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君に出逢うまで

作者: 琥珀

 大学のテスト期間も終わり周りが「なぁ、今日どっか行かね?」などと騒ぐ人たち。それに比べて私は友達が少ない。「理央(りお)」誰かが私を呼ぶ。振り返るとそこには唯一の親友アキラがいた。不思議なことに振り返った途端に周りの音が聞こえなくなった。”何か”が呼んでいる。窓から風が吹いた。どこかに飛ばされたような気がした。-理央!理央!ハッ…私は意識が飛んでいたようだ。-あれっ。あんな所に木なんてあったっけ?「理央、大丈夫?」アキラが不安そうな顔でこちらを見る。「大丈夫だよ。でも、あそこの木もとからあった?」と尋ねたら辺りが真っ暗になった。どうやら私は気を失ったようだ。…ん~目が覚めると目の前にアキラと私の両親がいた。-あれ。お母さん、お父さん。生きてたの?亡くなったんじゃ…実は理央の両親は理央が高2の時に亡くなっていたのだ。アキラは私が目を覚ましたことに気づき、「理央!大事ない?」と悲しそうな顔で聞いてきた。私はぼーっとアキラの顔を見ていると安心したのかまた眠ってしまった。夢の中で両親に会った。ー。…ここは…どこだろう?辺りは真っ白で何も見えない。いや、何も感じない。ここで何をしていたのかも思い出せない。あれ、私って誰だっけ。何ていう名前だっけ。じっとそこにいても仕方ないから真っ直ぐ歩いた。歩き始めてから十分が経とうとしていた。誰かの視線を感じた。…ゾクッ。ゆっくりと周りを見回した。何も変化はなかった。真っ白な景色だけが永遠に続いている。あれ?おかしいな…さっきまであの扉なかったよな…?私は気になり扉に向かって歩き始めた。扉は想像以上に大きく開けることが難しそうだ。う~ん…。試しに扉を押してみた。ビクとも動かなかった。無理か…私は諦めて(きびす)を返した。すると何かが開く音が聞こえた。さっきまで閉じていた扉が突然開いた。えっ…。恐る恐る扉に歩み寄り、中を覗いた。しかし、扉のなかはさっきと同じ空間だが少し違うところがある。それはアキラと私の両親が立っていた。…なんで?中に入ってみた。どうしてアキラまでいるの?お母さん?お父さん?いるの?ここはどこなの?教えてよ…理央!理央!理央!!ん…?誰かが呼んでいる。理央って誰?もしかして私の名前??…そうだ私は大学生で両親を高2の時に失ったんだ…意識が戻り、自然と涙を流していた。私はどうして今まで両親のこと、アキラのことを忘れていたのだろう…私は悔しかった。情けない。アキラはずっと私の名前を呼んでくれたのに…ずっと私の病気に向き合ってくれてありがとう。これからもこんな私だけどよろしくね。

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