


「あのシュヴァツさん、そちらの方は?」

「シズネさんの事かい?」

「シズネさんと言うのですか。シズネさんは獣魔なのでしょうか?僕は似た感じの人を見た事がないので」

「私は動物だよ。畜生ってやつだよ」

「お前・・・まだ根に持ってるのか?」

「ふっ・・・死ぬまで忘れないさっ!」

「・・・好きにしろ」


 うん、やっぱり以前とは違う。

 多分、以前なら『ならば死ね』的な事を言ってたはずだからね。

 戒めの壁ワイヤーを外して正解だったな。


「あの竜魔王が引いた?・・・シュヴァツさんその方はいったい」

「だからシズネさんだって」

「いや、そうゆう意味でなくて」


 分かるけどね。

 おそらく竜魔王のイメージって唯我独尊で広まってたんだろうし、それが一言も言い返さないで引くってのは違い過ぎるからね。


「皆さん此方の部屋で待っていて下さい。お茶を煎れてきます」

「あっ!あたしも手伝います」

「スカージュ、貴女はお客様です。手伝わす訳にはいきません。大人しく座ってなさい」


 スカージュちゃん怒られちゃった。

 まぁユグスちゃんの言う事は最もだから仕方ないね。


 にしてもこの部屋は・・・応接室じゃないよな。

 円形の壁が硝子張りになっていて、外で咲き誇っている鬼花が見えるサンルームみたいになってるの。

 室内には5人掛けの円テーブルと椅子が5脚のみで他は何も無いんだよね。

 照明も天井の真ん中に暗光石が1個設置されてるだけで、かなり簡素な部屋になってるんだ。


 にしても・・・鬼花って沢山咲いてると綺麗だなぁ。

 ユグスちゃんが戻るまで暇だから、硝子に貼り付いて眺めちゃってるんだけど、ホント圧巻だよ。


「この部屋って何なんだろう?学園長の管理してる部屋にしては簡素だよね?」

「この部屋は落ち着いて話す為の部屋だそうだ。ユグス自身もだが、来客者も落ち着く様にとのことらしい」

「・・・それってのは、あたしと父上が揃って来たからでしょうか?」

「それもあるかも知れん。だが、一番は・・・」


 なんか背中にチクチクと刺さる感じがする。

 なに?なんなの?揃って私を見てるのはなんで?

 照れちゃうでしょう。ポッ


「納得いきました。来訪早々に学園長の素を引き出してましたし」


 ちょいまてぇい!

 引き出したのは己れじゃろうが!

 私は更地にするとまで言ってくれとは頼んでないぞ!


「うーん・・・シュヴァツ君もからかう対象に入れても良さそうだね」

「えっ!」

「覚悟しいやぁ!夫婦揃って私の餌食だっ!」


 くっそぉ!

 ここで悪そうにニヤリと出来たら冷や汗を流させることが出来るのに。


 

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