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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 4章 着地点

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初登校だっ〔後編〕

 うーん・・・

 どうしたものかなぁ・・・



 えっ?うん、考え事をしてるんだよ。

 えっ?今?

 あれっ!・・・いつの間に学校内に入ったんだ?

 更にだよ、いつの間にスカージュちゃんの頭の上に登ったんだ?


 ・・・あっるぇ・・・えっ?

 私が思考の深みに嵌まってる時に乗せられて入ったの?

 マジっすか!?

 だ、だだ、だ、大丈夫なの?魔除けとか装備してないけど取り憑かれたりとかホントにしないの?

 むっちゃ怖いんですけど。


 ・・・なんだとゴルァ!

 ネズミに取り憑くのはバカだけだって、どうゆう意味だっ!

 ・・・取り憑いたところで何が出来るって?

 いや、まぁ、そう言われると何と答えて良いか分からないけどさぁ。

 でもだよ!

 極小とは言え、肉体を得るんだからネズミ・・・ハムスターに取り憑くのが居るかも知れないでしょ。


 ・・・それ、忘れてた・・・『拒絶の壁』の浄化の力は半端ないんだった。

 並み以下の自我の曖昧な存在が居れる様な所じゃないから、ハムスターみたいな極小の肉体は論外なのね・・・


 でもでも、極小でもステータスは結構凄いんだから居るかも・・・

 ・・・そうですか、他人のステータスを見る事が出来るスキルは無いのね。


 そうかぁ、なら私は極小でひ弱な存在にしか見えないよね。

 こんなんに取り憑く物好きは居ないよねぇ。


 なんかさぁ。

 ここんとこ、脳内に言い負かされてばっかりな気がするよ。

 悔しいなぁ。


「あっ!シズネさんネジは巻き終わったんすね」

「・・・・・うん」

「どうしたっすか?」

「・・・・・凹み中」

「なんで!」

「ちょっとね、とある奴に言い負かされてね・・・」

「とある奴?」


 やっべ!

 脳内に脳内が居るなんて知れたらヤバイ奴認定されちゃう!

 胡麻貸さないと!・・・じゃない!

 誤魔化さないと!


「えっ?あっ!あれっ?いつの間に中に入ったの?」

「えっ?あっ、シズネさんが深く考えてるみたいだったら、了解取らずに頭に乗せてちょっと前に入ったっす」

「そっか、それで・・・ホントにここは危なくないの?」

「大丈夫っすよ♪あたしにシュヴァツ、それに父上まで居るっす。危なくなんてないっす」

「スカージュちゃんが断言するんなら信じるけど・・・やっぱり、ここの雰囲気は怖いよ?静か過ぎるよ」

「そうっすねー人っ子1人居ないっすもんね。ノスフラトさんが好きそうな雰囲気っすよね」


 どうやら上手く誤魔化せたみたいだね。

 それと、スカージュちゃんの対応・・・いつも通りだな。

 全然大袈裟じゃないよ。

 んん?なんで?

 何がきっかけになると大袈裟になるんだろう?

 それが分からないと、 からかったりジャレたり出来ないよなぁ。

 あれって拒否反応の1つだろうし。


 何て事を考えてたら校門から正面に見えた古びた4階建ての洋館みたいな建物に入ったぞ。

 あっ!

 中は・・・綺麗だな。

 イメージにある古びた洋館って感じじゃなくて、ドラマとかアニメなんかで出てきそうな金持ちの通う学校みたいな感じを丸出しな感じだよ。

 

 だってさぁ。

 入って直ぐはロビーになってるんだけどね。

 4階部分まで10メートル四方位で吹き抜けになっていて、豪奢なシャンデリアが吊されていてね煌々と暗光石が輝いているんだよ。

 

「ふぉぉぉ!こりゃ凄いね!」

「初代魔王が見栄の張り合いで色々と寄贈した物を未だに使っているだけだがな」

「それって、何千年も前でしょう?壊さず使ってるって凄いよ!」

「初代の寄贈品を壊せる程の度胸がある奴は居ない」

「?・・・なんで?」

「初代と言うのは畏怖の対象なんだ」

「怖い人だったの?」

「知らぬ、直接の認識が有るわけじゃないからな」


 そりゃそうか。

 何千年も昔の魔王だもんね。

 生きてる訳がないよね。


 でも、もし生きててさ、入学の推薦を貰えたら凄い事だよね。

 初代の1回しか使えない入学推薦を貰った人物って事で・・・逆に怖がられる?

 ダメじゃん!

 公表は絶対しちゃダメな推薦じゃないか!


 あっ!でも、ユグスちゃんには効くかも。

 問題児が初代魔王の推薦を貰って来たってなったら印象が変わるよね?

 問題児じゃなくなるかも知れないよね?

 これは良いかも♪


 初代じゃなくても、引退した魔王の推薦を貰うってのは学校側の私に対する印象を変えるには有効な気がしてきたよ。


 うん、帰ったらアイシャさんとノスフラト君に聞いてみようっと。

 ん?

 隣の竜魔王には聞かないのかって?

 だって、竜魔王から推薦をまだ貰ってないんだよ。

 そんな人が引退した魔王の居場所を教えてくれるかな?

 私は教えてくれないと思うんだよ。


 竜魔王って言えば、椎の木の話を聞きそびれた!

 興味は無いけど、後日の交渉材料になる可能性があるんだよね。

 ・・・聞いてみるかな、スカージュちゃんに。


「ねぇ、椎の木を植えた訳って何だったの?」

「やっぱり聞いてなかったっすか・・・口外しないって約束っすから、シズネさんにも言えないっす」

「そんな事を言わないでさ、教えてよー。私もその場に居たんだし問題無いでしょ?」

「ダメっす!聞いてなかったなら居なかったのと同じっす!」


 こりゃ聞き出せそうにないな。

 スカージュちゃんの意地悪!

 いいもん、シュヴァツ君に聞くから。


 って、あるぇー

 シュヴァツ君の方を見たら、顔の前で腕を交差したぞ。

 あぁっ!ダメって事か。

 シュヴァツ君もダメってのは絶対に変えないから説得は無駄だな。


 んじゃ、本人にもう一度話して貰うか。


「同じ話を二度する気はない」


 なっ!

 まだ何も言ってないよ。

 それなのに断られた。


「みんなして意地悪だ・・・いいもん・・・いいもんっ!どうせ、そこで出逢ったとか初めてキスしたとか、そんな理由だろうし。もう聞かないもんっ!」

「シズネさん?」

「ふーんだ!」

「何で分かったっすか?」

「他に何が有るっての?ベタ中のベタじゃないの!そこの竜魔王が植えたってなら予想も付かないけど乙女が植えたんなら予想出来るわよ!」


 十代の学生で、植えた事を旦那の竜魔王が知っていて、話す事に躊躇していて、他言無用の約束を課す。

 自分にとったら恥ずかしい事って事でしょ。

 ホント、ベッタベタなベターじゃない?

 他に考えられないっての。


「乙女ならこれくらいの予想はできて当然!」

「えっ?・・・じゃあ、予想出来なかったあたしは乙女じゃない?」

「えっ?・・・えーと・・・おばちゃん、とか?」


 うっわー

 みるみる目に涙が溜まって来た、口もへの字になってるし・・・これは泣く、絶対に泣く。

 ど、とうしよう・・・


「スカージュ、それ位の事で泣くんじゃない」

「父上、でも、でも」

「お前はどうして俺やユリーシュの悪い所が目立って似てしまったんだ?」

「父上や母上の?」

「そうだ、物事を良い方に考えられないのは俺の、泣き虫なのはユリーシュの」

「無理です。どう考えれば良い方になるのですか?それと、母上が泣いている所を見た事は有りません」


 確かに、良い方って言われてもなぁ。

 そもそも乙女ってどうゆう意味だったっけかなぁ?

 うーん・・・確か・・・


 結婚してない若い女性、むすめ、少女だったような。

 ・・・スカージュちゃん、シュヴァツ君が居るんだから乙女じゃないじゃん。


 って国語辞典的な意味以外にも乙女には意味が有るしなぁ。

 ここんところが説明の難しいんだよね。

 うーん・・・夢見る少女とかロマンチストみたいな感じ?

 ・・・なんか足りない、これだけじゃないはずだよ。

 でも、私如きにはこれ以上は浮かんで来ないよ。


 そうかっ!

 乙女ってのはあれなんだっ!

 全容を解明出来ない永遠の謎ってやつなんだよ。

 だから、私に分からなくても当然なんだよ。


「乙女でないのなら、現実を見据えた女になれば良い」

「現実を見据えた・・・」

「お前に涙を見せる様なヘマをユリーシュはしない。お前が寝た後で大いに泣いていた。・・・花冠をプレゼントしたのを覚えているか?」

「・・・・・」

「お前は3歳だったし仕方ないな。花冠を貰った夜、滅多に飲まない果実酒を飲んで寝付くまで号泣していたんだぞ」

「母上が・・・」

「スカージュに貰った2つ目のプレゼントだと大喜びしていた」

「2つ目?1つ目は何だったんですか?」

「お前が無事に産まれて来た事だ」

「母上・・・っ!・・・父上はあたしが産まれた時は・・・

「無論喜んだ。ユリーシュが出産を無事に終え、産まれて来たスカージュも無事と知り、これ以上無い喜びだった」

「父上・・・」

「しかし、今言いたい言葉それではない」


 おっ?

 感動話で終わるんじゃないのか。

 あはっ♪

 ちょっと面白い風向きになってきたのかな。


「お前の悪癖、説明不足、人の話を聞かないのは誰の真似なんだ?俺やユリーシュは勿論、近しい親族朗等にも居ないぞ」

「えっ?・・・あの・・・えっと」

「お前がキチンと説明をし俺の話を聞いていれば、ここまでの大事にはならなかったんだぞ」

「それって・・・あたしが全部悪いって事ですか!?」

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