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第14話『修羅場は放課後の教室で』

放課後の教室。

まばらに残る生徒たちのざわめきのなかで──俺の周囲だけ、空気が張り詰めていた。


「……咲、言いたいことがあるのは分かるけど、今ここで言うのはやめようよ」

澪の声は震えていた。怒りとも、悲しみともつかない感情が混ざっている。


「なんで? 私たち、もうそれぞれの気持ち伝え合ってるんでしょ? だったら…」

咲の声は淡々としていた。でも、強くて、どこか切実だった。


「……私は、まだ光くんに“返事”なんて求めてないよ」

「私は、ただ“答え”を聞きたいだけ。あんたと競う気なんて、最初からない」


「……っ」


咲は俺の目を見て、言った。

「私は、光くんのことが好き。ずっとずっと前から」

「それだけ。……それ以上も以下もないよ」


教室に、沈黙が落ちた。


俺は、何も言えなかった。


澪の顔が俯く。

咲はゆっくりと鞄を取って、ドアの方へ歩き出した。


「……明日から、少し距離置くね」

「光くんが、誰をちゃんと見てるのか、私も冷静になりたいから」


そう言って、咲は教室を出ていった。

その背中は、いつもより少しだけ、小さく見えた。


「……光くん」

澪が俺の袖を引っ張る。


「私は、どんな形でも、光くんの“そば”にいたいって思ってるから」

「……ありがとう」

言葉にするのが怖かった。

言葉にした瞬間に、何かが壊れてしまいそうで。



帰り道。

綾音先輩からメッセージが届いた。


> 「選ぶのはあんた。でも、“選ばない”という選択肢が一番残酷よ?」




それが、先輩らしい言葉だった。



次の日。

咲は学校を休んだ。


「……熱らしいよ」

と、クラスメイトが言っていた。


教室の席がぽっかり空いていて、

そこに咲の明るい声や笑顔がないことが、やけに寂しかった。



その放課後。

俺は咲の家の前にいた。

澪にも、先輩にも、何も言わずに──ただ、来た。


チャイムを押して、出てきたのは、咲だった。

すこし顔色が悪かったけど、それでも、俺を見て微笑んだ。


「……なんで来たの?」


「会いたかったから」


その言葉は、自分でも意外なほど自然だった。


「……ずるいよ、光くん。そういうの」

「ごめん。でも、ちゃんと話したい。俺の気持ちも、向き合いたいんだ」


咲は黙っていた。


風が吹いて、俺の髪を揺らす。

それが、今までの曖昧な日々を吹き飛ばしていくみたいで──


俺は、一歩、踏み出した。



「面白かった!」
















「続きが気になる、読みたい!」
















「今後どうなるの!!」
















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