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世間知らずに異世界暮らし  作者: 緋和皐月
第1章 始まり
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 鑑定屋アビデクスピィア

 この世界には、魔法関連を鑑定する店がある。

 人でも動物でも、植物も剣も服も、紙だって、なんでも鑑定する店がある。

 そんな店をまとめて、鑑定屋アビデクスピィア、と呼ぶ。


 壱之助は、その鑑定屋アビデクスピィアに来ていた。

 店内に居たのは、眠たげな初老と、退屈そうに水晶玉を指でなぞる少女。

 そんな2人の口から溢れる言葉を、机を挟んだ真正面で、今か今かと待ち伏せているのが壱之助である。

 そんな中、やっと物憂げな少女が、口を開いた。


「イチノスケ、トウカイリン」

「はい!」

「貴方は……」


 すぅ、と少女は厳格な雰囲気を纏ったまま、一呼吸して……。


「あんだぁ、土属性でべ」

「ちょっ、じっちゃん! わっちのセリフ横取りせねでぇな!」

「おまんがなかなか言わんでけ、おらが言っだべだな。……それよか、おらん飯はまだが?」

「ご飯はさっきば食べだど! いいがらじっちゃんは黙っでんな!」


 ……異世界っぽい雰囲気を醸し出していたのに、急に生々しい話になって、反応に困る壱之助を前にし、こほん、と少女が空咳をした。


「イチノスケ、トウカイリン。貴方の魔法は土属性です。占いによると、得意魔法は “ 再生の石盤(エピタフ・コメット)” 、“隕石爆発(メテオブレイク)” の2つ。なんと、驚くべきことに、2つとも最強上級魔法です」


 そこで、眠たげな初老が、つんつん、と少女の肩を突いた。


「そだぁは、何だ? 美味いどが?」

「違ぁべ! 美味ぐぁないだ!わっち、じっちゃんは黙っでんなっ言っだべ!」


 こほんこほん、と少女は空咳をした。


「何か、ご質問はございますか?」

「はい! それって美味しいんですか?」

「あんだもじっちゃんと同じ思考回路だっだどっ?!」


 壱之助の言葉に、ついつい方言が出てしまった鑑定屋(アビデクスピィア)の店員の少女。そのセリフに、壱之助の背後にいたアスネリは、深く頷いたのであった。



 面倒臭げに、かなーり詳しく説明してくれた少女によると、 “ 隕石爆発(メテオブレイク)は、その名の通り、隕石を作り出して、爆発させることができるという魔法だ。

 つまりは、土で作る、一種の爆弾である。


 もう1つの魔法、再生の石盤(エピタフ・コメット)は、その名の通り、なんでも「再生」することができる。

 ただし、石盤に魔法使用者が触れることが条件となる。

 その「再生」というのは、物や生物の記憶を再生、というのも含まれるが、死にかけた者を生き返らすことも出来る。

 どんな傷を負っていようと、どんなウイルスに身体を蝕まれていようと、死にかけた生者のみ、死にかける前の状態の身体に戻る……つまり、「再生」することが出来るのである。


「ふんふん。その魔法2つとも、核爆弾並みの脅威ってことですね。……核爆弾って、口の中に入れるとサクサクして美味しいよねぇ」


 と、アスネリに共感を求める壱之助は、核爆弾を何かのお菓子と間違えている。


「SSレベルの貴方の魔法は、この街では魔法練習場でしか練習できませんので、ご注意ください」

「えすえすれべる? そんなラベルが貼ってある魔法なんですか? わかりました、じゃあ取り敢えず、核爆弾食べたいので魔法練習場に行ってみますね!」


 そう言った後、壱之助はパッと背後を振り返る。


「アスネリ、魔法練習場、知ってる? 知ってたら、案内してほしいんだ」

「ハイハイ、知ってるサ。……あとお前さん、いろォいろ勘違ァいしてェないかィ」

「へ?」


 呆れるアスネリをぽかんと見上げ、壱之助は首をかしげたのだった。

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