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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターに転生 4章 着地点

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色々と完成だっ〔中編〕

 相談の結果、10日置きに浴槽の水の入れ換えをする事になったの。

 ミランダさんわく、水は適当に流しちゃって良いって事だけど。

 やっぱり綺麗な水を、そのまま捨てるのって勿体ないからさ、池を造る事にしたんだよ。


 その池だけどさ。

 素人が重石を乗せて固めた盛り土に窪みを作るだけじゃ、水が染み込んで盛り土がきっとダメになるよね?

 だからね、極薄にした『拒絶の壁』を底とか縁に敷いて水が浸透しないようにしてみるの。

 

 あれだね、ブルーシートを敷くのと同じだね。『拒絶の壁』のシートだから壁シートと命名しよう。


 壁シートを敷いて水を入れるってのは、如何にも人工物に見えちゃうから。

 壁シートの上から土を乗せて、人工的な感じを軽減させるの。


 壁シートの上に土を乗せたらさ、水草とかも植えれるかも知れないしね。

 そしたらさ、魚とか水生生物が住み易い環境になって養殖も上手く行くかも知れないでしょ。


 そうだ!

 壁シートで思い出したんだけど。

 同じ様に『拒絶の壁』を薄くして瓦の代わりにして作った玄関の雨除け、竜魔王に破壊された後に掃除してたら、やっぱり無傷で出て来たよ。


 だから、それをそのまんま使って再度雨除けの瓦に使用したんだ。

 雨除けの再建もシュヴァツ君の書いた図面を基に作ったらさ、初回に作った時の半分位の時間で完成したんだよね。

 前回と違ってほぞとか溝とかを彫って、より頑丈にするって工程も有ったんだし、普通に考えたら初回より時間が掛かるはずなんだよね。

 それが半分位って事は図面が有った事が大きいと思うの。

 図面って偉大だって心底思ったさ!


 だからね、ミランダさんのログハウスを造るのも図面が有った方が良いって判断してね。

 シュヴァツ君にログハウスの図面書きを依頼したんだよ。


 ミランダさんの要望と私の要望を聞いて書き始めたんだけど。

 難しい顔をして考えてる事が増えたきがしたんだよね。

 私の要望って無茶な面が強かったから悩ませちゃったんだと思うの。

 だってさ、半地下、中二階なんかを造れないか頼んだんだもん。

 家一軒の図面を書いた事が無い人に頼む事じゃなかったなぁって後で思い至って反省したもの。

 反省だけじゃ足りないから『私の要望は難しいなら取り入れなくていいよ』って伝えたさ。

 言葉にしないと伝わらない事だから、当たり前な事なんだけどね。

 でもシュヴァツ君は全ての要望に応える気で居るみたいなんだよね。

 

 私も同じく要望に応えるタイプだから、気持ちとか考えは分かるんだけど・・・

 今のシュヴァツ君は良くないかな。


 図面の段階で煮詰まって難しい顔をしてるのって、想像や空想が上手く行って無いからでしょ?

 完成した物の想像や空想が出来てない状態じゃ図面なんて書けないと思うんだよ。

 私はハムスターだから図面を書くなんて器用な事は出来ないけど、完成した時のイメージはしっかり固めてから作業に掛かってるよ。


 だからシュヴァツ君も図面書きよりもイメージを確固たる物にしてからの方が良いんじゃないかな?


 でもなぁ・・・頭の中だけでイメージを確固たる物にするのって難しいかもなぁ。

 私のイメージは記憶に有るものを元に作り上げてるから見た事が有るの。

 だけどシュヴァツ君は私のした説明だけでイメージをしようとしてるはずなんだよ。

 零からのイメージってのはシュヴァツ君には向いて無いかも知れない。


 シュヴァツ君ってさ、どっちかと言うと真面目な堅物タイプだと思うの。

 間違っても臨機応変で柔軟タイプじゃないと思うんだよね。


 堅物タイプって、既存の物を改良したり効率を良くしたりするのは出来るけど、全く未知の物を創らせるのは向いてないって聞いた事が有るんだよね。


 だったらどうすれば。

 ・・・

 ・・

 ・

 そうかっ!

 既存の物にしちゃって見た事が有る物にしちゃえばいいんだ!


 どうやるのかって?

 そんなのは簡単!

 ミニチュアを作れば良いんだよ。

 

 図面を書く為に実物大の物を作ったら本末転倒もいいところだし。

 ミニチュアでも実際に見ればイメージするのは容易くなるってもんでしょ?


 はっ!

 そのミニチュア・・・私が住める大きさで作り上げるってのはどう?

 寝る場所になれば良いからコンパクトでも問題無いし、実際に使って不具合が無いかも確かめれるし、一石二鳥じゃないか!


 これで・・・これで床で寝る毎日ともオサラバ出来るよ。

 別に床でも良いんだけど・・・私の部屋が無いってバレたら色々と聞かれそうでイヤだし、そろそろ寝床を作らないとダメかなって思ってたから丁度良いや。


 ん?何でないのかって?

 そんなのは簡単!

 どこに造れば良いのか分からなかったからだよ。


 『断崖荘』は玄関を入ったら10メートル四方のホールが有って左側に廊下が1本通して有って、外側が個室になってるの。

 個室は玄関に近い方からノスフラト君、ミランダさん、アイシャさん、スカージュ・シュヴァツ夫妻の部屋になってるの。

 そうそう、アイシャさん、スカージュ・シュヴァツ夫妻の部屋の間には外に有るトイレに行く為の通路と扉が有るよ。

 そんで、廊下を挟んで『拒絶の壁』の内側部分には書庫が有るの。


 入って左側はそんな感じで、右側は食堂と台所が有って。

 玄関ホールの突き当たりには2階に行く階段があるの。

 2階には風呂場と温水を作る部屋と、客室があるってかんじだね。


 ん?客室?

 客室はね作らざるを得ない状況に竜魔王がしてくれたんだよ。

 『拒絶の壁』のインゴット作りを1週間で終わらせるって驚異的な事をやってくれたんだ。

 何がって驚異的かって言うと・・・800個を1週間で作ったんだよ!

 私もたまに作ってたけど、1日100以上は1人で作ったんだよ。


 私だって、朝から晩までインゴット作りをすれば、同じ位のペースで作れるだろうけど・・・絶対に飽きる!

 だから私には一週間で終わらせるなんて事は無理だよ。

 ホント、よく飽きないなって感心しちゃうもん。


 私には出来ない事が出来る竜魔王をほんの少しだけ尊敬しても良いかも?

 なんて思いつつ、道具状態からの解放をしたんだけど。

 壁ワイヤーの解除条件を満たしているかは、ハッキリ分からなかったから未だに装着させてるんだけど・・・


 スカージュちゃんが『昔の父上に戻った?』なんて疑問系な台詞を呟いていたから、もしかしたら外す条件を満たしているのかもしれない。

 でもまぁ、ハッキリ分かるまでは外すのはすよ。


 今度、学校に行くときに一緒に連れて行ってユグスちゃんに見せて、どうゆう反応をするかで決めようと思うの。

 ユグスちゃんは、竜魔王が生徒だった時も学園長していたらしいから、反応とか感想は当てに出来るはずなんだ。


 それ以外にもね。

『もう暫くお前を観察してから推薦を出すかを決める』

 なんて言い出して、居座る宣言をしやがった。

 まったく、品行方正、才色兼備、天真爛漫なシズネちゃんなんだから観察しなくても推薦を出せっての。

 ・・・

 ・・

 ・

 はい・・・ゴメンナサイ。

 どれも違います。

 品行方正?どんな意味だっけ?

 才色兼備?才も色も要らない、美味しい物が食べたいぞ。

 天真爛漫?・・・これは合ってるかも、違う言葉になるけどね。

 厚顔無恥な天然とかに。

 もっと簡単に極端に言っちゃえばバカって事かなぁ・・・


 あぁ!ヤメヤメ!

 凹む考えは止めよう!


 つう訳で、暫くの間、竜魔王は客人って事になるから野宿させる訳にもいかず、メンドクサイけど急遽客室を造らないといけなくなって造った訳なんです。


 んま、客室って言っても広さ・天井までの高さなんかは変わりは無い造りになってるんだけど。

 幾つか違う部分が有ってね。


 1つはベランダを造ったんだ、それに伴って窓も大きくしてベランダに人が居たら直ぐに分かるようにしたの。

 その窓に使ってる硝子にも一工夫してあって、格子状に編み込んだ壁ワイヤーを埋め込んであるの。

 もし割れた時にの為の対策だね。


 他に違いは・・・無いかな。



 で、ベランダなんだけどね。

造った理由ってのは、あった訳じゃないんだけど1階と比べたら見晴らしも良くなってるし、外に出るのも1階と比べたら少しだけ面倒だから造っただけなんだ。


 竜魔王は気に入ったのか、こんな事を言ってたよ。

『窓が大きく、開放的に空間になっているな。調度品も最低限を揃え、室内よりも室外で楽しめと言う意味か』

 前半は意図した通りだけど、後半は意図してないね。


 だってさぁ。

 部屋は8畳間位の広さしかないんだよ、調度品なんて物を置くだけのスペースなんて無いって。

 それから、室内で楽しみたいなら、こんな辺鄙な所にまで来ないで自宅でゴロゴロしてりゃ良いでしょ?


 そんな経緯が有って客室まで造ったら自分の部屋をどこに造れば良いのか分からなくなってしまってね。

 毎晩寝る場所を彼方此方と変えていた訳なんだけど、ミニチュアログハウスを作ったら、どっかの隅っこに置いて寝床に出来るね。


 しかもあれじゃん!

 テントみたいに持ち運びが出来る代物だから、今まで通りに彼方此方を寝場所に出来たり、外で寝泊まりも出来るって事じゃない。

 こりゃ凄いな。


 雨漏りとかしないのは勿論だけど、結構頑丈に作らないとダメっぽいね。

 ・・・ふっふっふ。

 これは、あれを使う初めての機会みたいだね。


 

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