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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 4章 着地点

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色々と完成だっ〔後編〕

 じゃーん!

 スナフキンの爺様特製工作道具セットー!


 残ってたアオヒカネで製作依頼をしていた物が完成したのだよ。

 全部で22セットも。


 勿論、最初の予定通りに0から21までのシリアルナンバーも入れてあるよ。

 ナンバー0は私のだよ。

 ナンバー1はノスフラト君に渡した。

 ナンバー2はユグスちゃんにあげる約束をしてるから、今度学校に行った時に『拒絶の壁』のインゴット数個と一緒に渡す予定なの。

 ナンバー3から21は最初の予定通りにコンテストとかのイベントの賞品にする予定だよ。


 コンテストとかをホントに開催する程に模型、フィギュアを作るのが浸透するか未知過ぎるから死蔵品になる可能性も高いけど、それはそれで良いと思ってる。

 何でって?

 知り合った製作者にあげるってのも有りだと思うからね。


 兎にも角にも暫くの間は【無限収納】内で保管だね。


 さって、早速ミニチュアログハウスを作りますか。

 材料は、何かで使えるかもって取って置いた木片を使うかな。


 これを【物質操作】でミニチュアサイズの丸太に・・・って、直径はどれ位なんだろう?

 ・・・分からぬ・・・そ、それっぽく見えれば良いんだし適当で良いか、んじゃ2センチで。


 それを組み上げて行けばオッケーなんだけど。

 問題は天井と1階の床の高さだね。

 半地下、中二階を作るなら、掘り下げ分も考えて1階の床の高さを決めないとダメだし。

 半地下の天井の高さが全体の天井の高さにもなるから・・・体長の50%増し位でいいかな?


 とすると、半地下の掘り下げは80ミリで良いって事だから、1階の床の高さは80ミリと丸太1本分の20ミリをプラスした100ミリの高床で作れば大丈夫なはず。


 では半地下から作り始めてみましょうか。

 ・・・

 ・・

 ・

 ダメだ・・・ダメだこりゃー!

 全然強度が足りない!


 床がトランポリンみたいに上下してバィンバィンだよ。

 こんなんじゃ必ず床が抜けますって。


 何でこんなんになったかって?

 うーん・・・

 1つは材料をケチって板にしたからかな。

 次に40センチ位の長さを梁も支えも無しに渡したからだろうなぁ。


 この失敗の教訓は・・・横着をして長い方の辺に梁も支えも無く薄い板を渡して作業工程を減らすのはダメっ事だね。


 そりゃそうだよね。

 普通に考えたら分かる事だし、強度を持たせるなら長辺に板を渡すって時点で間違ってるよね。

 早いとこ仕上げようって思って横着しちゃこんなんが出来るのは当然だよ。

 やっぱり私ってバカ者だよ・・・涙ちょちょぎれってやつさ。


 ちょちょぎれではあるけど。

 どうすりゃ良いのかは分かったから、次こそは納得行く物にしちゃるけんのぉ!

 ・・・

 ・・

 ・

 よしっ!

 さっきとは比べちゃダメな位に頑丈に出来た!


 どれ位かって?

 そりゃ100人乗っても大丈夫・・・は言い過ぎだけど。

 『拒絶の壁』のインゴットを置いても歪まない位には頑丈だと思うよ。


 なんたって材料と手間を惜しまず作ったからね。


 まずねぇ、家の真ん中に柱を1本立てる事にしたの。

 でね、その柱を中心に梁になる丸太を渡して、その上に半円に真っ二つにした床材を置いていって。

 勿論、床材と床材が接触する部分は、固定するために溝を掘ってはめ込んであるよ。

 で、床を敷き詰めたら壁を次の階層まで積み上げて、また同じ様に床を敷き詰めてを4回繰り返して、半地下、一階、中二階、二階と作り上げたんだ。

 思ったより時間は掛かったけど、かなり頑丈な物が出来たよ。


 後は屋根と階段だけども。

 階段は板材で作って後付けの物で良いね。

 使う人の好みで階段の位置を決めれるのが良いんじゃないか?

 って個人的に思うからさ。


 で、屋根はシュヴァツ君に見せてから作ろうと思う。

 だってさ、屋根が無い方が中を見易いじゃない。

 元々はシュヴァツ君に実物を見せる為にミニチュアを作ったんだから見え難いんじゃ話しにならないしね。


 って・・・あれ?

 ・・・何かおかしい・・・何か違和感が・・・はっ!分かったっ!


「私は・・・私はまたやっちまったよぉぉぉ!」


 ダメじゃん。

 違和感の正体が分かったよ。

 各階層の端っこを揃えて作ってしまった。


 つまり、1階から中二階に階段を登ると、階段の最上部辺りで二階の床に頭が激突しちゃうんだよ。


 1本の柱を起点に床を作ったから起こった失敗だね。

 階段の長さ分、離れた所にも柱を立てておけば回避出来た失敗だ。


 作ってて何で気が付かないかって?

 私って二足歩行出来ないから、四足歩行だから気が付かなかったんだよ。

 高さが違うんだ。

 二足立ちと四足立ちじゃ全然ね、極端に言っちゃえば四足立ちは二足立ちの半分の高さなんだよ。

 だから、普通に歩けたから気が付かなかった・・・


 今から・・・作り直す?

 ・・・メンドクサイな。


 うん!

 メンドクサイし私が使う分には問題無いから作り直さない。


 それに・・・そう!そうだよ!

 これは失敗じゃない!

 ダメな見本を作っただけだもん!

 だから作り直す必要なんて全く無いんだよ!

 ・・・で良いよね?

 ほら!そこの君!

 オッケーと言って♪

 言って下さい。

 ・・・言えよっ!


 ・・・んま、そこの君なんてのは居ないんだけどね。

 居ないって、脳内みたいなのを増やさないって。

 だから居ないの。

 ・・・居ないったら居ないの。

 マジで!

 脳内みたいのが2人ってイヤだから!

 全力で拒否するから!


「シズネさん?」

「ぬぉぉぉっ!」

「おわっ!な、何ですか?いきなり大声を上げて」

「それはこっちの台詞だっ!いきなり声を掛けられてビックリしたぞい!」

「えっ?・・・それはスイマセン」


 あっ・・・いや、シュヴァツ君は悪くないか。

 でも、不意を喰らって驚いたのは事実だし。

 こういう場合ってどうすればいいんだろう?


「こっちもゴメン。考え事をしてたから、不意に声を掛けられてビックリしちゃって」

「では、あいこと言う事で。それで何か有ったんですか?叫び声が聞こえたから来てみたんですが」


 そんな大声だったかな?

 普通よりちょっとは大きかったと思うけど、シュヴァツ君の部屋まで届く程は大声じゃなかったと思うんだけどな。


「書庫に本を戻しに行った帰りだったんです。玄関も開いていたし」


 なるほどね、そりゃ聞こえるね。


「これを作ってたんだけど、失敗しちゃったんだよね」

「これは丸太家?」

「そうだよ。シュヴァツ君が半地下と中二階を見た事が無いんじゃないかと思って作ってみたの。言葉で説明するより、シュヴァツ君には実物を見せた方が分かり易いかと思ってね」

「確かに半地下、中二階って見た事が無いし、説明だけだと理解しきれてない部分がありました。・・・こんな感じなんですね・・・この半地下、中二階を作るメリットって何ですか?」


 ふぇ?

 メリット?

 ・・・なんだろう?

 えーと、えーと。

 ・・・あっ!


「如何に低い屋根で部屋数を増やすかかな。ほら、2階建の高さで4部屋有るでしょ。4部屋だけど段差が有るから壁で仕切る必要が必ずしもないしさ。後は、内部が明るいと思うよ。これはそこん所が失敗しちゃってるから、そんなでもないだろうけどね」

「その失敗ってのは?」

「これだよ。端っこに来ると上階の床にぶつかっちゃうでしょ。本来は階段を設置する分のスペースを作らないとダメだったんだよ」

「それなら、上階の床を削ってしまえば良いんじゃ?」


 それも考えついていたんだけど、建坪に制限ないし、広く作れるのに狭くするってのに抵抗があるんだよね。

 それに・・・


「削るよりスペースを作って屋根から地面まで何もない空間を作る方が良いと思うの。その空間の屋根に窓を付けたら家全体に光が入るはずなんだよね」

「なるほど、確かに上から下まで貫いた空間が有って屋根に窓が有れば日中はとても明るいですね」

「でしょ♪暗くしたければ衝立みたいのを設置すれば良いんだしね。じゃこれは図面が書き終わるまで倉庫に置いておくから、見たい時は見ちゃってね」

「はい」


 ん?倉庫?

 うん、完成してるよ。

 風呂場が完成して直ぐに取り掛かって、1日で完成させたさ。

 まぁ【穿つ】でちゃちゃっと空間を作って【整形】で整えるだけだったからね。

 時間なんてそんなに掛からないよ。


 一番時間が掛かったのは扉だよ。

 何かデカい物をしまうかも知れないから、3メートル四方の観音開きの扉を造ってみたんだよ。

 蝶番も再度トライしてみたんだけど・・・ノスフラト君のアドバイスが無かったら、また失敗してたと思う。

 ノスフラト君は。

『接合部に煮詰めたスライムを入れてみたらどうであるか?』

 って言うからね、スカージュちゃんに頼んで街まで行って買って来てもらったの。


 この煮詰めたスライムってのがまた面白くてさ。

 水分を残して完成ってした物は煮スラって言って、クッションみたいに緩衝材とか緩和材みたいな使い方をするんだって。

 馬車の座席の下にとか、床下に敷いたりするのが一般的な使い方みたい。


 で、水分を殆ど飛ばした物は乾スラって言って、接着剤として使うんだって。

 水分が乏しいから、熱を加えると溶けて粘着力が出るんだって。

 その粘着力で接合するそうなんだよ。


 その乾スラなんだけど、プラスチックみたいな感じなの。

 やや固い、衝撃や歪みに弱い、熱を加えると溶ける。

 この性質ならさ、量産品のフィギュアとかベーシックな素体とかをこれで作れる気がするんだよ。

 もし思った通りならさフィギュアとか模型作りの推進に繋がりそうだよね。

 

 まだ試せる程の余裕が無いから、チャレンジするのはまだまだ先の話だけど。

 乾スラって言う安価な素材が有れば製作者人口も増える可能性は高くなるよね。

 コンテストに一歩近付くって事だよね。


 私、頑張っちゃうよ!

 やる事をさっさと済ませて趣味に時間を使える様になるんだから!

 ・・・

 ・・

 ・

 って、話が逸れたね。

 蝶番の接合部の話だったね。

 そこにはね煮スラを詰めたの。

 そしたらね『断崖荘』で一番非力なミランダさんでも開け閉めが楽に出来る様になったんだよ。

 多分なんだけど、潤滑剤になったんだと思うの。

 ノスフラト君は。

『昔の建物の扉はこのようにしていたのである』

 って言ってたの。

 先人の知恵ってやつだね。


 にしても煮詰めたスライムってのは凄いね!

 多目的に使えるイメージが有るもん!

 しかも安いんだよ!


 スライムってね、雨が降った次の日に発生してる事が多いんだって。

 核が生成されると一般人じゃ手が出せないみたいなんだけど、生成する前に捕獲して煮詰めちゃうって事も出来るから。

 ちょっとした小遣い稼ぎにしてる人も居るんだって。


 更に更に、『断崖荘』辺りは年に1度だけスライムが大量発生するんだって。

 しかも、その時期ってのはもう直ぐ来るってミランダさんが言ってたから・・・大量捕獲して煮詰めてやるぅぅぅ。

 そんで、そんで、スカージュちゃんに工作道具を作って貰ってセットで大量販売だっ!

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