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9話 【作業厨】と部活紹介

 翌日の朝。


「学校、変わっちゃったね……」

「朝起きたらこんなに……」

「まずいですよ」


 そんな声が聞こえてくる。

 それもそのはず、校舎が変わったからだ。それも一日で。


 校舎の建て替えの影響で、教室へは食堂からクラスごとに集まって先生に連れて行ってもらうことになっていた。

 吹き抜けの螺旋階段を登って、勉強やらおしゃべりができそうなテーブルの前を通ったすぐそこが俺たちの教室だ。


「リックくん、おはようござ……これ、どういうことですか?」


 おぉ、朝から癒しのマリーちゃんではないですか!

 隣には例のお嬢、ソティスがいた。

 昨日も一緒だったな。二人は仲が良いのだろう。


「あら、これ全てリックさんが作ったですの?」


「はい……そうですけど」


「本当ですの!?うちの専属建築士以上の実力だなんて……」


 あ、なんか嫌な予感。


「よろしければうちの専属にならなくて?」


 これは……チャンスだ!

 だって、作業が……作業がいくらでも出来て、恐らく賃金も発生する。

 こんないい話ないぞ!

 マリーちゃんの友達と関わりを持って、ゆくゆくは……なんて思ってはいない。


「条件にもよりますけど、良いですよ」


「本当ですの!?ではまず……あ!もうこんな時間ですの!先生が来るまでに座るのですわ!」


 始業の時間だ。


「皆さんおはようございます」


「「「「「おはようございます!」」」」」


「今日は校舎の建て替えで皆さんも大変だったと思いますが、部活体験をしたいと思います」


 おお、今日は部活決めなのか。マリーちゃんはどこの部活に行くのだろう。

 と、思っていると


「マリー、どこの部活行くか決めたか?」


 カイルがマリーちゃんに聞いた。よしよし、これでどこに行くのかわかるぞ……!


「私は、とりあえず文化部にと……」


「おう、ありがとよ」


 ほう、マリーちゃんは文化部なのか。

 良いことを聞いたぞ!サンキュ、カイル!


 心のなかで感謝しつつ、部活紹介が行われるというホールに移動する。


「うわっ、ボロくね?」

「ホールも建て直しすればいいのに……」


 そんな声が聴こえる。

 よし、今度先生に許可を貰ってホールも作り直させてもらおっと!


「これから部活紹介を始めます、まず始めに―――」


 ここからは長くなったので俺流に簡単にまとめるとする。

 まずは運動部。『剣術部』『競技魔術部』『レコーズ部』の3つだ。


 競技用魔術ってなんだし。魔術に競技用も何もあるのか……?

 あと、何気に入っている、この前父さんが言っていた国民的乗り物『レコーズ』の部活があるじゃないですか。乗りこなせるようになったとは言え、好き好んで乗ろうとは思わない。


 文化部は『調理部』『魔法科学部』『歴史研究会』『詠唱研究会』『掛け算読書愛好会』の5つ。


 まず最初の3つはうなずける。ありそうだなぁとは思っていた部活だ。

 問題は最後の2つ。一つずつツッコんでいこう。

 『詠唱研究会』って名前からして、詠唱の研究するんだろうけども何研究すんの?活動内容しか書いていなかったからわからん。

 そして最後の『掛け算読書愛好会』……

 わけがわからないよ?もう白い悪魔、淫獣ことQBさんもびっくりなレベルで。

 あぁ、T○Sさん消さないでください!お願いしますなんでもしますから!

 それはさておき、掛け算と読書を愛するってなんだろう?

―――ちなみにここの部活だけ入部審査がある模様。


「これで部活紹介を終わります、新入生は体験したい部活の活動場所に向かってください」


 ほぅ。今日はまるまる一日部活に使うということか。

 ……授業日数とか大丈夫なのか?


 そんなことを考えていると、後ろからカイルの声。


「リック、どの部活にするか決めたか?」


 俺は「まだだ」と首を横に振る。


「じゃあ、同じ部活にしようぜ!」


 俺は少し考えてから、


「おう、良いよ!」


 そう答えた。


「やった!ありがとうリック!」


 あまりに喜んでいるのか、カイルが俺に飛びついてきた。

 こう見ると、カイルと俺は結構な身長差がある。

 あ、当然俺のが背が高いからな?

 一瞬、本を読んでいた上級生の先輩がこっちを見ていた気がしたのは気のせい。うん。気のせいだろう。


「それじゃあ行こう、詠唱研究会に!」


「えっ?」


 ちょっと。……今なんて言った?


「詠唱研究会、いこ?」


 そう言ってカイルは手を掴み、俺は詠唱研究会に連行……されたのだ。


 詠唱研究会のドアの前、とうとうここまで来てしまった。


「失礼しまーっす!」


「お、おいカイル、待てよ!」


 ドアを先にくぐったのはカイル。度胸あるなぁ。


 中にいたのは一人の赤い瞳の少女だった……

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