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OVER DRIVE  作者: ぎぶそん
2/12

春、学校の始まり

高校生活で一番のイベントとは?

俺の個人的判断だが、俺は部活だと思う。

みんなと同じ意志を持ち、その事に向かって努力する。これほど楽しい事は今までに無かった。これから俺の波乱の高校人生を書き記すとしよう。高校ではいろいろな事があったが、さて、冒頭は・・・・・・・。




        ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






今日から学校が始まる。長かった春休みは今日で終わってしまった。今まで受験のために精を費やして来たが、難も無く合格した俺は幸せの春休みを手に入れる事ができた。宿題も無い、勉強はほどほどでいい、なんて幸せな時間は幼稚園以来だろうか。とは言っても、俺はただぐうたらとこの休みを過ごしていた訳じゃない。全ては中学校の頃から憧れていた部活だ。もともとアウトドア派じゃあなかった俺は、中学校では望んだ部活につく事ができなかった。とりわけ運動音痴という訳でもなかったが、好きでもない事をやっているのは流石に応えた。そんな時、俺は思った。高校では好きな部活動がつくれる。それは俺にとってはとても魅力的な事で、最も重要視している所だった。俺の「好きな事」。俺は絶対に軽音楽部をつくる!!


今日も大きな音を出して、部屋でギターをかき鳴らしていた。そろそろ学校に出なくては。



桜坂第二高等学校。学業の成績は並。部活では多くの結果を残していた。


「出席をとるぞ!」


その雑に大きな声で学校は始まった。今まで「同じクラスだ」とか「担任どういうのだろ?」とかいった話で盛り上がっていた教室は一気に静まった。みんなが席に着くと、担任の呼名が始まった。


「・・・・・・・!」


次々とクラスメイトの名前が呼ばれていった。中には中学校からの幼なじみがいたり、初めて聞くような名前があったりした。


山口啓人やまぐちけいと!」


その名前はあまりにも普通で、昔から嫌いだったが、とりあえず俺は返事をした。


「返事が小さいぞ!」


(く・・・っ)


どうやら担任は汗臭い熱血教師で外れくじのようだった。


「はいっ!!!!」


今度は嫌みかと思われるほどでかい声で返事してやった。


「お、おう!いい返事だな・・・」


(そりゃ、退くわな。あんな声だと)


そのせいで俺はクラスで目立つ存在となった。


「とりあえず、俺は君たちの担任となった田中恭平たなかきょうへいだ!これからよろしくな。ビシバシいくから覚悟しておけよ」


(タナキョー・・・)


俺は一人呟いた。








「新しい部活をつくるのにはどうすればいいんですか?」


俺は朝の学級活動が終わると俺はすぐにタナキョーの元へと向かって聞いた。この質問だけはどうしても聞いておかなくては。


「すまないが、俺に聞かないでくれ!俺はそういうの専門じゃないんだ」


「え?誰がそういうの専門ですか?」


「そうだな・・・。春村先生に聞いてくれ。多分職員室にいる」


俺はいわれるがまま職員室へと向かった。薄汚れた校舎は廊下が狭く、休み時間の移動は困難を要した。


職員室につくと、職員室は明るく、先生方が自由に話していた。


(こんなんでいいのか?ところで春村先生は・・・)


遠くに大きく椅子にもたれかかっている先生が見えた。その机の脇には「春村」としっかり書かれていた。おそらくあれが春村先生だろう。強い目つきをしていて、職員室にもかかわらず、タバコをくわえていた。


「すいません。1年生の山口ですけど・・・」


俺は勇気を出して話しかけてみた。


「部員は5人集めろ」


「は、はい・・・・・?」


いきなり話をされて俺は戸惑った。


「部活つくりたいんだろ?1年生の質問はだいたいそうだからな。どんな部活でも5人が集まればつくれるぞ」


先生は何でも分かっている様子で話は早く済んだ。


「あの・・・、それだけでいいんですか?」


「ああ、ほとんどは部員集めでギブアップだけどな」


俺は大きくつばを飲んだ。


「あ、ありがとうございました」


「もし、部員が集まったら俺の所にもう一度来い」


「はい」


そういって俺はその不良的先生から逃げるようにして職員室から出た。


「また1年生ね。毎年恒例の」


「ああ、そうだな」


春村先生が近くに来た女先生と話しているのが見えた。






       

     ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




早速部員集めだが、何から取りかかろうと悩んでいた。自分の席について頭を抱えている俺に何かが後ろから飛びついて来た。


「何だぁ!?」


振り向くとそこには見覚えのある顔があった。


「よ!久しぶりだな」


天下陽介あましたようすけだ。コイツは中学校からの友達で、かなり活発な性格。


「何かお悩みなようですけど?」


「お前・・・音楽興味ある?」


俺は単刀直入に聞いてみた。


「ていうか俺、ベース持ってるし」


「え??」


思いがけない言葉だった。何故今まで陽介に声をかけなかったのだろう。


「じゃあ、軽音楽部に入ってみない?」


「あ、面白そうだね。いいよ。暇だから」


「マジ?よっしゃー!!」


こんなにも早く部員一人目が見つかるとは思わなかった俺は喜びで溢れた。




ここからだ。俺は陽介と絶対、軽音楽部を立ち上げる!!

これから連載していくので、是非見てください。

感想もどんどん書いてください。

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