帰って来たハムスター
ちょっと変な書き方をしてるかも知れないです。
サブタイ〔前編〕となってる話の冒頭に作中の現在を書いてます、本編は過去にあった事を書いてます。
最終的には本編と合流しますが・・・上手く繋がるかは疑問です!
キュイイイイイイイイイイイ
バシュッ
なんて派手な音とかエフェクトはなくて、地味にフッと現れたんだけど・・・台詞は言わなければ!
「・・・あいるびーばぁっく、グへッ、ゲホッゲホッ・・・私のプリチーキュートでハニーなボイスじゃシュワちゃんばりの渋い深みのある声は無理っぽいね」
しっかし・・・
ハニーなボイスってなんだ?
直訳すると、蜂蜜声。
蜂蜜?
甘い、ドロドロしてる、栄養価が高い。
・・・
・・
・
甘い声は分かるけど、それならハニーじゃなくてシュガーで良いよね?
ハニーって事は・・・
ドロドロ声とか栄養価が高い声ってのも含まれるんだよね?
ドロドロ声?
どんなんなんだろう?
うへぇって感じしかしないんだけど・・・
栄養価が高い声・・・聞くと健康になる声って事?
それってホントに声なのか?
魔法の間違いじゃないのかっ!
ハニーなボイス!
意味が分からんっ!
ハァハァハァ
か、帰ってきて早々にハッスルしてしまった・・・
ちこっと反省。
そもそも、私はハニーボイスなんかじゃないもん。
高過ぎず低過ぎず、これと言った特徴もない喧騒の中だと誰も気に留めない普通の声だもん。
ハニーもレッドペッパーも私には関係ないのさ。
とまぁ、とりあえずハニーなボイスについては此処までていいとして、だ。
・・・一か八かだったけど、なんとか上手くいったみたいね。
あれからどれくらいの時間が経ったの?
クソエセ神はどうなった?
多分だけど、周りが静かだから決着が着いたって判断で間違いないと思うんだよね。
・・・時間はどれくらい経ったのか?そこだけが心配だよ。
中から外の様子を伺う事は出来なかったから全く分からないの。
一応ね、30日位は過ぎてるはずなんだよね。
【時間経過無効】に『意志の有る生物のみ内部では1秒が約1日となります』って書いて有ったからさ、30まで数えて出てきたんだよ。
だから誤差があっても5日前後だと思うんだよ。
ても、確信が持てないんだよね。
自分で【無限収納】に入ったの初めてだし、生きてるものを入れたのも初めてだったからね。
ま、何にしても家に帰らないとね。
あの子がメソメソしてるかもしれないから超特急で帰宅だー。
って・・・・あれ?
「・・・え?・・・おい・・・待ってよ・・・なんじゃこりゃー!・・・マジすか・・・凹むよこの状況」
前は見渡す限りのう~み~。
んじゃ、後ろは?
・・・こ・れ・ま・た・う~み~。
「絶海の孤島ですか!・・・あんのクソエセ神め!悪足掻きしてこんな所で消滅するなんてあるかってんだ!!」
私ってこんなのばっかりなんだけど、日頃の行いが悪いのかな?
品行方正・質実剛健・才色兼備でやってたはずなんだけどな。
・・・
・・
・
ゴメンナサイ、嘘です毎日適当に怠惰に生きてました。
だって、毎日切羽詰まって暮らして行くなんて面白くないじゃん。
だから、毎日やりたい事をやって、なんにもしたくない時はボケッと過ごして来たのだ。
何か文句ある?
しっかし、マジでまいったわ。
どっちに行けば良いのかも分からないわよ。
はぁ・・・出れてもこれじゃあね~。
夕方まで膝を抱えて黄昏てろってのかな?
はっ!!
ダメだ、東西が分かってもダメなんだった。
この世界は無限平面世界だった・・・
球形惑星じゃないから見当違いの方に行ったら最後だったんだ。
なんでって?
ループしないんだよ?
元の場所にはどんだけ行っても戻って来ないんだからね?
・・・どうしよう?
『・・・さま・・・』
「え?・・・誰か居るの?」
『・・・かあさま・・・かあさま・・・』
「ティファ?ティファ・・・なの?」
『・・・かあさま・・・早く帰ってきてね・・・グス』
「ティファ?どこに居るの?」
こんな砂浜ばっかの孤島に居れば直ぐ見つかるはずなんだけどな。
居ないね・・・
もしかして、これは・・・思念?
あの子の思いが私に伝わって来てるの?
いやいや思念って・・・そこまで何でも有りって言うのは。
魔法が存在したり、魔族が居る世界だからってちょっとねぇ。
でも・・・どっち?
どっちから聞こえて来るの?
・・・多分・・・あっちね。
「待ってなさい、すぐ戻るからね」
やっぱりメソメソしてるのね。
信じろって言ったのに。
あ・・・違うか、帰って来てって事は戻るのは信じてるけど居なくて寂しいってとこかな?
あっるぇ~私ってモテモテ?
なんか照れちゃうね~。
って!
照れてる場合じゃなかった!
どうやって海を渡るかよね。
【操毛】を使えば浮くのは出来るだろうけど危なっかしいよね。
やっぱり飛んで行くのが良いんだろうけど。
飛行出来るスキル持ってないしな~。
飛行出来るスキルが無いなら・・・魔法だよね。でも魔法か~魔法ねー
覚えたくないんだけどなー
覚えたら最後、魔王共が何を言って来るか分かりゃしないしな~
最後の手段よね。
『・・・かあさま・・・グス』
「・・・あぁ!もぅ!分かった!分かったわよ!覚えます!覚えてとっとと帰るから、そんなにメソメソしないで」
私が我が子の涙に弱いとは・・・知らんかったよ。
ふぅ。
手持ちのマテリアル、どれを装着しようかな?
飛行って言ったらやっぱり風魔法かな?
風・・・風かぁ。
どうせ覚えるならまだ見た事が無い様なのにしたいわね。
・・・
・・
・
よっし!
精霊の召喚魔法にしよう。 えっと・・・確か有ったはずなんだよね。
テテテ、テッテテェ~♪
「マ~テ~リ~ア~ル~し~ぜ~ん~げ~ん~。グへッ、ゲホッゲホッ・・・声も似せての、のぶよ風も私にはキツイみたい・・・息が続かない」
多分これで大丈夫だと思うんだけどな。
精霊の召喚魔法かどうかは装着してみないと分からないんだけど、雨が降る、風が吹く、気温が上下するとかって精霊がやってるってイメージがあるからさ。
これって自然現象でしょ?
だから間違ってないと思うんだ。
では早速・・・装着!
スキルは・・・と。
【自然現象】 世界の自然に起こる現象を司る存在、精霊の存在に近づく。
熟練度
100 【精霊交歓】 未獲得
200 【精神力UP5%(重複する)】 未獲得
300 【精神力UP5%(重複する)】 未獲得
400 【精霊使役】 未獲得
500 【属性王交歓】 未獲得
600 【魔力UP5%(重複する)】 未獲得
700 【魔力UP5%(重複する)】 未獲得
800 【属性王使役】 未獲得
900 【精霊力行使】 未獲得
999 【精霊王交歓】 未獲得
ビンゴッ!
精霊関係のマテリアルだった♪
しかし・・・
【精霊交歓】ってボッチが寂しくなったら精霊と話すのに使ってそうなスキルね・・・
イタイ!!
イタ過ぎよっ!!
スキルってこんなんばっかなのは何でぇ?
裁縫マテリアに有った【繰糸】なんて厨二っぽいしさぁ。
何とかならんのかね?
・・・
・・
・
まぁ・・・役にはたつんだけどね。
・・・うん。
私が今もこうやってグチったりバカ言ったり出来てるのはスキルのおかげだもんね。
名前がイタかったり、厨二っぽいのは我慢しないと。
・・・我慢・・・我慢・・・我慢・・・我慢・・・我慢・・・我慢・・・我慢
・・・我慢・・・我慢・・・我慢・・・我慢・・・我慢・・・我慢・・・我慢
むきゃー!
無理!我慢しない!
イタイもんはイタイ!
厨二っぽいのは厨二っぽい!
ネームチェンジ権よこせー!
例えばさ、英語読みにしてみっとかさ。
糸は・・・ライン?ストリング?スレッド?
使うとかは・・・ユーザー?マスター?
・・・
・・
・
ゴメンナサイ、生意気言いました。
私のセンスも逝っちゃってました。
もうたまにしか生意気は言いません。
・・・いいじゃん!
たまには言わせてよ、生意気を。
今の私になるのにちょっとは苦労したんだよ?
だって。
目が覚めたらハムスターだったって何の冗談なの?
しかもよ、異世界だったって訳分かんないじゃない。
手持ちのスキルだってさ最初有るなんて分からなかったし。
有るのが分ってラノベみたいにチートかなぁって期待したら【穴掘り】と【頬袋】・・・
普通のハムスターのやる事がスキルって何よ!
しかもよ!
【穴掘り】ってラノベじゃ捨てスキルじゃない。
ホント有り得ないとおもったよ~
もう、死んだな、としか思えなかったもん。
転生?して直ぐに食べられそうになったしさ。
なんで?が付くかって?
私には死んだ記憶が無いんだもん。
朝起きたらこっちの世界に居たんだもん。
話を戻すけどさ、ホントあれは怖かったよ。産まれて初めて死ぬかも知れないって思ったんだよ。
あっ!
あいつに仕返ししてなかったな!
帰ったら捜し出して仕返ししてやるぅうううううううううう
待ってろよ!
シズネちゃんの恨みは恐いんだぞ~
・・・たぶん。
本編は次回からです。
第1話はシズネがどんな感じの人かの紹介です。
享楽は毎日を楽しむって意味合いで使ってます。
書き出しって、どうするか一番悩むんですよね。
ですから、この1話だけで判断しないで何話か読み進めて、面白い詰まらない合う合わないを決めて欲しい、と言うのが私の願望です。