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Prologue2~All starts2~

Prologue2~All starts2~


「やっぱりな!やっぱり出やがった!」

俺は急いで2組の教室に飛び込んだ。

其処にいたのは大きく透明な体に太い腕、体の割りに短い足を持ったアンバランスな体の巨人、左胸の心臓に位置する場所には赤黒い塊がどくんどくんと脈打っている。

奴らは人間の強い・・・・・強い負の感情から生まれる、そのため基本的にただ壊したり暴れたりするだけの存在だ。ただ暫く放っておくと自分の造り主の感情の原因を襲うようになる、あれは少し成長してその単純な原因、詰まるところ物を叩き潰すくらいに成長しちまってる。また暫く方って置けば・・・・・・・原因となった人に危害を加えるようになるだろうか。

俺は両手の人さし指と親指で円を作り巨人の心臓部を覗く。

「赤に青、ほんの僅かな黒・・・・か」

俺はこうすることによってあの化け物がどういった感情で動いているのか色で分かる。赤は怒り、青は悲しみ、黒は破壊衝動。放っておくと一番危険なタイプだ。

グワッシャーン!巨人は黒板を叩き潰した。そろそろやらないと学校の被害総額がえらいことになりそうだ。

「おい!」

飛び散っていた黒板の破片を拾うと投げつける。

しかし木の破片は巨人を通り抜けてしまった、その上全くこちらに気が付いていないようだ。クソ、やっぱりアレでなくちゃ駄目か。

「おいおいおい、強烈に無視してくれやがって。全く持ってやってられねえ!」

ポケットからとあるものを取り出す、それは黒々とした黒曜石よりもッともっと深い深い黒の石。傍から見れば美しいが俺にとっては苦々しい闇の固まりだ。

「さ~て一丁やりますかな。」

右手の掌中の石・・・・・俺たちは魔導石と呼んでいる・・・・・・が輝く!

その段になってようやく巨人がこちらを向く、巨体を揺らしてのそりのそり入り口近くの俺のほうへ寄ってくる。

俺は左手を強く握り腰で構え、右手を前に突き出し叫ぶ!

「変身・・・・・・・!」

一陣の黒い疾風が体を包む・・・・・・・

「はぁぁぁっぁぁぁぁ・・・・・・・」

右手を横に薙いで風を振り払う!

そうすると俺の体は先ほどまでの学生服でなく真っ黒なコートに包まれていた。

「グウォォォオォォオオォォォォォォ!」

その姿を見た瞬間巨人は咆哮し、その巨体に見合わない速度で突っ込んできやがる。

「レーヴァテイン!」

俺がそう叫ぶと虚空に剣の柄が出現し、それを一気に引き抜く。

グワ!巨人が腕を振り上げたようだ、叩き潰す気らしい。

「あらよっと」

俺は地面を転がり、その巨大すぎる拳を避ける。そのまま後ろに回りこみレーヴァテインで斬りつける。

ぐらりとその巨体が一瞬よろめくがすぐ立て直し俺のほうへ向き直った。グワ!再び拳を振り上げる!

轟!大気を切り巨大な拳が俺めがけて振り下ろされるが今度は避けない、

「ハッ!」

気合とともにレーヴァテインを振るい腕を縦に切り裂く。巨人はぶらん、と奇妙な具合になった腕を見つめ動きを止めている。

チャンス!今のうちだ!そう思い、レーヴァテインを振り上げ首を落としにかかった・・・・・・・が、その巨体からは思いもよらぬ俊敏な動きで後ろに飛び退いた。

「でかいくせに良い動きするじゃねえか・・・・・・・めんどくせえ野郎だ!」

先ほどは向こうから攻めてきたが今度は俺が攻める番だ、レーヴァテインを上段で構え突っ込む!

「ウォオオォォォオオォォォオオオ!」

巨人は再び咆哮すると残った腕を高く振り上げ突っ込む俺を迎え撃つ。

「セヤァ!」

俺は巨人の懐に一気に飛び込む、それを巨人は叩き潰そうと腕を振り下ろす!

それを紙一重でかわしす。ドム!巨人の拳は床にめり込む!巨人の動きはそれでお終い、再び腕を振り上げる前に俺はこいつの首を刎ねられるからな!

「シャァッァアア!終わりだ!」

レーヴァテインは綺麗な半月上の軌跡で巨人の首を落としていた。

さらさらさら、巨人が粒子となって崩れて行く。これで終わりだ・・・・・・・。

コツコツコツコツ、ヤバイ!誰か上がってきたぞ!俺は窓を開け放つと其処から飛び降りる。

3階で10mほどの高さだが変身さえすればなんてこと無い高さだ。猫並みにしなやかに着地してダッシュ、校門までの300mほどを20秒ほどで走り抜ける。普通の人間なら絶対に出来ない速度だがなんだって無い。なんせ俺は・・・・・・・・・・・・

なんせ俺は魔法使いなのだから。


魔法使い・・・・・・

魔力の結晶『魔導石』と契約し、さっきの巨人・・・・・・俺たちは『Halluzination』と呼ぶ・・・・・・・・・と戦う特殊な人間。

俺たちは魔導兵器と呼ばれる固体化した魔力でHalluzinationを斬り、撃ち、命を賭して戦う。

そしてその対価として手に入れられるのは高純度の魔力の塊。


俺は校門を出てからふと思い出した、

「やべ!魔力の結晶取るの忘れてた!」

アレは高値で売れるのだ、普通の魔法使いは自分の武器の強化や魔術を行うのに使うんだが・・・・・・・

俺はそんなものに興味ない、必要最低限意外はほかの魔術師に高値で流す。おかげさまで普通の高校生の優に数十倍くらいの余裕がある。しかたねえ、1つくらいあきらめるか・・・・・・。

ちなみに『変身』の台詞にあまり意味は無い、ただの魔導石の力で魔力を纏う・・・・・つまるところさっきのコートみたいなモン・・・・・ときの掛け声だ。別に魔法少女っぽく『メタモルフォーゼ!』だって『キャストオフ!』だって何だって構わないのだ。

ま、高校の男がメタモルフォーゼなんて似合わない上に俺の尊敬するとある人間がこういうときに『変身』って叫んでたから真似してるだけさ。別にキックを決め技にするは無いけどな。

県内第二位の人口を誇る俺の街大谷市、東の端は全国有数の大きな川、西端はちょっとした山脈、北端と南端は田舎町。県自体がたいした大きさで無いためこの町も結構田舎だ、端に行けば行くほど田んぼと用水路が随分増える。俺の家はその北端、ちっさい築20年の家に一人暮らし、親は・・・・・・まあそのうち話すさ。

その小さな家の階段を登り二回の自室の鍵を開け中に入るとそのまま着替えもせずベッドに倒れこむ。変身すると以上に疲れる・・・・・・・・。

そんなこんなで目が覚めたのは3時過ぎ、太ももに何か硬い物体が当たるので触ってみるとポケットに形態があった。俺はそれを引きずり出して放り投げよう・・・・・としたときだった。ふと携帯の前面の液晶が光っていることに気が付き開く。

「着信1件か・・・・・・・えっと相手は・・・・・・・・・・高梁かよ、最悪だ。」

この携帯は暴れまくる俺が壊してしまわないように丈夫な奴を選んだため雨に塗らそうが石に叩きつけようが簡単に壊れないように出来てる。だから投げたって問題ない、投擲!黒い角ばった丈夫そうな携帯はベッドから部屋の端まで吹っ飛んでいく。


『私に出来ること 一つづつ叶えたい 夢に向かって』お気に入りのアニメのオープニングで目が覚めた、このアニメは全ての萌え要素を備えるキャラクターが登場するうえ俺の尊敬するエースパイロットをモチーフにしたキャラクターが主役でその上、大戦時の戦闘機や銃火器を多数出してくるため色々と見所沢山だった・・・・・語りたいのは山々だが・・・・・・・・・この曲は携帯の着信音だ・・・・・・しかも高梁専用に設定してある・・・・・・・・・・・・。

「現在この番号は使われておりません、番号を確認のうえお掛け直しください。」

『なに馬鹿言ってんだよこの超深海性生物、ふざけてると10000mくらいのところに沈めるぞ。』

「で、何の用だよ。俺を小笠原海溝に沈めるためだけに電話したわけじゃないだろ?」

『小笠原は10000mも無いぞ』

「だから何の用だよ・・・・・・・・今日はみんな大好きサタデーだもうあと少し寝ていたいお休み。」

『まてってホウライエソ、昨日お前病院行かなかったろ。寂しがってたから今日行ってやれって話だよ。』

「ああ、何時から行っていいんだっけ?」

『10時からだよ、絶対行ってやれよ!』

「OK、絶対行くから安心しろ。」

『なら寝てよし!暗い海の底でお休みホウライエソ!』プツ

一方的に切りやがったクソ、なんつうめんどくさい奴だ。

今日の午前は病院で昼からはブラブラしてみるか。


続く・・・・・・・・


どうもたけひろです。

魔法少女といいつつも何時まで経っても少女が出てこないと言う妙に異色な小説になっちまいました。

今回は主人公の名前についてでも。

敷島と言うのは旧日本海軍の戦艦、敷島級のネームシップである敷島から取っています。

ショウジは海軍中将、西村祥治氏より取っております。

もうあと少しすれば少女が出てきます、それまで見捨てないで読んでやってください。

ではまた次回

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