7話 【作業厨】と夢オチ
俺は、校舎の改築を引き受けた。
そして放課後になり、建築を開始した。
数年前に起きた災害で老朽化したらしい。
今まで良く直さなかったな……?
「うーん、どんな建物にしようか……」
元の世界の学校のようなイメージか?それとも一軒家みたいな感じ?
前建てたマンションとか?
うーん。
あっ!
〜〜〜〜〜〜
一時間後。
「な、なんだこれは!」
「校舎ですけど。やっぱりダメでしたか?」
「ち、違う。凄すぎるんだ。これじゃあお城じゃないか!」
そりゃそうだろ。お城なんだから。
断じて、魔法学校と言ったらホ○ワーツ城と思って作った訳ではない。(大嘘)
ちなみに、壁は例の如く土属性魔法で作った。
壁の色は白から黒、茶色まで様々な色に変化させられるようになった。
校舎は城壁で造った。お洒落だし。
「何だこの壁、前の壁より強度が高いぞ」
これは、火属性魔法で一度焼いたからだ。
レンガ的な材質になっていたりする。
あとは……
「これ、結界がねじ込まれているぞ!こ、これは壊せないだろう」
そういうこと。
ちなみに耐久力は大したこと無くて俺のファイアボール3,4発くらいで壊れるんだけど。
「本当にありがとう!今から寮に案内するか……ら」
ズドーッン!!!!
変な物体が飛んできた。
もちろん、校舎は無事だ。うえぇぇい!!!!!
「むっ、無傷。だと?」
物体が喋った。
何こいつ。
「何者だ!」
校長は叫ぶ。
そして、詠唱を始める。
校長も詠唱使うんだなぁ。
「ふはははは。我が名はエンデバー。大魔王シド様が下b……」
「スマーッシュ!!」
校長が魔法を発動させ、眩い閃光を放つ。
俺は急いでエンデバーに結界を張る。
「我、生きてるのか?あぁ、そこの少年よありがとう」
「いえいえ。それよりも校長、何で魔法を放ったのですか?」
校長が喧嘩っ早いなんて思っても見なかった。
とんだ野郎だな。
「エミリーの敵を……よくもリック・グレーティア、許さん!」
ふぇ?エミリー?敵?
あ、でも敵対したら作業の邪魔だし。
……消すか。
「mobキャラは滅べ!」
そう言って俺は魔法を発動させた。
発動した魔法は転移魔法。
上空に転移させてグチャり。
そして地面が赤く染まって……
〜〜〜〜〜〜
「……ック、リック、起きろよ!」
なんだ、夢か。良かった。
異世界で殺人なんて洒落にならないからな。
「リック遅いぞ!食堂早く行きたいんだよ」
そう、もうこの会話でわかるだろうが俺はカイルと同じ部屋だ。
6年間同じ人と生活するんだそうだ。
……俺、マリーちゃんと同じ部屋が良かった。
「どうせ、マリーと同じ部屋が良かったとか考えてるんだろ?気持ち悪いぞ!」とカイルに冷やかされはしたが。
今日の朝食はサラダとパン、それとスープ。
「お、美味そう!いただきまーす」
カイルはやけに美味そうに食う。
こっちまで美味しそうに見えてくるじゃないか!
「わたくし、植物の葉を生で食べるのは初めてでして興味がありますわ」
こいつはソフィア・ソティス。
言動や行動のすべてが超お嬢様。
羨ましい限りだ。とは言え、俺も地方領主の息子だからなんとも言えないのだが。
そしてその隣に座っているのは……
みんな大好きマリーちゃん!
多分、父さんと母さんに会いに行ったら「変わったね」と言われるだろう。
ここでたった一日過ごすだけでも人は変わるのだ。
(殆どマリーちゃんのことなんだがな)
あぁ、こんな充実(マリーちゃん的な意味で)した毎日がずっと続くのかなぁ。
ワックワクもんだぁ!
【大魔王シドのスキル『フ???収?』が発動しました。】
え?ちょ、ちょっと今なんか聞こえなかったか?
突然、先生が急いだようにドアを開けて入ってきた。
「校内に魔獣が多数出現!速やかに避難してください!」
充実した日々とか言う幻想は脆くも崩れ去った。