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OVER DRIVE  作者: ぎぶそん
4/12

3人目の部員

月曜日はいつもだるかった。

月曜日と言えばタナキョーのうるさい大きな声で俺の名前を呼ばれる出席確認がある。そのイベントだけはとんでもなくだるかった。しかし、陽介の存在で学校は少し楽しくなったかな。


「はい!」


出席番号が一番早い陽介はタナキョーに負けない声で返事をしていた。クラス内はくすくすと笑い声が生まれた。


(アイツ・・・。やるな)


それに対し、出席番号が一番遅い俺は、静かに闘志を燃やした。


「はぁい!!!」


(どうだ・・・。俺の方がでかい声だっただろ・・・・?)


クラス内は一気に冷めた。




          ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




朝のホームルームが終わり、俺は陽介の元へと向かった。


「早速、部員集めの話だけど」


「そうだな。とりあえず俺の友達にギター持ってるヤツがいたんだけれども」


「ええ?そいつでいいじゃん?てか同じ中学校だったのになんでお前限定の友達いんの!?」


「ああ、塾でね」


俺らは陽介の友達だったという岡田徹

おかだとおる

という人物に会いにいった。


「お!いたいた。あいつだよ」


岡田は自分の席で文学を楽しんでいた。前髪は目を隠し、いかにも引き蘢りって感じの風貌だった。


「あ、あいつなの?なんか雰囲気がすごいけど」


「ま、まあ雰囲気はな」


「とりあえず話かけてみるか」


俺たちはクラスに入って岡田の席におそるおそる近づいた。


「おい!岡田?」


陽介が話しかけた。


「おぉ・・・。陽介か・・・・・」


(暗い!!!!!!!!!!!)


「何の用だい?」


「え、え〜と、あの〜、アレだ!啓人!頼んだ」


「えぇ!?」


陽介はいきなり俺にふってきた。この雰囲気に耐えられる気がしなかった。


「あの〜、音楽に興味ない?」


「あるよ」


「俺ら、軽音楽部作ろうとしてるんだけど・・・入ってくれない?」


「いいよ」


「え?いいの?何かありがと」


「僕もそういうのやりたかったし・・・」


そんな所で岡田は部員のメンバーになった。


「早速だけど今日の午後空いてる?」


「うん。僕はいっつも空いてる」


「うぅ・・・。じゃあプレハブ行こうか?陽介」


「おう!いいね。待ってるわ」





       ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




こうして俺らは学校が終わってからプレハブへと向かう事にした。

俺は一度家に帰りプレハブへと向かった。プレハブの前には既に「岡田」の名前が書かれた自転車がとめてあった。


(もう着いてるのか・・・)


俺は近くに自転車をとめてプレハブに行ったが鍵が閉めてあったので、俺は貰った合鍵を使い中へと入っていった。

すると一階に座っていた岡田と陽介は同時に振り返った。


「おう、遅かったな」


二人は一階で小さなテレビを見ていた。


「おい!何だそれ!?」


「岡田からの貢ぎ物」


(すごいもの持った来たな・・・。もう家と化してるじゃないか?一階・・・)


「とりあえず二人とも!ギター持って来たし、二階行って弾いてみようぜ」


「あ!僕も持って来た」


岡田が返事をした。意外と話がすんなり入れて良かった。


俺たちは二階のスタジオへと上がった。楽器があるとやっぱり本格的だ。


「よし!早速弾くか」


俺は赤いレスポールギターをアンプにつないだ。


「・・・・・・」


岡田はクリーム色のレスポールを抱えたまま、ぼーっとしていた。


「・・・・・何を弾くんだ?」


茶色の大きなベースを持った陽介が口を開いた。


「え〜と・・・何弾こうか?」


「じゃあ何か曲決めようぜ」


「僕はコピバンよりオリバンがいいな・・・」


岡田が何か呟いたが、何の事か分からなかった。


(業界用語か・・・・?)


「よし!じゃあ俺らはオリバン一筋で行こうぜ!」


陽介が応えた。


「ええ!?ちょっと待って!オリバンて何?」


「お前知らねーのか?」


「コピバンがコピーバンドの略で、オリバンがオリジナルバンドの略」


「なるほど。自分で曲を考えるってか」


「そういう事!」


「じゃあ、作詞作曲誰がやるんだ?」


「それは・・・じゃんけんだろ!?最初は試しってことで!」


俺たちは真剣な顔つきになり、一気にじゃんけんを開始した。





ーーーーーーーーーーーー俺が一気に負けた。

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