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公園恋慕帳

作者: 蟋蟀

個人的に「AとB」は気に入ってます

A「おい」


B「どうした?」


A「ちょっと相談があるんだが」


B「珍しいな」


A「そうか?……まあ聞いてくれよ」


B「おう」


A「彼女ができたらしい」


B「ほう。誰に?」


A「俺に」


B「そうか。じゃあな、また明日」


A「待て待て。どうしてそうなる」


B「どうせお得意の嘘だろう?」


A「誰がいつ嘘をついた?」


B「お前いつも嘘ついてばっかじゃねえかよ」


A「嘘はついてない。情報が偏ってるだけだ」


B「自覚してんのかよ!」


A「わざとだからな」


B「堂々と自白するな!」


A「だが嘘はつかないのが俺の、お前で遊ぶうえのポリシーだ」


B「そうかよ」


A「だから今回もお前で遊ぼうとはしているが嘘はついてないからな」


B「だから堂々と自白すんな!もっと申し訳なさそうにしろよ!」


A「申し訳ない」


B「全然申し訳なさそうじゃない……」


A「無駄話はこれくらいでいいか?」


B「はいはい、よござんすよ」


A「それでだ」


B「分かった分かった。お前に彼女ができたんだろ?それで?」


A「分かってない」


B「はあ?」


A「できた『らしい』んだよ」


B「……はあ」


A「今からその彼女と名乗る奴を見に行くから付き合ってくれないか?」


B「ごめんさっぱり分かんない」


A「お前の理解度は問題じゃない」


B「うぜぇ……」


A「まあはなからお前なんかには期待してないが。黙ってついてくればいいから」


B「なんかって言った!?今お前なんかって言ったよね!?」


A「いいから。行くぞ」


B「よくないから!っておい、置いてくなよ!」


・・・・


A「で、どう思う?」


B「いや、どう思うって言われても……いきなり公園に連れてこられただけなんだけど?」


A「お前の理解力は犬以下か」


B「流石に犬には理解できないだろ」


A「いいか?一度しか言わないからよく聞け」


B「おう」


A「あそこにブランコを漕いでる5歳くらいの幼女がいるだろ?」


B「……?うん」


A「あれが俺の彼女らしい」


B「……引くわぁ」


A「待て。お前に引かれると俺の精神がもたない。俺はお前に対してドン引きの毎日だというのに」


B「ひどい」


A「とにかく話を聞いてくれ。俺は昨日、いつものようにこの公園で遊んでいた」


B「何してだよ」


A「え?子供達の作りかけの砂山にバケツいっぱいの水をぶちまけたりとか、ブランコ漕いでる子供の背中をいきなり押したりとか」


B「性格歪んでるなあ……」


A「照れるぜ」


B「褒めてない」


A「そしてだ。3つめの砂山を無に帰したころ」


B「やりすぎだろ」


A「あの幼女が話しかけてきた」


B「へえ。なんて?」


幼「また来てくれたの?嬉しい」


B「ふーん」


A「ちょっと違う。『また来たの?私の運命の人』だ。……ん?」


幼「ねえ、今日はデート行きましょうよ」


A「待て。お兄ちゃんはいまこのお兄ちゃんと話しているところなんだよ」


幼「誰?その男。まさか……浮気?」


A「ふざけるな。こんな奴と関係を持つくらいなら俺は幼女に手を出して逮捕される道を選ぶぞ」


幼「そうよね。さ、デートに行きましょう」


A「おう」


B「ちょっと待とうか、君ら」


A・幼「「え?」」


B「俺に対する暴言はもうこの際置いておくけど。A、結局のところ俺に相談したいことって何?」


A「そうだったそうだった。お前への嫌悪感を利用されてデートに行ってしまうところだった。この幼女、相当の策士だぞ」


B「俺帰っていい?」


A「チョコボール二つ買ってやるから」


B「しょうがないなあ……」


幼「安い男ね」


A「つまりだ、B。俺は面識のない幼女にいきなり恋人宣言されてどうしたものだろうか」


B「面識なかったの!?」


A「ああ。なあお嬢ちゃん、君の名前はなんて言うんだ?」


幼「椎(しい)よ」


A「なるほど、Cちゃんか。いい名前だね」


幼「いえ、椎よ」


B「なあ、Cちゃん、君はこんなやつのどこに惚れたんだい?」


C「あ、Cになった……」


A「そうだな。俺は君のことなんて知らなかったし、君も俺の名前を知らないはずだ」


C「そうね。そこの馬鹿なひとと話してるのを聞いてAだって知ったわ」


B「幼女にまで馬鹿にされた……」


A「ならなぜ君は俺のことを運命の人だなんて言い出したんだ」


C「愛さえあれば細かいことは関係ないのよ」


A「その考えは大変素晴らしいと思うんだが……」


B「二人とも将来は出会い系に気をつけてね」


A「しかし君は俺の気持ちを無視しているだろう。俺は幼女なんてまっぴらだし、ましてやお前みたいな生意気なガキは大嫌いだ」


B「言いすぎじゃないか?」


A「ませたガキにはこのくらいがいいんだよ」


C「ダメよ。私が運命の人って決めたんだから」


B「メンタル強いなこの子」


C「欲しいと思ったらそれは全部私のものなの。お母さんがそう言ってたの」


A「なんて親だ……」


C「だから、結婚しましょ、あなた」


B「おい、A。案外ままごと感覚かもしれないぞ。適当に付き合ってやったら」


A「そうかもな……。わかった、Cちゃん、じゃあ俺がお父さんな」


C「待って。ちゃんと段階を踏まなきゃ。うちに行きましょ」


A「?なんで」


C「私のお父さんに結婚の報告に行くのよ」


B「Cちゃん、いくつだい?」


C「5歳」


B「5歳の娘と結婚するって男子高校生が言いに来たら……刺すな、俺なら」


A「奇遇だな。俺もそう思う。……作戦を変えよう。こいつに嫌われる方向で」


B「なるほど。なあ、Cちゃん、Aがこの公園でなにしてたか知ってるのかい?」


C「ええ。アホ面浮かべている男どもに制裁を加えていたわ。かっこよかった……」


A「照れるぜ」


B「だめだこりゃ」


A「だがな、Cちゃん。それは相手がガキなら同じことだ。君だってあんな目に合わせるぞ」


B「ただの脅し!」


C「そうなったら交番に駆け込むわ」


B「この子自分の立場ちゃんと把握してる……」


A「君のご両親はどうする?結婚なんてそんなの認めないだろう」


C「親なんていざとなったら捨てるわ」


B「変に度胸あるなおい」


A「もし結婚したとしても俺は君を無視し続けるぞ」


C「私の魅力の前にそんなことは無理よ」


A「むしろ監禁する」


C「そういう愛の形もあるでしょうね」


A「君のために金を稼ぐなんて嫌だからな」


C「それならなにをしてでも私が稼ぐ」


A「Bに引き取ってもらうぞ」


C「それはいやだ!!」


B「ひどいっ」


A「悪い、さすがに冗談だよ」


B「勝てる機会をみすみす逃したっ」


A「だってお前に預けるのはあんまりだろ」


B「俺があんまりだよ……」


A「しかしどうしたもんか」


B「俺にはどうしようもないぞ」


A「嫌だ……あんなクソガキと恋人なんて嫌だ……」


B「諦めろ……」


C「あっ!」


A「今度はなんだ」


C「お母さん!」


B「お迎えか」


C「え、この人?この人はねー私の恋人なの!……んー?こんな貧乏そうな奴やめろって?わかったよお母さん!ばいばい!元彼!」


A「………………」


B「………………」


A・B「「釈然としねー……」」



オチが微妙ですね(ーー゛)

また思いつきで投稿すると思います

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