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41 バッドエンド
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「こんなことでいいのか……」
机に向かった紘太朗は、現文の教科書をめくりながらひとり呟いた。
紘太朗はプラモデルを作り上げたもののなぜか手元にパーツが余ったときのような、もやもやとした感覚に囚われていた。
このやるせない感覚をどこかで経験した気がする。
紘太朗はビジュアルノベルなる種類のゲームを遊んだときのことを思い出した。
主人公たちを幸せにしてやりたくて、二時間近くかけ一生懸命正しい選択肢を考えて、物語を進めていった。にもかかわらず、主人公の彼女は火事で焼け落ちる館の下敷きになってしまったし、事件の犯人と勘違いされた主人公が彼女に殺されたりもした。
――あれは悲しかった。
あのたまらなさに似ていると思った。
どうしてこんなバッドエンドじみた事態になってしまったのだろうか――。
紘太朗はひとり考え続けた。




